宝仙学園理数インターが入試問題を変える!
★2月7日、「宝仙学園中学理数インター」が画期的な「算数特別入試」を実施しました。同校の柴田先生は「受験生の皆さんの中学受験最後の思い出として最高峰で、かつ面白い問題に取り組んでもらいたいと考えています。」と語っていましたが、問題を拝見してその野心に驚きました。
★どうやら算数オリンピックの考え方に基づいて創られているようで、創造的才能発掘型のテストでした。算数オリンピックの考え方とは、「子供たちは誰もが、すばらしい可 能性に満ちあふれています。それを引き出すためにもっとも大切なことは結果では なく挑戦する勇気です。算数オリンピックは子供たちにゲームやスポーツに挑戦する 気持ちでのびのびと『算数』を楽しんでもらいます。それによって21世紀を担う新たな才能の発現の場となることを目的に毎年開催いたします。 」というもの。
★中学受験は思考力をものすごく大事にしていますが、今回の同理数インターのチャレンジは、思考力×発想力(直観力)のシナジーを生み出す問題作成でした。1つ紹介すると、
8人がまるいテーブルに座っています。今、順番に全員が自分の左隣に座っている人のことを「私の左隣に座っている人はうそつきです!」と言いました。さて、この8人の中にうそつきは何人いますか?
★この問題はピン!とくればあっさりできますが、この「ピン!」が養われるには、「言葉に敏感」であることが要請されますね。数学史上は、「嘘つきのパラドックス」という大問題がこの問題の背景にはあります。
★「嘘つきな男が自分を嘘つきだと言った。」この文章どこかおかしくないだろうかというわけですね。数学者ラッセルなんかが真剣にこのおかしさ=パラドックスを解決すべくがんばってしまったわけですね。最後にはゲーデルまででてきて、「不完全性原理」を証明してしまった(私はこのことはよくわからないんですけどね)というところに話が結びつくようですよ。
★算数オリンピックは1992年に、広中平祐先生(京都大学名誉教授・ フィールズ賞)や大道芸人としても著名な数学者ピーター・フランクル氏の提唱で始まっているわけですから、当然ながら算数の問題でありながらスケールの大きい問題が出題されるわけです。このような問題は、昨年生誕100周年だった神秘的な現代数学者クルト・ゲーデルを思い出すよき問題でもあります。
★この手の入試問題を多くの私立中高一貫校が実施すれば、中学受験の準備も相当変わってきます。まさにクリエイティブ・スクールの開花ということになりましょう。今年、宝仙学園理数インターは学園の革命を興したわけですが、学園内にとどまらず私立中高一貫校にその種は広まるかもしれません。大いに期待したいところです。


