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2007年3月13日 (火)

2007年教務資料を読む(4)~新しい子ども像の表現

★前回の「2007年教務資料を読む(3)~新しい子ども像の表現」つづきです。過去の教務資料と比べてみて、やはり国語の中学入試で取り扱われている素材文の作家のランキングが変わっているのを確認しました。

★やはり気になるので、NTS教育研究所の岡部憲治さんとああでもないこうでもないと話し合っているうちに、あさのあつこ、豊島ミホ、石井睦美、草野たき、梨屋アリエといった1つのグループを感じさせる作家について、岡部さんも調べ、コラム「多様性がうむ 新たな傾向 -2007年 中学入試素材文に視る-」を書いています。

そのコラムによると、

「これは今までの既存のカテゴリーとは少しちがう。中学入試という切り口で考えると、出題する側の先生達の年齢、嗜好と出題対象となる生徒の年齢、求められる生徒像のエッセンスをふんだんに含んでいる可能性もある。

また、ピュアフル文庫を出しているジャイブといえば、現在、ポプラ社の傘下でありつつも文庫本だけでなく、マンガやゲーム関連の雑誌・小説などメディアミックスはお手のもの。今の時代を反映した複合的な表現手法を用いて様々な層に"一つのコンテンツ"を提供している。

総じて、今までの"国語"の出題文(素材文)とは背景の違うメディアミックスの可能性を多分にもっている作品、すなわち様々な表現手法で解釈されうる素材が求められているのかもしれない(これだけ様々なメディアがあふれている時代だから当然か)。」

★メディアミックスに耐えうる新しい表現と子ども像の予感がますますふくらんできますね。そう考えると、この作家グループの作品をどの私学が選択しているのか知りたくなりました。そこで「教務資料」を制作している日能研の教務のスタッフに訊いてみることにしました。

★そこでまた驚きです。

あさのあつこ「THE MANZAI 」→渋谷教育学園渋谷中

あさのあつこ「バッテリー バッテリー 」→大妻多摩中

あさのあつこ 「えりなの青い空」→学習院女子B

石井睦美「卵と小麦粉それからマドレーヌ」→晃華学園(2)・聖光学院中

豊島ミホ「夜の朝顔」→愛光中

草野たき「ハーフ」→駒場東邦中・サレジオ学院B

梨屋アリエ「ツー・ステップス!」→東京女学館中

梨屋アリエ「空色の地図」→湘南白百合学園中

★これはほんの一部ですが、いずれも人気校(東大合格者高校別一覧の常連校)だし、入学するには相当の学習準備が必要なのですが、このような作品を出題するのですから、この準備は楽しいし、読書になるし、なんといっても、この作家グループの作品の舞台は子どもたちが生きている生活そのままなので、自分達が感じる人生の苦楽に共感できるでしょう。中学受験が舞台になっている作品も多いのですが、子どもたちにとって、世の悩みとその解決策を共に考えるチャンスにもなります。

★どうしてこういう作家がたくさん生まれたのでしょう。まだまだ調べることがいっぱいありそうです。