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2007年4月26日 (木)

高学年の時に読ませたい本(4)

高学年の時に読ませたい本(3)のつづきです。共立女子の先生方の日頃の教育活動の成果である「Kyoritsu研究報告31号」を拝読。その中に、国語の先生方が分析・検証している「『第三班 読書ノート』18年度実践報告」があります。

★生徒たちは読書の後に、自分の気づきを300字~400字ほどで「読書ノート」に書き込むそうですが、生徒たちが選んだ本の傾向やその選択基準について丁寧にアンケートの結果分析をしています。このような研究は、1人ひとりの生徒たちの感じ方や考え方を教師が共有できるので、成長のサポートに大いに役立つでしょう。

★さて、読む本の選択基準について、おもしろい結果が載っています。「教科書・本・インターネットの紹介」というのはグンと少なく、やはり「友達にすすめられた作品」、「先生方の手作りの『読書のすゝめ』の紹介を見て」「教室書棚を見て」というのが、徐々に増えているようです。

★3つの選択基準に共通するのは、読む前にその本のことについて何かしらのコミュニケーションが存在していることです。要するに「共有」。独りで選んで、独りで読んでというのより、「この本読んだ?」「読んだことある?」「読んだ読んだ!!」と対話の媒介になるものが、選ばれるということでしょう。話題になるということはいかなることか?ということですね。

★この報告には、「読んだ本」のランキングと「読んだ本で一番好きだった本」のランキングも出し、そのズレを紹介しています。たとえば、中1の場合(平成18年度)、

(『きよしこ』と)同点3位の『ふたり』は、例年(一番好きな本の)上位に選ばれるが、今年は特に読んだ約半数が一番に挙げている。・・・7位『キッドナップ・ツアー』が、読まれた数の割に一番に上げる生徒が多い。・・・『杜子春』『岳物語』はともに「読んだ本」でベスト6だが、好きな本には挙がらなかった。『銀河鉄道』『若草物語』も知名度に比べ、人気が出ないのも例年通りである。

★やはり共立女子の中1においても、本の嗜好性に変化が生まれています。「読んだ本」のランキングでも「読んだ本で一番好きだった本」のランキングでも1位は、『西の魔女が死んだ』で作家は梨木香歩さん。『きよしこ』は重松清さん。『ふたり』は赤川次郎さん。『キッドナップ・ツアー』は角田光代さん。

★赤川次郎さんは前々からですが、その他の作家は、ここ最近のティーン・エイジャーに人気がある作家。「読んだ本」は不易の部分。「一番好きだった本」は流行の部分。共立女子の生徒は、不易流行を読書の世界でも体現しています(名門校の特長ですね)が、だんだん流行の部分だけの読書が行われつつあるのが、世の中の流れです。

★「読書」も栄養と同じように、バランスよく読む必要があるという時代に突入しているのかもしれません。

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