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2007年6月29日 (金)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(3)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(2)のつづきです。≪マルいハート≫を使って、「その秘密」を指している場所が、

(A)詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重み

★であると確信が持てました。あとは≪マルいアタマ≫でまとめていくだけです。(A)の部分の文の関係を≪マルいアタマ≫で考えてみましょう。

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2007年6月29日 (金)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(3)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(2)のつづきです。≪マルいハート≫を使って、

★「その秘密」を指している場所が、

(A)詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重み

★であると確信が持てました。あとは≪マルいアタマ≫でまとめていくだけです。(A)の部分の文の関係を≪マルいアタマ≫で考えてみましょう。

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2007年6月26日 (火)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(2)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考えるの最後のパラグレフで「ともあれ、これで『その秘密』と『直観的な理解』の部分を説明する見通しが立ったわけです。今のところは、まだ≪マルいアタマ≫しか使っていませんが、次のステップではいよいよ≪マルいハート≫で美しく。」と述べました。まずは「その秘密」が何か≪マルいアタマ≫と≪マルいハート≫で。

★「その秘密」を指している場所は、

詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重み

★なぜここか?この確信は、≪マルいアタマ≫だけではうまくいかないかもしれません。

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2007年6月25日 (月)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える

★今年の東大前期の現代文の問題の一部で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考えてみましょう。

詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重みは、容易なことでは鑑賞者の心に伝わるものではあるまい。作品と鑑賞者がなんらかの偶然によってよほどうまく邂逅(かいこう)しないかぎり、その秘密の直観的な理解はふつうは望めない。

設問(一) 「その秘密の直観的な理解」とあるが、どういうことか、説明せよ。

★まずは自分なりに考えてみてください。

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2007年6月23日 (土)

回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」(2)

回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」のつづきです。前回“Creative Knowledging Program(CKプログラム)”の図を紹介しました。このCKプログラムの簡易バージョンをちょっとご紹介しましょう。

★企業の新卒研修や学校の教員研修のとき、ちょっとマルいハートやマルいアタマになって欲しいなぁと思う瞬間に使います。

★10人ぐらいのチームに分かれてもらい、輪になって座ってもらいます。そして素材はなんでもよいのですが―今までは灰皿、紙コップ、タオル、ペットボトル、カップラーメンの器、鉛筆・・・いろいろでした―、それを渡し、何でも良いからその素材について簡単に順番に語ってもらいます。

★前回紹介した図では鉛筆を使っていますから、鉛筆を渡したとしましょう。

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2007年6月20日 (水)

回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」

★マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト。それは知識を教えることをやめることです。たとえば「火事!」という表現で、子どもたちとどんなやりとりをすればよいのでしょう。

★火事とは、建物や森などが焼けることであるという辞書的な意味を教えて終わりではありませんね。もしこれで終わってしまえば、マルいハートもマルいアタマも育たないでしょう。

★「かじ」から思い浮かべることは?学年にもよりますが、舵、鍛冶、火事、家事など音とイメージは必ずしも一致しないことを知る体験がまず必要ですね。そしてその中から選択判断する体験。

★知識を教えることをやめるというのは、初めから選択判断をさせずに、一義的な意味を伝えるということをやめるということです。

★あらゆるモノやコトは、感じ方やイメージの仕方は、異なります。どれが正しいか間違っているかという判断を教える側がしてしまうと、子どもたちはいつまでも自分で判断ができないのです。

★かりに絵を見せましょう。すると「火事」を選択するでしょう。次にはその絵から何を感じるかあるいは想像するか聞いてみます。すると怖いとか、もし本当に目の前で起こっていたら、逃げるとか、消防署に連絡するとか、助けてあげたいと思うとか、なぜ起きたのか原因を考えるとか、様々でしょう。

★これもまた子どもたちは様々な感じ方や想像をします。言葉は、意味を指し示すだけではなく、気持ちを生み出すし、行動をうながすし、科学的なものの見方を刺激したりします。

★ある意味、言葉は多様で多次元の端子を出していて、そこに意味や、感情、行動、思想、論理、音楽的イメージ、絵画的イメージ・・・などが結合しています。その中から選択の自己決定があるわけです。この選択は状況や人間関係、論理的な文脈によって決まってきます。けっして自分勝手な自己決定がおこなわれるわけではないのです。

★多くの選択肢を見つけ、あるときは創ることができる。このチャンスを奪うのが知識を教える行為です。多くの選択肢から選択の自己決定をする体験値をアップしていくことができる。このチャンスを奪うのが知識を教える行為です。

★このチャンスを子どもたちに回復し、増やしていく学びの環境を創ることが、マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコトです。そしてこれは1989年ベルリンの壁が崩れてから、欧米諸国、インドやメキシコで起きている学びのグローバリゼーションの動きです。

★マルいハートやマルいアタマを育つ学びの環境とは世界標準の学び観だったのです。果たして日本の学校や教育関係者は、日本がまだまだそのような学び観に立っていないことに気づいているでしょうか。教育の井戸端会議から抜け出て、そろそろ次のステージで議論することが必要な時がやってきたようですね。

Ck ★知識を教えるのではなく、子どもたちが自ら知識を発見し創造していく学びのサイクルを私なりの図にしてみました。いずれ説明をどこかでしたいと思いますが、まずはイメージをお届けします。

2007年6月16日 (土)

学校選びに欠かせないポイント(了)千葉校の保護者会で【6】

学校選びに欠かせないポイント(7)千葉校の保護者会で【5】のつづきです。この時期第一・第二志望の学校というのは、エクセレント・スクールかエリート・スクールの範囲の中から選ばれています。

★2020年、2030年、2050年・・・になってもそのポジションを持続可能にしている学校かどうかは、最終チェックが必要です。この範囲の中の学校は、ほとんどは大丈夫だと思います。ただ、結果R4偏差値(80%合格率)が昨年と比べ下がり、R4とR3(合格率50%)の幅が、昨年より広がった学校は、一様は要チェックです。保護者会ではデータに基づいて具体的な学校を検討してみましたが、あまりに生々しいので、ここでは公開できません。

★逆に今は偏差値や大学合格実績がそれほど高くはないけれども、教育のクオリティは大変高く、明らかに世界標準を超えようと戦略を立て、実行している学校があります。クオリティ・スクールと呼んでいます。その範囲にある学校で、やがて鴎友学園女子や洗足学園のようにエクセレント・スクールになる学校の予想をしてみるのも大事です。今回は参加者が6年生の保護者の方々ですから、今迷われても困りますので、クオリティ・スクールの中でさらに有望な学校についてははっきり述べなかったと思います(クオリティ・スクールのリストは講談社やダイヤモンド社の雑誌で公開しているので、リストは情報提供させて頂きましたが)。4、5年生対象の保護者会では、チャレンジしてみようかと思います。

★しかし、予想するヒントは話しました。また幾つかの学校は話題として挙げました。その学校が有望だとは明言しませんでしたが。熱心な千葉校の保護者の方々は、自分で判断がつけられるから参考になったとアンケートでご回答されていたので、安心しております。

★クオリティ・スクールについて、もう少し補足しておきますと、この範囲の学校は、実は安定していません。エクセレント・スクールになれるのに、いまだクオリティ・スクールという考え方もできるわけですが、その原因は、組織力の弱さ(ですからクオリティ・スクールで組織力が強い学校は、将来有望なのです。説明会に行けば一発でわかります。もし行ってどこが組織力が強いのかな?と思ったら、それは弱いということですね)です。

★校長が変われば、組織全体の方針、教育方針まで変わるという学校があります。質より量だ。大学進学実績優先という方向転換する学校もたくさんあります。世界標準の逆を行くわけです。2020年、2030年、2050年・・・なんて考えていられるか、まずは2010年。そこまでに東大を5人出すためには、何ができるかだなんて学校も実はあります。まずこういう学校は東大5人など出るはずがない。というのは教育の過程で、モチベーションが分解していくからです。学校選択の視界から消える学校だと思います。

★「でも本音は皆そうだろう」と言う先生もいますね。そういうことを考える学校の先生方は、実力はあっても、本当に雰囲気の悪い場合が多い。回りの雰囲気まで悪くしてしまう。実は心地良い雰囲気を大事にするのが世界標準です。この前のハイリンゲンダム・サミットの課題の一つは“Climate Problem”です。OECD/PISAの課題の一つは“School and Class Climate”です。

★世界標準の響きがここにはあります。自然も社会も精神も、“Climate”という言葉が通奏低音を奏でているのです。晴れやかな雰囲気を人間関係で創れない教師は、晴れやかな雰囲気の人材を成長させることはできません。晴れやかな人材が育たなければ、晴れやかな社会は形成できません。そんな社会が自然環境にまで配慮できる細やかな政策立案をし、実行できるでしょうか。

★学校選択は、自分の子どもの豊かな精神雰囲気を形成できるかどうかがポイントでしょう。そのような学校を選択できれば、未来の社会の雰囲気、自然環境の雰囲気を良くする人材として活躍するようになるでしょう。そんな将来有望なクオリティ・スクールを探すことが、第三・第四志望校を決めるヒントになるのではないでしょうか(もちろん御三家や渋谷幕張を合格しても、クオリティ・スクールを最終的に選択するという慧眼の持ち主もいます。クオリティ・スクールが第一志望校になるケースは増えるでしょう。すでにそうなっています。そのような学校はすぐにもエクセレント・スクールに成長するはずです)。そんなことを保護者の方々と情報共有できた保護者会となりました。私はもともと「未来を創る学校」を仲間たちと探す旅にでています。今回千葉校の保護者の方々から様々なヒントと刺激を受けました。今後この考え方をさらに深めていく勇気を頂くことができました。このような機会を創ってくださった千葉校のスタッフの皆さん、そして保護者の方々、心から感謝申し上げます。

12_1 ※参考までに、クオリティスコアを算出する「12の学校選択指標」をご紹介しておきましょう。12の指標については、 「Nettyかわら版2007年1月号」をご覧下さい。

2007年6月16日 (土)

学校選びに欠かせないポイント(7)千葉校の保護者会で【5】

学校選びに欠かせないポイント(6)千葉校の保護者会で【4】のつづきです。県千葉の中高一貫校のやろうとしていることは、私立中高一貫校の選択視点のモデルになりますという話をしたあとで、やっと保護者会は私学の話に移っていきました。

Photo_12 ★県千葉の中高一貫校は、大学進学実績もよいし、世界標準の、あるいはそれ以上の教育を実施しようとしています。ですから実現すれば、図1の学校選択のための座標系では、エクセレント・スクールに位置します。保護者会の資料では、このエクセレント・スクールのリストを公開しました。参加されていた保護者の方のお子さまたちの第一志望校は、このエクセレント・スクールかエリート・スクールかどちらかに入っていたようでした。

★6月のこの時期ですから、だいたい第一・第二志望のイメージがついているのは当然かもしれません。あとは、保護者の方のお子さまたちが、大学や大学院を卒業して活躍し始める2020年、中核になっている2030年、組織のリーダーになっている2050年になってもエクセレント・スクールとしてサバイバルしている学校を探し当てておけばよいわけです。

★また、クオリティ・スクールの中には、今の鴎友学園女子や洗足学園のようにエクセレント・スクールに成長する学校もあるでしょう。その条件は何かについてお話しました。すでに県千葉の中高一貫校でその参照モデルの話をしていましたから、この条件については保護者の方々はすぐに了解してくださいました。

★当日紹介したエクセレント・スクールの一部を参考までに、列挙しておきます。

【男子校】麻布、開成、栄光学園、慶應義塾普通部、武蔵、逗子開成、海城、駒場東邦、芝、筑波大学附属駒場、早稲田、世田谷学園、暁星、攻玉社、桐朋、本郷

【女子校】女子学院、 共立女子、鴎友学園女子、湘南白百合学園、晃華学園、東京女学館、洗足学園、桜蔭、立教女学院、横浜雙葉、カリタス女子、白百合学園、頌栄女子学院、雙葉、フェリス女学院、鎌倉女学院、恵泉女学園、品川女子学院、浦和明の星女子、日本女子大附、普連土学園、田園調布学園、聖心女子学院、光塩女子学院、大妻多摩、豊島岡女子学園、 東洋英和女学院、吉祥女子、淑徳与野、清泉女学院、横浜共立学園、大妻、香蘭女学校

【共学校】慶應湘南藤沢、渋谷教育幕張、学芸芸大附属国際中等教育学校、芝浦工業大学柏、慶應義塾中等部、桐蔭、江戸川学園取手、早稲田実業学校、公文国際学園、渋谷教育渋谷、山手学院、穎明館、昭和秀英、東京農大第一 ※桐蔭は別学ですが、ここでは共学に入れておきます。

2007年6月15日 (金)

学校選びに欠かせないポイント(6)千葉校の保護者会で【4】

学校選びに欠かせないポイント(5)千葉校の保護者会で【3】のつづきです。来年開校する県立千葉の中高一貫校の捉え方の3つめのポイントについてです。

③県千葉の公立中高一貫校をどのように見定めるかは、私学も含め学校選択の視点を明確にすることでもある。

★教育基本法改革、教育再生会議、教育関連三法改正問題、未履修問題は、私立も公立も、公教育の多様性として受け入れてきた私学に、結果的に、やはり協調路線より独自路線でいくしかないという腹を決めさせた決定的事件だったと思います。

★もちろん表面上は協調路線でしょうが、教育活動を進める指針は、世界標準に照準を合わせていくでしょう。いや世界標準を超えようとするでしょう。なぜそれができるか?それが世界の潮流なのです。21世紀のリーダー産業は第一次産業・第二次産業・第三次産業のそれぞれのイノベーション、コミュニケーション、金融システム(全てが証券化・金融化・電子マネー化しますから)を創出するクリエイティブ・クラスの知的産業です。

★クリエイティブ・クラスは魅力的な国ではなく、魅力的な都市を拠点として動きます。だからロード・オブ・ザ・リングのような映画はもはやハリウッドではなく、魅力的な都市ウェリントン(ニュージーランド)で誕生したりするんですね。ドバイ、アムステルダム、ジュネーブ、キエフ、シドニー、フランクフルトなどに多国籍の移民が集中するのも、そこに仕事があるからです。

★自分のタレントやテクノロジーを受け入れてくれるトレランス(寛容)のある都市に、クリエイティブ・クラスは移動します。そしてそのような魅力的な都市には魅力的な教育や学校があるんですね。したがって、オーストラリアやニュージーランドは、OECD/PISAの「読解リテラシー」のランキングは、日本より上ということになるんです。

★私立学校は、そういう魅力的な都市にある魅力的な学校と交流します。魅力的な都市は本当に市民社会が形成されているので、官尊民卑はないのです。だから、都市と学校は仲が良いし、日本の学校と交流することは、学校間だけではなく都市と学校の交流の問題でもあるということになります。日本の私立学校は魅力的な都市市民と交流する段階に入ってきています。

★つまり世界標準を引き上げるクリエイティブ・クラスと同じ動きをどんどんしていくでしょう。そういう世界の動きを自覚して動いているかどうかはわかりませんが、先見性というのは論理ではなく直感/直観です。高感度なサバイバル感性です。市場の原理をある程度受け入れている組織でなければそれはできません。

★県千葉の中高一貫校が、異文化交流を仕掛けるとしたら、そこまで考えるでしょう。ですから、逆に英語の勉強のためだけに海外に出かけるというようなプログラムを説明会でうたっている学校があったとしたら、それはすでに世界標準以下ということですね。

★また世界標準を超えるには、すくなくとも授業は講義形式オンリーではダメですね。県千葉の中高一貫校がやろうとしているプロジェクト学習などは必須でしょう。体験→調査→議論→編集→プレゼン→・・・といった学習サイクルを実施している学校でなければ、世界標準は超えられません。

★県千葉の中高一貫校の構想以上でなければ私学としての今後の存続はないでしょう。2020年、2030年、2050年・・・サバイバルしている学校を探す基準作りには、県千葉の中高一貫校構想はちょうどよいモデルになることでしょう。たとえば、世田谷学園が県千葉の中高一貫校をはるかに超える教育を実現しているという実感は、このようなモデルがあることによって、比較してすぐにわかるようになるのです。

★とにかく、そのようなことを考えるリアルな境界に立っているのが千葉校の保護者の方々です。保護者の真剣な眼差しにそれを感じました。

2007年6月14日 (木)

学校選びに欠かせないポイント(5)千葉校の保護者会で【3】

学校選びに欠かせないポイント(4)千葉校の保護者会で【2】のつづきです。来年開校する県立千葉の中高一貫校の捉え方の2つめのポイントについてお話しましょう。

②県千葉の中高一貫校のやろうとしていることは、私学も含め2020年、2030年、2050年・・・とサバイバルできる学校の姿でもある。良し悪しは別として、受ける受けないは別として、動向は見守っておくと良い。実際に近くにあるわけだから、千葉校の受験生は、ある意味中学受験の最先端に位置している。

★県千葉中高一貫校のやろうとしていることが、なぜ「2020年、2030年、2050年・・・とサバイバルできる学校の姿」なのでしょうか。今年の3月13日、教員・教育関係者対象に、千葉高校併設型中高一貫教育校開設に向けて説明会があったようですが、そのとき学習面において幾つかの柱を語ったようです。

①学びの特長→「協同的学び」と「スパイラル学習」

②伝統を生かした人間力育成→「学びのリテラシー」「ゼミ」「プロジェクト」

③異文化学習→中3時の「英語圏疑似体験」「海外異文化学習(希望者)」

④コンセプト→「君が伝統だ」「千葉から、日本でそして世界で活躍する心豊かな次代のリーダーに」

★県千葉は、大学合格実績に関しては、高校からの指導で十分出せるわけですから、中学3年間は破格のプログラムを企画実施できるわけです。上記の4つのポイントを見て、ピンとくる人はピンときます。県千葉のOBで東大から海外の大学院あるいはそのまま海外の大学をでたクリエイティブ・クラスの人材が背景でサポートしているのではないでしょうか。

★1つひとつは、どこの学校でも口にしているようなことではと思う人もいるかもしれません。しかし、どれ1つとってもうまくプログラムが進行しているところはそうないのです。それを全部やると宣言しているわけですね。

★アメリカでは、理数系大学院ドクターを出たけれど、現場で使えない人材が就職先がなくて困っています。私もたまたまその現場に立ち会ったことがあります。なるほどなぁ、そういうことかぁと納得した次第です。

★賢いのだろうけど、それだけに、評論家、人を見下す、人と交わらない、自分の世界だけを大切にする、論理的だがハイタッチではない、笑いが少ない、自分の話ばっかり、言い訳から話し始める、夢を語らない、未来を語らない、原則主義、データ主義・・・ととにかく防衛コストが高すぎでした。

★このタイプは、一握りではなく、賢い人に結構多いのですね。しかし、今や(本当は昔から。ダ・ビンチだって1人ではなかった。モーツァルトも。)研究領域でも、アートの領域でも、ビジネスの領域でも、編集領域でも、あらゆる領域で、コラボレーションなくてはやっていけないのです。

★県千葉の言っている協同は、コラボのことです。またコラボレーションする時は、上から物言うメンバーがいるとうまくいかない。オリジナリティのない協同は何も生まない。そこでスパイラル。まずは大きな物語を教条的に語り合うのではなく、互いの小さな差異やズレを確認し合って、つまり試行錯誤、紆余曲折を怖れず、励ましあいながら進んでいくというチームワークがポイントです。ここには知的な面で学びの最近接領域の発想があります。難しいので、ここでは説明を省かせてください。とにかく学びにおける世紀のチャレンジを表明しているということをここでは押さえておいてください。

★今年の秋か年末にOECD/PISAの国際学習到達度テストのレポートが世に出るでしょう。2009年には「読解リテラシー」メインのテストが実施される予定になっています。学びのグローバリゼーションにおいて「学びのリテラシー」という発想は欠かせません。

★チームワークのもう一つ大事な点は、どんなに良いアイディアも、みんなと議論せずにでてきたものは独我論です。ゼミやプロジェクトの過程で、もっとも重視されているものはディスカッションなのですね。

★そしてそのディスカッションを通して、課題が見え、探究していくプロセスが生まれてきます。それもゼミとプロジェクトのねらいですね。

★チームワークとは価値観やものの見方の違うメンバーがどのようにその葛藤を昇華していけるか寛容になれるかということでもあります。異文化理解は、本当は互いの文化の共有というよりも、葛藤解決を学ぶことのほうが大事なんですね。

★今までのすべての話が本当にうまくいくかいかないかは、リーダーシップにかかっています。結局クリエイティブでタフでハイタッチな「人づくり」が重要だということになります。

★これらをすべて一言で語ると、「リベラルアーツ」ということになります。県千葉は国を超えて最強の公立中高一貫校になろうという野心があるのはみえみえですね。

★あとは自治体の動きです。世界を相手にした偉大な人物に本田宗一郎がいます。氏は官尊民卑が大嫌いでした。氏のモットーは、「論理や発想は大事だ。しかし何より大事なのは時間だ」です。論理や発想だけでは、賢いだけで終わる。評論家ってわけですね。時間を大事にする人は、体が動く。前のめりの行動力しか、時間を短縮できない。

★グローバリゼーションは、時間と空間を越える高感度なモビリティの成せる業です。自治体にこの高感度なモビリティ感を期待できるかどうか、そこをどう読むか。選択の分かれ目です。今後の説明会が興味深いですね。

【県千葉中高一貫校関連記事】千葉高校併設型中高一貫教育校開設準備本格化

2007年6月13日 (水)

学校選びに欠かせないポイント(4)千葉校の保護者会で【2】

学校選びに欠かせないポイント(3)千葉校の保護者会で【1】のつづきです。来年開校する県立千葉の中高一貫校の捉え方についてお話しました。ポイントは3つです。

①県千葉の中高一貫校は、東京都の進学重点校(今話題の日比谷高校)の路線でもないし、公立中高一貫校の路線でもない。千葉県政の期待を担っている。

②したがって、県千葉の中高一貫校のやろうとしていることは、私学も含め2020年、2030年、2050年・・・とサバイバルできる学校の姿でもある。良し悪しは別として、受ける受けないは別として、動向は見守っておくと良い。実際に近くにあるわけだから、千葉校の受験生は、ある意味中学受験の最先端に位置している。

③県千葉の公立中高一貫校をどのように見定めるかは、私学も含め学校選択の視点を明確にすることでもある。

★①については、千葉県の人口はフィンランド一国の人口と変わらない。予算は日本の都道府県の中で10位以内。県内の物価指数の中で、医療・保険と教育の物価指数は右肩上がり。県に居住するために入ってくる人口と出て行く人口では、入ってくる方が多い。第三次産業の就業人口比率は、非常に低いにもかかわらず、東京に農作物・畜産物を供給する基地になっている。

★このように千葉県という自治体は、経済的に魅力的であり、従来の産業構造(第一次・第二次・第三次産業)に変化が起きています。それは従来のそれぞれの産業に対し、イノベーションを創造するクリエイティブ・クラスが生まれる土壌ができつつあるということを意味します。

★日比谷を筆頭に都立進学重点校は、当面の目標は東大合格者の数を増やすことです。県千葉はもともとたくさん合格者を出していますから、今さら東大合格者を増やすことだけを目標にする必要はありません。かといって東京の公立中高一貫校のように特色ある教育を柱に立てるだけで満足するはずもありません。

★グローバリゼーションの中で、政治経済そして文化のリーダーになるクリエイティブ・クラス(第4次産業と言っても良いかもしれません)になる人材輩出のために世界に開かれる中等教育を目標にしているはずです。

★フィンランドと変わらない人口なのですから、千葉県は一国と変わらない働きができるはずなのです。おそらく千葉県の地方自治体、教育委員会には、県千葉のOB・OGがたくさんいるはずです。世界と政治経済・文化の交流をしていく新しい人的資本を県千葉の中高一貫校が育成することを担うのは、自治体の名門校の宿命なのです。

★しかし、本当にそんなことが可能なのか?クリエイティブ・クラスが塊となって生まれるには、千葉県自体が魅力的な地域で、優秀な人材が移動してくる動きを作るのが条件です。そしてその動きが起きているかどうかのバロメーターの一つは、外国人がどのくらい居住し仕事をしているか。千葉県はまだ2%です。フィンランドは移民が相当多いはずですから、これでは条件はまだまだですね。

★だから、クリエイティブ・クラスの人材輩出にどんなに意欲的でも、千葉県(というより日本国の移民受入の問題)の制度的限界のために、県千葉の理念の現実化はなかなか促進されないのではないでしょうか。こういう現実が目の前にあるために、千葉校の保護者の学校選択の眼力は他の地域よりも磨きあげられているのかもしれません。それが熱心な姿勢に現れていたと思います。

2007年6月11日 (月)

学校選びに欠かせないポイント(3)千葉校の保護者会で【1】

学校選びに欠かせないポイント(2)子どもに合った学校?のつづきです。今朝、日能研千葉校の保護者会でお話をするチャンスをいただきました。この時期、6年生対象の保護者会をやるのは久しぶりです。4月から5月初旬には、学校選びの視点について毎年話す機会をいただきますが、6月という時期は4、5年生対象の場合が多いですね。

★というのも、この時期は、多くの場合、第1志望、第2志望は決まっていますから、どちらかというと「学習の仕方」に関心が高まるからです。併願については、10月以降にというのが一般的ですから、保護者の方々の聞きたいことにうまくマッチングできるかどうか少し心配でした。

★ところが、千葉校の保護者の方々は、とても熱心で、県千葉の中高一貫校化の動向が世界の教育の動きと連動しているかもしれない、しかし県千葉のOB・OGもいるだろう県教委も、お役所の限界があって、思いを速やかに現実化できるかどうかわからないですねというようなグローバルな話とドメスティックな話の振り子のような動きの話などに熱心に耳を傾けてくださいました。

★かつてのように時代がゆっくり動くのではなく、激しく動くので、変化に対応しサバイバルできる学校探しをするためには、まずは外部環境の変化の話をしなければなりません。とたんに目の前の子どもたちの成績からかけ離れた話になるのですが、自分の子どもたちが、2020年や2030年に活躍している時代のことをイメージし、そこでサバイバルできる新しい教育を創意工夫できる学校探しに対する意識がたいへん高いのに驚きました。話している方もつい時間を忘れ、あっちこっち飛びながらですが、熱心な眼差しに応えながら話をすることができました。

★話が終わったあと、幾人かの保護者の方から質問がありましたが、対話の中で、世界の痛みを受け留め、なんとかその問題を解決しようと活躍する人材になって欲しいと親が願うのは当たり前だというお話をお聞きして、感動しました。

★また学校の図書室の司書教諭の存在意義について少し触れましたが、この司書教諭の知のインテグレーターの意味をすぐにアンテナで受信した保護者もいました。

★日能研千葉校から県千葉は歩いて12、3分のところにあるからということもありますが、県千葉の中高一貫校化の動きを、私立中高一貫校の自己決定の中にどのように位置付けるか関心の高い保護者が多く、その学校選択に対する意識の高さに驚きました。

★特に県千葉の中高一貫校の問題は、東京の中高一貫校とは違って、県の政治経済にかかわる問題で、スケールが大きいわけですが、その重大性にすでに気づかれている保護者が多いということを改めて知り、たいへん勉強になりました。

★選択される学校側は、このような選択眼力を持っている保護者にどのように応えていくのでしょうか。中学受験は大衆化して、教育の本質を見ていない保護者が多くなったとうそぶいているような学校は、やがて選ばれなくなるでしょう。私もなんだか身が引き締まる思いです。

★時代の変化をつかみ、自分の子どもの未来を想像する情熱も学校選択には欠かせないポイントです。千葉校の保護者の方々からその強い意志が伝わってきました。心から感謝申し上げます。

2007年6月 9日 (土)

学校選びに欠かせないポイント(2)子どもに合った学校?

学校選びに欠かせないポイントのつづきです。編集部小田さんが「学校選びのまとめ」でこう書かれています。

今回のお題について「自分の子どもに合った学校を選ぶ」ということと、当たり前ですが「自分の子どもの将来を考えて学校を選ぶ」ということが、皆さんの共通したご意見でした。

★そうだと思います。ただし、「自分の子どもに合った学校」というのはなかなか難しいですね。子どもは成長しますから、変化もします。現状の子どもに合った学校という視点だけで選ぶと、あとで困ることもあります。私立学校の退学者が公立に比べて多いのは、経済的な面と、学校に合う合わないが大きな理由です。

★今の子どもに合ったというより、子どもの成長に合わせて伴走してくれる柔軟な受け入れ態勢が整っている学校を選ぶのがよいのではないでしょうか。そういう創意工夫に溢れたフレキシブルな学校はクリエイティブ・スクールです。

★キャリア・デザインのプログラムやチューター制など一人ひとりの生徒を見守る組織作り、つまり生徒たちの知性と感性の成長について日々学ぶ先生方を組織的にマネジメントしている学校を探すというのがポイントではないでしょうか。

2007年6月 8日 (金)

学校選びに欠かせないポイント

★学校選び情報を収集するために、欠かせないシンプルなポイントは2つです。

①学校と学びのマッチング→受験生の学習の仕方と論理的思考の奥行きが志望校と適合しているか?

②志望校の教育力の質の保証→学校説明会だけでは、教育力の質の比較ができません。各学校が一堂に会するイベントを活用しましょう。

★上記2つのポイントを満たす最大最適の機会は、<学校フェア2007>です。

「志望校判定テスト」が同時開催されていますから、一日でどちらの情報もゲットできます。

★志望校判定テストは、受験生の現状のポジショニングだけを確認するのではなく、志望校と現状のGAPを埋める学びの方法をプランできる分析情報も得ることができます。

★学校選びは、合格につながることが肝心ですね。

2007年6月 7日 (木)

日能研の学びは東大に通じる(4)~東大の試験が変わる

日能研の学びは東大に通じる(3)~東大前期の地理からのつづき。来年2008年から東大の後期試験が変わります。まず今まで324人募集していたところ、100人の募集定員枠になります。そして試験は一本化され、3種類の試験が実施されます。

08 ★総合科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲとなるわけです。総合科目Ⅰは英語で、総合科目Ⅲは日本語ですが、イメージはOECD/PISAの「読解リテラシー」です。総合科目Ⅱは数学ベースですが、実際の日常の現象や産業に数学を応用する問題ですから、これもまたOECD/PISAの「数学リテラシー」の方向性で作られます。もちろん、難度は全く違い、後期試験のほうが圧倒的に難しいですが。とにかくⅡ・Ⅲについては試行問題を見ることができますので、拝見されるとよくわかると思います。

★前期試験がロジックベースなのに対し、後期試験はクリエイティビティも要求されるので、後期試験の募集定員が多くなると、学生の質の平準化がブレるおそれがあるのですね。簡単に言えば、アタリハズレがあるということです。それで、後期試験は本当はいらないのではないかとう論議が学内でも起きているはずです。しかし、クリエイティビティを捨てるわけにはいかないのでしょう。

★ずいぶん前に東大のある教授と話をしたときに、学部に進学してくる時点では、論理的な力さえ養ってきてくれれば、あとは大学で花開くからという話を聞きました。そんなものかねえと思っているうちに、論理的な力しか持っていない東大生も増えてきたのでしょうね。そこで「知の構造化」だと言い始めた。「自律分散協調系」だとも言い始めた。要するに論理力は当然持っていないとだめだが、創造性や協働性も重要だとなったわけですね。

★後期試験のOECD/PISA化はわかりやすい変化ですが、前期試験の方はどうなるのでしょうか。大幅には変わらないとは思いますが、ぎりぎり創造性を試す問題が現代文などで復活するかもしれませんね。いずれにしても≪日能研≫≪4つの力≫は、OECD/PISAの方向性にもつながっています。ますます日能研の学びは、東大に通じやすくなっていくはずです。

2007年6月 6日 (水)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(6)中村

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(5)聖学院のつづき。中村中は、今一番注目されている女子校です。年々増える大学進学実績、受験勉強だけではない幅広く奥深い芸術や道の教育。思春期の強烈な思い出や自分の永遠の居場所づくりができるキャンパス。江戸の文化を満喫しながらグローバルな学びができる環境とカリキュラム。トータルな教育力が広く認知され、中学入試の応募者も激増しています。

★しかし、何といっても破格なプログラムといえば、国際科の教育プログラム。国際科の生徒たち全員が、ほぼ1年間の留学を体験します。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドへとそれぞれ1人の力で留学を乗り越えてきます。

★コミュニケーション能力、チームワーク形成力、メンターの力、リーダーの能力、プレゼンテーション能力をアメリカの科学者はサバイバル・スキルと呼んでいますが、まさにこのサバイバル・スキルをホームステイや学校生活をしながら磨き上げていくのでしょう。

★国際科の教育プログラムの構築者早川先生によると、英語力のアップは当然で、TOEFLのスコア550点以上取る生徒も多数いるそうです。したがって、海外の大学に進学する生徒もたくさんいます。

★しかし、これらはあくまで結果であって、早川先生は、2050年の自分をイメージしたキャリアデザイン・ベースのプログラムであることを強調されていました。海外での楽しく一方で辛い多くの体験が、キャリア・デザインの選択肢や使命感を育てるのだと思います。

★そしてやはり学びのグローバリゼーション。「自己表現力」「コミュニケーション能力」「問題発見解決能力」「行動力」をベースにしたプログラムがデザインされているわけです。生徒のプレゼンやドラマのビデオを拝見しましたが、自信を持って、プレゼンする姿に感銘を受けました。

★在校生はこう語っています。

『国際コース(国際科の以前の名称)』。それは中学から中村に通っている私にとって憧れの的であった。

★「憧れの的」という表現がいいですねえ。「憧れ」から、「理想」「夢」「挑戦」「勇気」「使命」「飛躍」「自己実現」・・・といろいろな自己肯定的なキーワードが連想されます。

『中村』。それは中学受験をする私にとって憧れの的でした。

★今後そういう受験生が増えるでしょう。

2007年6月 6日 (水)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(5)聖学院

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(4)かえつ有明のつづき。今年創立101年目を迎える聖学院。赤熊先生によると、100周年に向けて「学校作り委員会」は、新校舎をはじめ様々な改革を時代の要請にしたがって行ってきたそうです。

★その中でも英語の改革は重要だったそうですが、本格的に改革が進んだのは2003年からだそうです。英検をすでに取得していたり英語をすでに体験している生徒が、中1に入学する段階でかなりいるということに気づき、英語体験者クラス(20名強)をつくって、生徒1人ひとりの言語能力を伸ばす環境を設定したようです。今では英語アドバンスクラスが1クラスできているそうです。

★2004年には、帰国生入試を開始。徐々に受験生は増えているそうです。帰国生の入学の数はまだ少ないのですが、その影響力は計り知れないということです。ライフスタイル、価値観、行動などのすべてが違います。異文化との遭遇は、互いに衝撃的だと思いますが、この受け入れ、互いに寛容な姿勢ができあがることが、精神的な財産になるでしょう。

★2006年には中学入試で、英語選抜試験も開設。英検準1級を取得している生徒も入学してくるぐらいになりました。「英語の聖学院」としては面目躍如といったところではないでしょうか。

★聖学院の英語教育によって、英語で自信を持った生徒は、あらゆる分野で能動的に活躍するようになるとのことです。英語はコミュニケーションの道具であるだけでなく、自らを勇気付ける精神そのもの。これが「英語の聖学院」のビジョンなのかもしれません。

2007年6月 5日 (火)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(4)かえつ有明

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(3)頌栄女子学院のつづき。6月2日のスペシャル講演会「発見!クリエイティブ・スクール」で、世田谷学園の北原先生のお話、頌栄女子学院の峰松先生のお話をお聞きしながら、よりはっきりなってきたのは、国際化教育というのは国際理解教育とはイコールではなく、むしろ前者が後者を包摂する関係なのだということです。

★ですから英語教育とか留学とかの制度は、国際化教育においては当たり前であり、それをベースにして、たとえば世田谷学園の場合だと学力のグローバリゼーションを構築しているし、頌栄女子学院の場合だとコミュニケーションのグローバリゼーションが日常の学院生活の中で生まれているということなのです。

★そしてこの国際化教育の典型がかえつ有明だったのです。小板橋先生や高木先生のお話をお聞きしていると、まだ豊洲に移転し共学化して2年目なので、手探り状態で国際化教育を構築していないと謙遜されていましたが、新しいがゆえに、国際化教育の真髄がはっきり見えてきます。

★それはどういうことかと言うと、国際というと、海外で英語の研修をするとか異文化理解教育をやるとか、すぐにそのような形からはいりがちですが、かえつ有明の場合は、まず学びのグローバリゼーションプログラムから開始したのです。学びのグローバリゼーションとは、①教科横断的、学際的な視野の育成、②学びの実感という2つの大きな柱を持っています。

★日本の場合、相対的に島国ですから、異文化の知とのインターフェイスのチャンスが少ないですし、移民の問題や宗教の問題が日常にリアルにあるわけではありません。交わりが無く実感が無いものに対して、興味を持て!関心を持て!と押し付けても、生徒にモチベーションが生まれるわけはないのです。

★それゆえ、多様な実体験を設定し→議論し→探究し→発表するという知のインターフェース・プログラムを創出しています。そして何といっても、この多様な実体験、たとえば田植え・稲刈り体験、Hondaの最先端技術や発想との遭遇、京都・奈良探索、アメリカ・サマースクールでのアーミッシュとの邂逅・・・などなど、好奇心が全開になる知のリアリティを設定しています。

★この知のインタフェースとリアリティを統合した新しい教育プログラムの象徴が「サイエンス」です。国語と理科の学際的プログラムなのです。すでに国際理解教育はあるのですが、知のインターフェースとリアリティと国際理解教育プログラムを統合して、新たな国際化教育を開発していくということです。「サイエンス」の次なるプランは、頌栄女子学院や渋谷教育渋谷のように多くの帰国生を受け入れる環境を整えることだそうです。

2007年6月 3日 (日)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(3)頌栄女子学院

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(2)世田谷学園のつづき。頌栄女子学院の国際化教育は、学院の生活の中に日常化しているというのが他校にはない特徴だと感じました。

★峰松先生のお話によると、5クラスのうち3クラスは帰国生と一般生の混合クラスだそうです。この帰国生混合のクラスでは、帰国生どうしが英語で話すシーンがあるそうです。また帰国生は自分の意見をはっきり述べるし、ディスカッションも得意。混合クラスの一般生もそれに感化されるようです。1学年230人ほどの中に50~60人の帰国生がいるそうです。20%以上帰国生がいることになりますから、そのシナジー効果は計り知れないでしょう。

★学習面でも、帰国生と一般生が互いに刺激を与える局面があるということです。日本の歴史教育とアメリカの歴史教育のものの見方の差がはっきり現れることがあるらしいのです。パールハーバー!のことでしょうか・・・。また言語としての英語についても帰国生と一般生が疑問に思うところが違い、たいへん興味深いということです。

★峰松先生ご自身、帰国生であり、頌栄女子学院のOGだそうです。頌栄女子学院のハビトゥス(頌栄の文化資本の再生産システム)をまさに体現されている先生でした。語り方もアメリカ的なプラグマティックな雰囲気ではなく、イギリス的な明解な分析哲学的雰囲気をかもし出していたところなどは、なるほどと勝手に納得させられました。

★頌栄女子学院は1982年に、英国学校法人Winchester Shoei Collegeを設立しているようです。1979年に、当時のサッチャー政権は大学改革を開始しました。どんどん市場の原理を投入し、今では大学進学率は116%!(パートタイムも含みますから)。サッチャー政権以前は10%いっていなかった階級社会でしたから、大改革だったと思います。その改革の風に頌栄女学院は戦略的に乗ったわけです。すごい先見性の持ち主が経営陣にいたのでしょうね。国際化教育というより、国際化戦略です。英国の発想は栄誉ある孤高の時代から世界戦略、今でいう帝国発想で動いています。

★頌栄女子学院の卒業生の6%弱は2年制の英国学校法人Winchester Shoei Collegeに進学します。ここからさらにイギリスの大学2年の学士に編入できる制度があるそうです。イギリスの大学は3年制ですから、トータルでは日本の4年制の大学を卒業したのと同じことになるのですね。

★頌栄女子学院はイギリスの世界戦略につながっているわけです。洗足学園はアメリカの世界戦略を活用しようとしています。さて、どちらの世界戦略が今後有効なのでしょうか。イギリスはEUとアメリカの両者を射程に収めています。EUとアメリカは中国との友好関係の覇権をねらっていますね。なんだか第二次世界大戦の時代と変わらない構図ですが、中国の経済力が当時とは全く違います。軍事的戦略というより、化石燃料を巡る経済的戦略の方が優位なので、世界大戦の心配はないでしょう。さて日本はどいう進路変更をするのでしょうか。そんな世界の環境変化も考慮しながら国際化教育戦略を進めているのが頌栄女子学院なのだろうと勝手に思い巡らすことができた講演でした。

2007年6月 3日 (日)

日能研の学びは東大に通じる(3)~東大前期の地理から

07_3 ◆今度は≪日能研≫≪4つの力≫が、東大前期の地理の試験問題に効くのか、実際に分析してみましょう。今年の東大前期の地理の問題では、大きな問題が3つ出題されました。1つ目は自然環境について、2つ目は食料と環境について、3つ目は日本とアメリカの産業について。テーマを見るだけでも、従来の地理の問題のように、山や川の名称を覚えたり、産業構造の詳細について知識を詰め込むという感じはしませんね。

◆基本的な知識は必要ですが、すべて図やグラフ、表というテキストの読解リテラシーになっています。今回は大問1つ目のB問題を分析してみました。中学受験の勉強をしている子どもたちは40%は解けてしまう問題でもあります。そして≪日能研≫≪4つの力≫を身につけた子どもなら、今の段階で60%は解けてしまいますね。

07_2 ◆選択問題はありませんが、(1)と(3)は、自分の脳内データベースの中から基本知識を取り出してくるだけで、表現力までは必要のない「調査力」を使う問題です。

◆(2)はバイオマスと化石燃料を比較して整理する問題です。素材の永続性と炭素コストについて比較すればよいのでしょうが、地理ですからね、戦争の原因性について書いた受験生はどうだったのでしょうか。採点基準がちょっと気になります(笑)。

◆(4)はデンマークとノルウェーの地理的条件の比較と整理がポイントでしょう。中学受験生は世界地理はそれほどやっていないので、できないと思われるかもしれませんが。火力発電の条件と水力発電の条件から逆算すれば、地理的条件は推理できます。東大受験生にとっては、その地理的条件は基本知識なので、表のように整理力で解きますが、中学受験生だと推理力も必要になりますね。学習体験値によって、どの力を使うのか変わってくるわけで、興味深いですね。

◆(5)は地熱発電というのは予想がつくけれど、その理由である地理的条件については、中学受験生にとっては、難しいかもしれませんね。さすがは大学受験問題。いずれにしても、知っているか知っていないかだけではなく、<4つの力>によって、ジャンプできそうだという実感は持っていただけたのではないでしょうか。

【関連記事】日能研の学びは東大に通じる(1)

【関連記事】日能研の学びは東大に通じる(2)~東大前期の現代文の分析

【関連サイト】中学受験6月の学力測定テスト

2007年6月 3日 (日)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(2)世田谷学園

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(1)のつづき。世田谷学園の国際化教育の実践は骨太で、学校全体の教育に大きな良き影響を与えていると感じました。

★北原先生のお話をお聞きしていると、10代の海外体験は、その後のキャリア・デザインの方向性やモティベーションに良き影響を与えるということでしたが、それ以上に将来壁にぶつかった時、10代のころの海外での強烈な体験の思い出が、勇気付けのベースになるのではないかと語られているように思いました。未来へ向けてのベクトルと、未来からのベクトルの精神の循環の育成が、世田谷学園の国際化教育なのではないでしょうか。

★中3になると全員がニュージーランド(NZ)で海外体験。7日間のホームステイ。学びの拠点である提携校は13校あるそうです。観光旅行ではなく、幅広い学びが中心の海外体験ですが、それは学力のグローバリゼーションの体験でもあるそうです。とかくOECD/PISAの結果といえば、北欧、特にフィンランドの話ばかりが話題になりますが、2003年の読解リテラシーのランキングは日本が14位なのに対し、NZは6位です。

★実際、NZの学校の授業は、議論やプレゼンテーションがベースです。学びのフレームワークもカテゴライズ化されていて明解です。それは日本のような大学入試とは違い、バカロレアのようなイメージのNCEA (National Certificate of Educational Achievement) という大学入学資格制度があるからだと思います。2004年に教育改革が行われ、以前の制度下の適性検査の問題に比べ、易しくなったようですが、おそらく論理や発想をベースにした問題作りである点において基本は変わりはないでしょう。

★NZの教育は、学力のグローバリゼーションに十分対応してきたし対応していると思います。そしてこのような海外体験や英語教育をベースに、世田谷学園は、学校全体の教育にもグローバリゼーションの影響を受け入れたのだと思います。それが各教科の70分授業に結実したのではないでしょうか。70分授業のプロセスの中には、おそらく議論やプレゼンもセットされていると思います。

★NZ以外に、高2でカナダの英語研修旅行があるそうですが、学園から海外に出て行くだけではなく、留学生も受け入れているということです。学園のモットーである「違いを認め合って、思いやりの心を」(from Respect for Each to Respect for All)が実践されているのです。

2007年6月 2日 (土)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(1)

★本日6月2日、「発見!クリエイティブ・スクール」という題でスペシャル講演会が開催されました。参加校は、会場校である中村(女子校)をはじめ、聖学院(男子校)世田谷学園(男子校)かえつ有明(共学校)頌栄女子学院(女子校)の5校。そして、NTS教育研究所岡部憲治氏が講演及びパネルディスカッションのナビゲータを務めました。

Photo_10 ★まず岡部氏から「世界水準の教育が求めるもの」というトリガースピーチがあり、4つの基本骨子が提供されました。

(1)世界の中心がアジアとヨーロッパにシフトする。それにより人の行き交いが地球規模で盛んになる。→当然英語が共通語で異文化の受け入れは当然となる。

(2)2025年までに、留学生人口が今の3.8倍の790万人になることからも推察できるように、英語人口が増加する。教育の現場でもすぐ隣で英語同士で話している生徒たちで溢れている状況になる。

(3)インターネットやICTの発展が、時間と距離を越えたグローバルコミュニケーションを日常化する。

(4)OECD/PISAの拡大により学力のグローバリゼーションが起こる。

たんなる国際理解教育ではなく、それぞれの学校が教育においてどのような国際化・つまりグローバリゼーションを果たしているのかというのがテーマだったわけです。

Photo_11 ★そして、こういう変化が急激におこるのだから、中学受験生が大学・大学院を卒業して社会で活躍しだす2025年前後や、老後を迎える2050年以降の社会や世界がどのように変化しているかをイメージして、学校選びをするのがよいのではないかと。また、10代にどれだけ世界を体験したかは、その後のキャリアデザインの貴重な糧になると。このような真の国際化教育を実施している学校であれば選択したくならないわけがないと思います。このあと、各学校の先生方によって、ご自分の学校の国際化教育について説明がなされました。(つづく)

2007年6月 1日 (金)

日能研の学びは東大に通じる(2)~東大前期の現代文の分析

≪日能研≫≪4つの力≫がどのくらい東大前期の国語の試験問題に効くのか、実際に分析してみましょう。文系の国語の問題では1番と4番の大問が現代文です。東大受験生にとって、易しいのは難度A、受験生の50%ぐらいは正解するであろう問題を難度B、受験生の30%ぐらいは正解するであろう問題をCとして、4つの力のうちどの力が重点的に使われているのか、独断と偏見で分析してみました。

N ◆赤色の印は1番目の問題です。5つの問い(漢字の書き取りを除いて)がありました。青色の印は4番目の問題です。4つの問いがありました。どちらも結局個と普遍の関係をどうとらえるかという欧米の伝統的な<普遍論争>がベースになっている現代文でした。解答もその関係について考えていかねばならない問題でした。やはりリベラルアーツとしての読書がものをいうのでしょう。教養を重視している東大の教授陣ならではの問題ですね。ただし、良い問題かどうかは別ですが・・・。

◆すべての解答形式が記述式なので、表現力を見る問題の数を確認する意味で●印をいれておきました。整理力と表現力が、東大は鍵だということですね。それにしても日能研の<4つの力>場にきちんと収まるのですから、日能研の学びは東大に通じるということなのです。≪いまだからこの学び≫。日能研の学びを体験してみるのは実におもしろいですよ。

2007年6月 1日 (金)

日能研の学びは東大に通じる(1)

★今年の東大前期の現代文を見ました。かつて200字の論述があったのですが、それは後期試験があるからということで、前期ではなくしたのでしょうか。とにかく、中学受験の学びの力で十分解けるようになっているのに驚きました。

★「中学受験の学び」といっても、物語の読み方、論説文の読み方といったテクニック的なものではダメです。受験という個別的なノウハウから、もっと普遍的な思考力を想定したものでなければなりません。

★おそらくそういう学びの力をきちんと分析して、実践しているのは、 ≪日能研≫しかないでしょう。この普遍的な思考力は、日能研では≪4つの力≫と呼ばれています。

4 ★しかもこの≪調査力・整理力・推理力・表現力≫という力は、すべての教科のベースになっているわけですから、強烈です。それぞれの教科の特性と思考という普遍性を融和させているのが≪日能研≫の特徴です。

前回ハーバードを例に21世紀型の学習観を紹介しましたが、まさに≪日能研≫の学びはハーバードに通じます。東大に通じるのは当然ですね。

★ぜひ東大やハーバードへの道の入り口に立ってみませんか。 ≪いまだからこの学び≫をいっしょに考えましょう。

2007年6月 1日 (金)

21世紀型学習~ハーバードが求めるコト

Newsweek070606 ★Newsweek日本版(2007・6・6)で「ハーバードの入り方」という特集が組まれています。アメリカの大学は、日本の大学のような入学試験はありません。SATやACTのような適性試験のスコアと学校の成績、ショートエッセー、推薦状、日本のAO入試のようなアプリケーション(願書)などを提出して、それによって選考が決まります。

★ですから、適性試験のスコアが仮に満点だとしてもそれだけでは合格できないということです。欧米は伝統的にリベラルアーツがしっかりしていますから、論理的な思考力(知識を適切に活用する思考力)に創造的、自主的、共感的・・・というような教養や見識の素養の評価が加わるわけですね。

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