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2007年7月 3日 (火)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(了)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(3)の最終回です。「直観的な理解」を文脈に即して言い換える作業が残っていたのでしたね。もう一度「その秘密の直観的な理解」が指し示している文章を見てみましょう。

詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重みは、容易なことでは鑑賞者の心に伝わるものではあるまい。作品と鑑賞者がなんらかの偶然によってよほどうまく邂逅(かいこう)しないかぎり、その秘密の直観的な理解はふつうは望めない。

★「その秘密」が指している部分を除いてみましょう。

(C)・・・容易なことでは鑑賞者の心に伝わるものではあるまい。作品と鑑賞者がなんらかの偶然によってよほどうまく邂逅(かいこう)しないかぎり、(その秘密の直観的な理解は)ふつうは望めない。

★となります。「心に伝わるものではあるまい」と「理解は・・・望めない」というフレーズは、≪マルいアタマ≫で考えると、≪同じ内容が並んでいる関係≫であることはすぐにわかりますね。

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2007年7月 1日 (日)

本ブログ「ホンマノオト」6月アクセスランキング

★6月1日~6月30日の一ヶ月間のこのホンマノオトの記事のアクセスランキングを公表します。169件の記事のうち、50位まで並べます。この時期の受験生の保護者の方々が、どのようなコトに関心があるのか参考になるかもしれません。

1 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント(2)子どもに合った学校?
2 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント(3)千葉校の保護者会で【1】
3 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント
4 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント(了)千葉校の保護者会で【6】
5 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント(4)千葉校の保護者会で【2】
6 ホンマノオト: 新学年・新学期、共立女子の場合
7 ホンマノオト: 日能研の学びは東大に通じる(1)
7 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント(5)千葉校の保護者会で【3】
9 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント(7)千葉校の保護者会で【5】
10 ホンマノオト: 日能研の学びは東大に通じる(4)~東大の試験が変わる
11 ホンマノオト: 21世紀型学習~ハーバードが求めるコト
12 ホンマノオト: 真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(3)頌栄女子学院
13 ホンマノオト: 真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(4)かえつ有明
14 ホンマノオト: 立教女学院で創造的人材が育つ(1)
14 ホンマノオト: スペシャル講演会に行こう!~東大・早慶以上の大学の道を拓くための学校選び
16 ホンマノオト: 学校選びに欠かせないポイント(6)千葉校の保護者会で【4】
17 ホンマノオト: 真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(1)
18 ホンマノオト: 真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(2)世田谷学園
19 ホンマノオト: 日能研の学びは東大に通じる(2)~東大前期の現代文の分析
20 ホンマノオト: 東大合格者発表の季節
21 ホンマノオト: 日能研の学びは東大に通じる(3)~東大前期の地理から
22 ホンマノオト: 回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」
23 ホンマノオト: 2007年06月
24 ホンマノオト: スペシャル講演会に行こう!~東大・早慶以上の大学の道を拓くために
25 ホンマノオト: 東大合格者発表の季節(3)
26 ホンマノオト: 回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」(2)
27 ホンマノオト: 真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(5)聖学院
28 ホンマノオト: 真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(6)中村
29 ホンマノオト: 高学年の時に読ませたい本(1)
29 ホンマノオト: 塾選びのヒント~受験脳を作らない塾(2)
31 ホンマノオト: 新学年・新学期、共立女子の場合(2)
32 ホンマノオト: 宝仙学園理数インターが入試問題を変える!
33 ホンマノオト: 東大合格者発表の季節(5)
33 ホンマノオト: 東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える
35 ホンマノオト: 入試問題にその学校の品性があらわれる~聖園女学院の場合
35 ホンマノオト: 教育再生会議の新提言「親学」
35 ホンマノオト: 塾選びのヒント~受験脳を作らない塾(1)
38 ホンマノオト: 筑駒のツッコミ力
39 ホンマノオト: 21世紀だから女子教育~小野学園女子からのメール(1)
40 ホンマノオト: 2007年03月
40 ホンマノオト: 2007年05月
42 ホンマノオト: 東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(2)
43 ホンマノオト: 新学年・新学期、中高一貫校はサバイバル・スキルを身につける準備
43 ホンマノオト: 2007年02月
45 ホンマノオト: ずっとこさんの麻布の入学式の記事
46 ホンマノオト: 東大合格者発表の季節(4)
47 ホンマノオト: 首都圏中学入試白書の1つの活用法
48 ホンマノオト: 高学年の時に読ませたい本(3)
49 ホンマノオト: 新学年・新学期、共立女子の場合(3)
50 ホンマノオト: 新しい視点で学校を探そう

バイオリニスト神尾真由子さんチャイコフスキーコンクールで優勝

毎日新聞(6月30日10時10分配信)によると、 若手音楽家の登竜門として世界的に有名なチャイコフスキー国際コンクール(第13回)において、バイオリン部門で神尾真由子(かみおまゆこ)さん(21)が優勝したそうです。

同部門での日本人の優勝は第9回(90年)の諏訪内晶子さん以来。前回(02年)は同部門で川久保賜紀(たまき)さんが1位なしの2位に選ばれており、事実上、日本人が2大会連続で最高位に輝いた。同コンクールの演奏・声楽部門で日本人の優勝者は4人目。前回ピアノ部門で上原彩子さん、前々回(98年)は女性声楽部門で佐藤美枝子さんが優勝しており、3大会連続で日本から優勝者を出す快挙となった。(同紙記事から)

★神尾さんのプロフィールをまとめてみましょう。

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2007年6月29日 (金)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(3)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(2)のつづきです。≪マルいハート≫を使って、「その秘密」を指している場所が、

(A)詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重み

★であると確信が持てました。あとは≪マルいアタマ≫でまとめていくだけです。(A)の部分の文の関係を≪マルいアタマ≫で考えてみましょう。

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東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(3)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(2)のつづきです。≪マルいハート≫を使って、

★「その秘密」を指している場所が、

(A)詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重み

★であると確信が持てました。あとは≪マルいアタマ≫でまとめていくだけです。(A)の部分の文の関係を≪マルいアタマ≫で考えてみましょう。

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2007年6月26日 (火)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える(2)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考えるの最後のパラグレフで「ともあれ、これで『その秘密』と『直観的な理解』の部分を説明する見通しが立ったわけです。今のところは、まだ≪マルいアタマ≫しか使っていませんが、次のステップではいよいよ≪マルいハート≫で美しく。」と述べました。まずは「その秘密」が何か≪マルいアタマ≫と≪マルいハート≫で。

★「その秘密」を指している場所は、

詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重み

★なぜここか?この確信は、≪マルいアタマ≫だけではうまくいかないかもしれません。

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2007年6月25日 (月)

東大の問題で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考える

★今年の東大前期の現代文の問題の一部で、≪マルいハート≫と≪マルいアタマ≫を考えてみましょう。

詩におけるさりげない1つの言葉、あるいは絵画におけるさりげない1つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量の思いが密(ひそ)かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重みは、容易なことでは鑑賞者の心に伝わるものではあるまい。作品と鑑賞者がなんらかの偶然によってよほどうまく邂逅(かいこう)しないかぎり、その秘密の直観的な理解はふつうは望めない。

設問(一) 「その秘密の直観的な理解」とあるが、どういうことか、説明せよ。

★まずは自分なりに考えてみてください。

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2007年6月23日 (土)

回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」(2)

回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」のつづきです。前回“Creative Knowledging Program(CKプログラム)”の図を紹介しました。このCKプログラムの簡易バージョンをちょっとご紹介しましょう。

★企業の新卒研修や学校の教員研修のとき、ちょっとマルいハートやマルいアタマになって欲しいなぁと思う瞬間に使います。

★10人ぐらいのチームに分かれてもらい、輪になって座ってもらいます。そして素材はなんでもよいのですが―今までは灰皿、紙コップ、タオル、ペットボトル、カップラーメンの器、鉛筆・・・いろいろでした―、それを渡し、何でも良いからその素材について簡単に順番に語ってもらいます。

★前回紹介した図では鉛筆を使っていますから、鉛筆を渡したとしましょう。

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2007年6月20日 (水)

回答「マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト」

★マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコト。それは知識を教えることをやめることです。たとえば「火事!」という表現で、子どもたちとどんなやりとりをすればよいのでしょう。

★火事とは、建物や森などが焼けることであるという辞書的な意味を教えて終わりではありませんね。もしこれで終わってしまえば、マルいハートもマルいアタマも育たないでしょう。

★「かじ」から思い浮かべることは?学年にもよりますが、舵、鍛冶、火事、家事など音とイメージは必ずしも一致しないことを知る体験がまず必要ですね。そしてその中から選択判断する体験。

★知識を教えることをやめるというのは、初めから選択判断をさせずに、一義的な意味を伝えるということをやめるということです。

★あらゆるモノやコトは、感じ方やイメージの仕方は、異なります。どれが正しいか間違っているかという判断を教える側がしてしまうと、子どもたちはいつまでも自分で判断ができないのです。

★かりに絵を見せましょう。すると「火事」を選択するでしょう。次にはその絵から何を感じるかあるいは想像するか聞いてみます。すると怖いとか、もし本当に目の前で起こっていたら、逃げるとか、消防署に連絡するとか、助けてあげたいと思うとか、なぜ起きたのか原因を考えるとか、様々でしょう。

★これもまた子どもたちは様々な感じ方や想像をします。言葉は、意味を指し示すだけではなく、気持ちを生み出すし、行動をうながすし、科学的なものの見方を刺激したりします。

★ある意味、言葉は多様で多次元の端子を出していて、そこに意味や、感情、行動、思想、論理、音楽的イメージ、絵画的イメージ・・・などが結合しています。その中から選択の自己決定があるわけです。この選択は状況や人間関係、論理的な文脈によって決まってきます。けっして自分勝手な自己決定がおこなわれるわけではないのです。

★多くの選択肢を見つけ、あるときは創ることができる。このチャンスを奪うのが知識を教える行為です。多くの選択肢から選択の自己決定をする体験値をアップしていくことができる。このチャンスを奪うのが知識を教える行為です。

★このチャンスを子どもたちに回復し、増やしていく学びの環境を創ることが、マルいハートやマルいアタマを育てるために大切なコトです。そしてこれは1989年ベルリンの壁が崩れてから、欧米諸国、インドやメキシコで起きている学びのグローバリゼーションの動きです。

★マルいハートやマルいアタマを育つ学びの環境とは世界標準の学び観だったのです。果たして日本の学校や教育関係者は、日本がまだまだそのような学び観に立っていないことに気づいているでしょうか。教育の井戸端会議から抜け出て、そろそろ次のステージで議論することが必要な時がやってきたようですね。

Ck ★知識を教えるのではなく、子どもたちが自ら知識を発見し創造していく学びのサイクルを私なりの図にしてみました。いずれ説明をどこかでしたいと思いますが、まずはイメージをお届けします。

2007年6月16日 (土)

学校選びに欠かせないポイント(了)千葉校の保護者会で【6】

学校選びに欠かせないポイント(7)千葉校の保護者会で【5】のつづきです。この時期第一・第二志望の学校というのは、エクセレント・スクールかエリート・スクールの範囲の中から選ばれています。

★2020年、2030年、2050年・・・になってもそのポジションを持続可能にしている学校かどうかは、最終チェックが必要です。この範囲の中の学校は、ほとんどは大丈夫だと思います。ただ、結果R4偏差値(80%合格率)が昨年と比べ下がり、R4とR3(合格率50%)の幅が、昨年より広がった学校は、一様は要チェックです。保護者会ではデータに基づいて具体的な学校を検討してみましたが、あまりに生々しいので、ここでは公開できません。

★逆に今は偏差値や大学合格実績がそれほど高くはないけれども、教育のクオリティは大変高く、明らかに世界標準を超えようと戦略を立て、実行している学校があります。クオリティ・スクールと呼んでいます。その範囲にある学校で、やがて鴎友学園女子や洗足学園のようにエクセレント・スクールになる学校の予想をしてみるのも大事です。今回は参加者が6年生の保護者の方々ですから、今迷われても困りますので、クオリティ・スクールの中でさらに有望な学校についてははっきり述べなかったと思います(クオリティ・スクールのリストは講談社やダイヤモンド社の雑誌で公開しているので、リストは情報提供させて頂きましたが)。4、5年生対象の保護者会では、チャレンジしてみようかと思います。

★しかし、予想するヒントは話しました。また幾つかの学校は話題として挙げました。その学校が有望だとは明言しませんでしたが。熱心な千葉校の保護者の方々は、自分で判断がつけられるから参考になったとアンケートでご回答されていたので、安心しております。

★クオリティ・スクールについて、もう少し補足しておきますと、この範囲の学校は、実は安定していません。エクセレント・スクールになれるのに、いまだクオリティ・スクールという考え方もできるわけですが、その原因は、組織力の弱さ(ですからクオリティ・スクールで組織力が強い学校は、将来有望なのです。説明会に行けば一発でわかります。もし行ってどこが組織力が強いのかな?と思ったら、それは弱いということですね)です。

★校長が変われば、組織全体の方針、教育方針まで変わるという学校があります。質より量だ。大学進学実績優先という方向転換する学校もたくさんあります。世界標準の逆を行くわけです。2020年、2030年、2050年・・・なんて考えていられるか、まずは2010年。そこまでに東大を5人出すためには、何ができるかだなんて学校も実はあります。まずこういう学校は東大5人など出るはずがない。というのは教育の過程で、モチベーションが分解していくからです。学校選択の視界から消える学校だと思います。

★「でも本音は皆そうだろう」と言う先生もいますね。そういうことを考える学校の先生方は、実力はあっても、本当に雰囲気の悪い場合が多い。回りの雰囲気まで悪くしてしまう。実は心地良い雰囲気を大事にするのが世界標準です。この前のハイリンゲンダム・サミットの課題の一つは“Climate Problem”です。OECD/PISAの課題の一つは“School and Class Climate”です。

★世界標準の響きがここにはあります。自然も社会も精神も、“Climate”という言葉が通奏低音を奏でているのです。晴れやかな雰囲気を人間関係で創れない教師は、晴れやかな雰囲気の人材を成長させることはできません。晴れやかな人材が育たなければ、晴れやかな社会は形成できません。そんな社会が自然環境にまで配慮できる細やかな政策立案をし、実行できるでしょうか。

★学校選択は、自分の子どもの豊かな精神雰囲気を形成できるかどうかがポイントでしょう。そのような学校を選択できれば、未来の社会の雰囲気、自然環境の雰囲気を良くする人材として活躍するようになるでしょう。そんな将来有望なクオリティ・スクールを探すことが、第三・第四志望校を決めるヒントになるのではないでしょうか(もちろん御三家や渋谷幕張を合格しても、クオリティ・スクールを最終的に選択するという慧眼の持ち主もいます。クオリティ・スクールが第一志望校になるケースは増えるでしょう。すでにそうなっています。そのような学校はすぐにもエクセレント・スクールに成長するはずです)。そんなことを保護者の方々と情報共有できた保護者会となりました。私はもともと「未来を創る学校」を仲間たちと探す旅にでています。今回千葉校の保護者の方々から様々なヒントと刺激を受けました。今後この考え方をさらに深めていく勇気を頂くことができました。このような機会を創ってくださった千葉校のスタッフの皆さん、そして保護者の方々、心から感謝申し上げます。

12_1 ※参考までに、クオリティスコアを算出する「12の学校選択指標」をご紹介しておきましょう。12の指標については、 「Nettyかわら版2007年1月号」をご覧下さい。

学校選びに欠かせないポイント(7)千葉校の保護者会で【5】

学校選びに欠かせないポイント(6)千葉校の保護者会で【4】のつづきです。県千葉の中高一貫校のやろうとしていることは、私立中高一貫校の選択視点のモデルになりますという話をしたあとで、やっと保護者会は私学の話に移っていきました。

Photo_12 ★県千葉の中高一貫校は、大学進学実績もよいし、世界標準の、あるいはそれ以上の教育を実施しようとしています。ですから実現すれば、図1の学校選択のための座標系では、エクセレント・スクールに位置します。保護者会の資料では、このエクセレント・スクールのリストを公開しました。参加されていた保護者の方のお子さまたちの第一志望校は、このエクセレント・スクールかエリート・スクールかどちらかに入っていたようでした。

★6月のこの時期ですから、だいたい第一・第二志望のイメージがついているのは当然かもしれません。あとは、保護者の方のお子さまたちが、大学や大学院を卒業して活躍し始める2020年、中核になっている2030年、組織のリーダーになっている2050年になってもエクセレント・スクールとしてサバイバルしている学校を探し当てておけばよいわけです。

★また、クオリティ・スクールの中には、今の鴎友学園女子や洗足学園のようにエクセレント・スクールに成長する学校もあるでしょう。その条件は何かについてお話しました。すでに県千葉の中高一貫校でその参照モデルの話をしていましたから、この条件については保護者の方々はすぐに了解してくださいました。

★当日紹介したエクセレント・スクールの一部を参考までに、列挙しておきます。

【男子校】麻布、開成、栄光学園、慶應義塾普通部、武蔵、逗子開成、海城、駒場東邦、芝、筑波大学附属駒場、早稲田、世田谷学園、暁星、攻玉社、桐朋、本郷

【女子校】女子学院、 共立女子、鴎友学園女子、湘南白百合学園、晃華学園、東京女学館、洗足学園、桜蔭、立教女学院、横浜雙葉、カリタス女子、白百合学園、頌栄女子学院、雙葉、フェリス女学院、鎌倉女学院、恵泉女学園、品川女子学院、浦和明の星女子、日本女子大附、普連土学園、田園調布学園、聖心女子学院、光塩女子学院、大妻多摩、豊島岡女子学園、 東洋英和女学院、吉祥女子、淑徳与野、清泉女学院、横浜共立学園、大妻、香蘭女学校

【共学校】慶應湘南藤沢、渋谷教育幕張、学芸芸大附属国際中等教育学校、芝浦工業大学柏、慶應義塾中等部、桐蔭、江戸川学園取手、早稲田実業学校、公文国際学園、渋谷教育渋谷、山手学院、穎明館、昭和秀英、東京農大第一 ※桐蔭は別学ですが、ここでは共学に入れておきます。

2007年6月15日 (金)

学校選びに欠かせないポイント(6)千葉校の保護者会で【4】

学校選びに欠かせないポイント(5)千葉校の保護者会で【3】のつづきです。来年開校する県立千葉の中高一貫校の捉え方の3つめのポイントについてです。

③県千葉の公立中高一貫校をどのように見定めるかは、私学も含め学校選択の視点を明確にすることでもある。

★教育基本法改革、教育再生会議、教育関連三法改正問題、未履修問題は、私立も公立も、公教育の多様性として受け入れてきた私学に、結果的に、やはり協調路線より独自路線でいくしかないという腹を決めさせた決定的事件だったと思います。

★もちろん表面上は協調路線でしょうが、教育活動を進める指針は、世界標準に照準を合わせていくでしょう。いや世界標準を超えようとするでしょう。なぜそれができるか?それが世界の潮流なのです。21世紀のリーダー産業は第一次産業・第二次産業・第三次産業のそれぞれのイノベーション、コミュニケーション、金融システム(全てが証券化・金融化・電子マネー化しますから)を創出するクリエイティブ・クラスの知的産業です。

★クリエイティブ・クラスは魅力的な国ではなく、魅力的な都市を拠点として動きます。だからロード・オブ・ザ・リングのような映画はもはやハリウッドではなく、魅力的な都市ウェリントン(ニュージーランド)で誕生したりするんですね。ドバイ、アムステルダム、ジュネーブ、キエフ、シドニー、フランクフルトなどに多国籍の移民が集中するのも、そこに仕事があるからです。

★自分のタレントやテクノロジーを受け入れてくれるトレランス(寛容)のある都市に、クリエイティブ・クラスは移動します。そしてそのような魅力的な都市には魅力的な教育や学校があるんですね。したがって、オーストラリアやニュージーランドは、OECD/PISAの「読解リテラシー」のランキングは、日本より上ということになるんです。

★私立学校は、そういう魅力的な都市にある魅力的な学校と交流します。魅力的な都市は本当に市民社会が形成されているので、官尊民卑はないのです。だから、都市と学校は仲が良いし、日本の学校と交流することは、学校間だけではなく都市と学校の交流の問題でもあるということになります。日本の私立学校は魅力的な都市市民と交流する段階に入ってきています。

★つまり世界標準を引き上げるクリエイティブ・クラスと同じ動きをどんどんしていくでしょう。そういう世界の動きを自覚して動いているかどうかはわかりませんが、先見性というのは論理ではなく直感/直観です。高感度なサバイバル感性です。市場の原理をある程度受け入れている組織でなければそれはできません。

★県千葉の中高一貫校が、異文化交流を仕掛けるとしたら、そこまで考えるでしょう。ですから、逆に英語の勉強のためだけに海外に出かけるというようなプログラムを説明会でうたっている学校があったとしたら、それはすでに世界標準以下ということですね。

★また世界標準を超えるには、すくなくとも授業は講義形式オンリーではダメですね。県千葉の中高一貫校がやろうとしているプロジェクト学習などは必須でしょう。体験→調査→議論→編集→プレゼン→・・・といった学習サイクルを実施している学校でなければ、世界標準は超えられません。

★県千葉の中高一貫校の構想以上でなければ私学としての今後の存続はないでしょう。2020年、2030年、2050年・・・サバイバルしている学校を探す基準作りには、県千葉の中高一貫校構想はちょうどよいモデルになることでしょう。たとえば、世田谷学園が県千葉の中高一貫校をはるかに超える教育を実現しているという実感は、このようなモデルがあることによって、比較してすぐにわかるようになるのです。

★とにかく、そのようなことを考えるリアルな境界に立っているのが千葉校の保護者の方々です。保護者の真剣な眼差しにそれを感じました。

2007年6月14日 (木)

学校選びに欠かせないポイント(5)千葉校の保護者会で【3】

学校選びに欠かせないポイント(4)千葉校の保護者会で【2】のつづきです。来年開校する県立千葉の中高一貫校の捉え方の2つめのポイントについてお話しましょう。

②県千葉の中高一貫校のやろうとしていることは、私学も含め2020年、2030年、2050年・・・とサバイバルできる学校の姿でもある。良し悪しは別として、受ける受けないは別として、動向は見守っておくと良い。実際に近くにあるわけだから、千葉校の受験生は、ある意味中学受験の最先端に位置している。

★県千葉中高一貫校のやろうとしていることが、なぜ「2020年、2030年、2050年・・・とサバイバルできる学校の姿」なのでしょうか。今年の3月13日、教員・教育関係者対象に、千葉高校併設型中高一貫教育校開設に向けて説明会があったようですが、そのとき学習面において幾つかの柱を語ったようです。

①学びの特長→「協同的学び」と「スパイラル学習」

②伝統を生かした人間力育成→「学びのリテラシー」「ゼミ」「プロジェクト」

③異文化学習→中3時の「英語圏疑似体験」「海外異文化学習(希望者)」

④コンセプト→「君が伝統だ」「千葉から、日本でそして世界で活躍する心豊かな次代のリーダーに」

★県千葉は、大学合格実績に関しては、高校からの指導で十分出せるわけですから、中学3年間は破格のプログラムを企画実施できるわけです。上記の4つのポイントを見て、ピンとくる人はピンときます。県千葉のOBで東大から海外の大学院あるいはそのまま海外の大学をでたクリエイティブ・クラスの人材が背景でサポートしているのではないでしょうか。

★1つひとつは、どこの学校でも口にしているようなことではと思う人もいるかもしれません。しかし、どれ1つとってもうまくプログラムが進行しているところはそうないのです。それを全部やると宣言しているわけですね。

★アメリカでは、理数系大学院ドクターを出たけれど、現場で使えない人材が就職先がなくて困っています。私もたまたまその現場に立ち会ったことがあります。なるほどなぁ、そういうことかぁと納得した次第です。

★賢いのだろうけど、それだけに、評論家、人を見下す、人と交わらない、自分の世界だけを大切にする、論理的だがハイタッチではない、笑いが少ない、自分の話ばっかり、言い訳から話し始める、夢を語らない、未来を語らない、原則主義、データ主義・・・ととにかく防衛コストが高すぎでした。

★このタイプは、一握りではなく、賢い人に結構多いのですね。しかし、今や(本当は昔から。ダ・ビンチだって1人ではなかった。モーツァルトも。)研究領域でも、アートの領域でも、ビジネスの領域でも、編集領域でも、あらゆる領域で、コラボレーションなくてはやっていけないのです。

★県千葉の言っている協同は、コラボのことです。またコラボレーションする時は、上から物言うメンバーがいるとうまくいかない。オリジナリティのない協同は何も生まない。そこでスパイラル。まずは大きな物語を教条的に語り合うのではなく、互いの小さな差異やズレを確認し合って、つまり試行錯誤、紆余曲折を怖れず、励ましあいながら進んでいくというチームワークがポイントです。ここには知的な面で学びの最近接領域の発想があります。難しいので、ここでは説明を省かせてください。とにかく学びにおける世紀のチャレンジを表明しているということをここでは押さえておいてください。

★今年の秋か年末にOECD/PISAの国際学習到達度テストのレポートが世に出るでしょう。2009年には「読解リテラシー」メインのテストが実施される予定になっています。学びのグローバリゼーションにおいて「学びのリテラシー」という発想は欠かせません。

★チームワークのもう一つ大事な点は、どんなに良いアイディアも、みんなと議論せずにでてきたものは独我論です。ゼミやプロジェクトの過程で、もっとも重視されているものはディスカッションなのですね。

★そしてそのディスカッションを通して、課題が見え、探究していくプロセスが生まれてきます。それもゼミとプロジェクトのねらいですね。

★チームワークとは価値観やものの見方の違うメンバーがどのようにその葛藤を昇華していけるか寛容になれるかということでもあります。異文化理解は、本当は互いの文化の共有というよりも、葛藤解決を学ぶことのほうが大事なんですね。

★今までのすべての話が本当にうまくいくかいかないかは、リーダーシップにかかっています。結局クリエイティブでタフでハイタッチな「人づくり」が重要だということになります。

★これらをすべて一言で語ると、「リベラルアーツ」ということになります。県千葉は国を超えて最強の公立中高一貫校になろうという野心があるのはみえみえですね。

★あとは自治体の動きです。世界を相手にした偉大な人物に本田宗一郎がいます。氏は官尊民卑が大嫌いでした。氏のモットーは、「論理や発想は大事だ。しかし何より大事なのは時間だ」です。論理や発想だけでは、賢いだけで終わる。評論家ってわけですね。時間を大事にする人は、体が動く。前のめりの行動力しか、時間を短縮できない。

★グローバリゼーションは、時間と空間を越える高感度なモビリティの成せる業です。自治体にこの高感度なモビリティ感を期待できるかどうか、そこをどう読むか。選択の分かれ目です。今後の説明会が興味深いですね。

【県千葉中高一貫校関連記事】千葉高校併設型中高一貫教育校開設準備本格化

2007年6月13日 (水)

学校選びに欠かせないポイント(4)千葉校の保護者会で【2】

学校選びに欠かせないポイント(3)千葉校の保護者会で【1】のつづきです。来年開校する県立千葉の中高一貫校の捉え方についてお話しました。ポイントは3つです。

①県千葉の中高一貫校は、東京都の進学重点校(今話題の日比谷高校)の路線でもないし、公立中高一貫校の路線でもない。千葉県政の期待を担っている。

②したがって、県千葉の中高一貫校のやろうとしていることは、私学も含め2020年、2030年、2050年・・・とサバイバルできる学校の姿でもある。良し悪しは別として、受ける受けないは別として、動向は見守っておくと良い。実際に近くにあるわけだから、千葉校の受験生は、ある意味中学受験の最先端に位置している。

③県千葉の公立中高一貫校をどのように見定めるかは、私学も含め学校選択の視点を明確にすることでもある。

★①については、千葉県の人口はフィンランド一国の人口と変わらない。予算は日本の都道府県の中で10位以内。県内の物価指数の中で、医療・保険と教育の物価指数は右肩上がり。県に居住するために入ってくる人口と出て行く人口では、入ってくる方が多い。第三次産業の就業人口比率は、非常に低いにもかかわらず、東京に農作物・畜産物を供給する基地になっている。

★このように千葉県という自治体は、経済的に魅力的であり、従来の産業構造(第一次・第二次・第三次産業)に変化が起きています。それは従来のそれぞれの産業に対し、イノベーションを創造するクリエイティブ・クラスが生まれる土壌ができつつあるということを意味します。

★日比谷を筆頭に都立進学重点校は、当面の目標は東大合格者の数を増やすことです。県千葉はもともとたくさん合格者を出していますから、今さら東大合格者を増やすことだけを目標にする必要はありません。かといって東京の公立中高一貫校のように特色ある教育を柱に立てるだけで満足するはずもありません。

★グローバリゼーションの中で、政治経済そして文化のリーダーになるクリエイティブ・クラス(第4次産業と言っても良いかもしれません)になる人材輩出のために世界に開かれる中等教育を目標にしているはずです。

★フィンランドと変わらない人口なのですから、千葉県は一国と変わらない働きができるはずなのです。おそらく千葉県の地方自治体、教育委員会には、県千葉のOB・OGがたくさんいるはずです。世界と政治経済・文化の交流をしていく新しい人的資本を県千葉の中高一貫校が育成することを担うのは、自治体の名門校の宿命なのです。

★しかし、本当にそんなことが可能なのか?クリエイティブ・クラスが塊となって生まれるには、千葉県自体が魅力的な地域で、優秀な人材が移動してくる動きを作るのが条件です。そしてその動きが起きているかどうかのバロメーターの一つは、外国人がどのくらい居住し仕事をしているか。千葉県はまだ2%です。フィンランドは移民が相当多いはずですから、これでは条件はまだまだですね。

★だから、クリエイティブ・クラスの人材輩出にどんなに意欲的でも、千葉県(というより日本国の移民受入の問題)の制度的限界のために、県千葉の理念の現実化はなかなか促進されないのではないでしょうか。こういう現実が目の前にあるために、千葉校の保護者の学校選択の眼力は他の地域よりも磨きあげられているのかもしれません。それが熱心な姿勢に現れていたと思います。

2007年6月11日 (月)

学校選びに欠かせないポイント(3)千葉校の保護者会で【1】

学校選びに欠かせないポイント(2)子どもに合った学校?のつづきです。今朝、日能研千葉校の保護者会でお話をするチャンスをいただきました。この時期、6年生対象の保護者会をやるのは久しぶりです。4月から5月初旬には、学校選びの視点について毎年話す機会をいただきますが、6月という時期は4、5年生対象の場合が多いですね。

★というのも、この時期は、多くの場合、第1志望、第2志望は決まっていますから、どちらかというと「学習の仕方」に関心が高まるからです。併願については、10月以降にというのが一般的ですから、保護者の方々の聞きたいことにうまくマッチングできるかどうか少し心配でした。

★ところが、千葉校の保護者の方々は、とても熱心で、県千葉の中高一貫校化の動向が世界の教育の動きと連動しているかもしれない、しかし県千葉のOB・OGもいるだろう県教委も、お役所の限界があって、思いを速やかに現実化できるかどうかわからないですねというようなグローバルな話とドメスティックな話の振り子のような動きの話などに熱心に耳を傾けてくださいました。

★かつてのように時代がゆっくり動くのではなく、激しく動くので、変化に対応しサバイバルできる学校探しをするためには、まずは外部環境の変化の話をしなければなりません。とたんに目の前の子どもたちの成績からかけ離れた話になるのですが、自分の子どもたちが、2020年や2030年に活躍している時代のことをイメージし、そこでサバイバルできる新しい教育を創意工夫できる学校探しに対する意識がたいへん高いのに驚きました。話している方もつい時間を忘れ、あっちこっち飛びながらですが、熱心な眼差しに応えながら話をすることができました。

★話が終わったあと、幾人かの保護者の方から質問がありましたが、対話の中で、世界の痛みを受け留め、なんとかその問題を解決しようと活躍する人材になって欲しいと親が願うのは当たり前だというお話をお聞きして、感動しました。

★また学校の図書室の司書教諭の存在意義について少し触れましたが、この司書教諭の知のインテグレーターの意味をすぐにアンテナで受信した保護者もいました。

★日能研千葉校から県千葉は歩いて12、3分のところにあるからということもありますが、県千葉の中高一貫校化の動きを、私立中高一貫校の自己決定の中にどのように位置付けるか関心の高い保護者が多く、その学校選択に対する意識の高さに驚きました。

★特に県千葉の中高一貫校の問題は、東京の中高一貫校とは違って、県の政治経済にかかわる問題で、スケールが大きいわけですが、その重大性にすでに気づかれている保護者が多いということを改めて知り、たいへん勉強になりました。

★選択される学校側は、このような選択眼力を持っている保護者にどのように応えていくのでしょうか。中学受験は大衆化して、教育の本質を見ていない保護者が多くなったとうそぶいているような学校は、やがて選ばれなくなるでしょう。私もなんだか身が引き締まる思いです。

★時代の変化をつかみ、自分の子どもの未来を想像する情熱も学校選択には欠かせないポイントです。千葉校の保護者の方々からその強い意志が伝わってきました。心から感謝申し上げます。

2007年6月 9日 (土)

学校選びに欠かせないポイント(2)子どもに合った学校?

学校選びに欠かせないポイントのつづきです。編集部小田さんが「学校選びのまとめ」でこう書かれています。

今回のお題について「自分の子どもに合った学校を選ぶ」ということと、当たり前ですが「自分の子どもの将来を考えて学校を選ぶ」ということが、皆さんの共通したご意見でした。

★そうだと思います。ただし、「自分の子どもに合った学校」というのはなかなか難しいですね。子どもは成長しますから、変化もします。現状の子どもに合った学校という視点だけで選ぶと、あとで困ることもあります。私立学校の退学者が公立に比べて多いのは、経済的な面と、学校に合う合わないが大きな理由です。

★今の子どもに合ったというより、子どもの成長に合わせて伴走してくれる柔軟な受け入れ態勢が整っている学校を選ぶのがよいのではないでしょうか。そういう創意工夫に溢れたフレキシブルな学校はクリエイティブ・スクールです。

★キャリア・デザインのプログラムやチューター制など一人ひとりの生徒を見守る組織作り、つまり生徒たちの知性と感性の成長について日々学ぶ先生方を組織的にマネジメントしている学校を探すというのがポイントではないでしょうか。

2007年6月 8日 (金)

学校選びに欠かせないポイント

★学校選び情報を収集するために、欠かせないシンプルなポイントは2つです。

①学校と学びのマッチング→受験生の学習の仕方と論理的思考の奥行きが志望校と適合しているか?

②志望校の教育力の質の保証→学校説明会だけでは、教育力の質の比較ができません。各学校が一堂に会するイベントを活用しましょう。

★上記2つのポイントを満たす最大最適の機会は、<学校フェア2007>です。

「志望校判定テスト」が同時開催されていますから、一日でどちらの情報もゲットできます。

★志望校判定テストは、受験生の現状のポジショニングだけを確認するのではなく、志望校と現状のGAPを埋める学びの方法をプランできる分析情報も得ることができます。

★学校選びは、合格につながることが肝心ですね。

2007年6月 7日 (木)

日能研の学びは東大に通じる(4)~東大の試験が変わる

日能研の学びは東大に通じる(3)~東大前期の地理からのつづき。来年2008年から東大の後期試験が変わります。まず今まで324人募集していたところ、100人の募集定員枠になります。そして試験は一本化され、3種類の試験が実施されます。

08 ★総合科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲとなるわけです。総合科目Ⅰは英語で、総合科目Ⅲは日本語ですが、イメージはOECD/PISAの「読解リテラシー」です。総合科目Ⅱは数学ベースですが、実際の日常の現象や産業に数学を応用する問題ですから、これもまたOECD/PISAの「数学リテラシー」の方向性で作られます。もちろん、難度は全く違い、後期試験のほうが圧倒的に難しいですが。とにかくⅡ・Ⅲについては試行問題を見ることができますので、拝見されるとよくわかると思います。

★前期試験がロジックベースなのに対し、後期試験はクリエイティビティも要求されるので、後期試験の募集定員が多くなると、学生の質の平準化がブレるおそれがあるのですね。簡単に言えば、アタリハズレがあるということです。それで、後期試験は本当はいらないのではないかとう論議が学内でも起きているはずです。しかし、クリエイティビティを捨てるわけにはいかないのでしょう。

★ずいぶん前に東大のある教授と話をしたときに、学部に進学してくる時点では、論理的な力さえ養ってきてくれれば、あとは大学で花開くからという話を聞きました。そんなものかねえと思っているうちに、論理的な力しか持っていない東大生も増えてきたのでしょうね。そこで「知の構造化」だと言い始めた。「自律分散協調系」だとも言い始めた。要するに論理力は当然持っていないとだめだが、創造性や協働性も重要だとなったわけですね。

★後期試験のOECD/PISA化はわかりやすい変化ですが、前期試験の方はどうなるのでしょうか。大幅には変わらないとは思いますが、ぎりぎり創造性を試す問題が現代文などで復活するかもしれませんね。いずれにしても≪日能研≫≪4つの力≫は、OECD/PISAの方向性にもつながっています。ますます日能研の学びは、東大に通じやすくなっていくはずです。

2007年6月 6日 (水)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(6)中村

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(5)聖学院のつづき。中村中は、今一番注目されている女子校です。年々増える大学進学実績、受験勉強だけではない幅広く奥深い芸術や道の教育。思春期の強烈な思い出や自分の永遠の居場所づくりができるキャンパス。江戸の文化を満喫しながらグローバルな学びができる環境とカリキュラム。トータルな教育力が広く認知され、中学入試の応募者も激増しています。

★しかし、何といっても破格なプログラムといえば、国際科の教育プログラム。国際科の生徒たち全員が、ほぼ1年間の留学を体験します。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドへとそれぞれ1人の力で留学を乗り越えてきます。

★コミュニケーション能力、チームワーク形成力、メンターの力、リーダーの能力、プレゼンテーション能力をアメリカの科学者はサバイバル・スキルと呼んでいますが、まさにこのサバイバル・スキルをホームステイや学校生活をしながら磨き上げていくのでしょう。

★国際科の教育プログラムの構築者早川先生によると、英語力のアップは当然で、TOEFLのスコア550点以上取る生徒も多数いるそうです。したがって、海外の大学に進学する生徒もたくさんいます。

★しかし、これらはあくまで結果であって、早川先生は、2050年の自分をイメージしたキャリアデザイン・ベースのプログラムであることを強調されていました。海外での楽しく一方で辛い多くの体験が、キャリア・デザインの選択肢や使命感を育てるのだと思います。

★そしてやはり学びのグローバリゼーション。「自己表現力」「コミュニケーション能力」「問題発見解決能力」「行動力」をベースにしたプログラムがデザインされているわけです。生徒のプレゼンやドラマのビデオを拝見しましたが、自信を持って、プレゼンする姿に感銘を受けました。

★在校生はこう語っています。

『国際コース(国際科の以前の名称)』。それは中学から中村に通っている私にとって憧れの的であった。

★「憧れの的」という表現がいいですねえ。「憧れ」から、「理想」「夢」「挑戦」「勇気」「使命」「飛躍」「自己実現」・・・といろいろな自己肯定的なキーワードが連想されます。

『中村』。それは中学受験をする私にとって憧れの的でした。

★今後そういう受験生が増えるでしょう。

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(5)聖学院

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(4)かえつ有明のつづき。今年創立101年目を迎える聖学院。赤熊先生によると、100周年に向けて「学校作り委員会」は、新校舎をはじめ様々な改革を時代の要請にしたがって行ってきたそうです。

★その中でも英語の改革は重要だったそうですが、本格的に改革が進んだのは2003年からだそうです。英検をすでに取得していたり英語をすでに体験している生徒が、中1に入学する段階でかなりいるということに気づき、英語体験者クラス(20名強)をつくって、生徒1人ひとりの言語能力を伸ばす環境を設定したようです。今では英語アドバンスクラスが1クラスできているそうです。

★2004年には、帰国生入試を開始。徐々に受験生は増えているそうです。帰国生の入学の数はまだ少ないのですが、その影響力は計り知れないということです。ライフスタイル、価値観、行動などのすべてが違います。異文化との遭遇は、互いに衝撃的だと思いますが、この受け入れ、互いに寛容な姿勢ができあがることが、精神的な財産になるでしょう。

★2006年には中学入試で、英語選抜試験も開設。英検準1級を取得している生徒も入学してくるぐらいになりました。「英語の聖学院」としては面目躍如といったところではないでしょうか。

★聖学院の英語教育によって、英語で自信を持った生徒は、あらゆる分野で能動的に活躍するようになるとのことです。英語はコミュニケーションの道具であるだけでなく、自らを勇気付ける精神そのもの。これが「英語の聖学院」のビジョンなのかもしれません。

2007年6月 5日 (火)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(4)かえつ有明

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(3)頌栄女子学院のつづき。6月2日のスペシャル講演会「発見!クリエイティブ・スクール」で、世田谷学園の北原先生のお話、頌栄女子学院の峰松先生のお話をお聞きしながら、よりはっきりなってきたのは、国際化教育というのは国際理解教育とはイコールではなく、むしろ前者が後者を包摂する関係なのだということです。

★ですから英語教育とか留学とかの制度は、国際化教育においては当たり前であり、それをベースにして、たとえば世田谷学園の場合だと学力のグローバリゼーションを構築しているし、頌栄女子学院の場合だとコミュニケーションのグローバリゼーションが日常の学院生活の中で生まれているということなのです。

★そしてこの国際化教育の典型がかえつ有明だったのです。小板橋先生や高木先生のお話をお聞きしていると、まだ豊洲に移転し共学化して2年目なので、手探り状態で国際化教育を構築していないと謙遜されていましたが、新しいがゆえに、国際化教育の真髄がはっきり見えてきます。

★それはどういうことかと言うと、国際というと、海外で英語の研修をするとか異文化理解教育をやるとか、すぐにそのような形からはいりがちですが、かえつ有明の場合は、まず学びのグローバリゼーションプログラムから開始したのです。学びのグローバリゼーションとは、①教科横断的、学際的な視野の育成、②学びの実感という2つの大きな柱を持っています。

★日本の場合、相対的に島国ですから、異文化の知とのインターフェイスのチャンスが少ないですし、移民の問題や宗教の問題が日常にリアルにあるわけではありません。交わりが無く実感が無いものに対して、興味を持て!関心を持て!と押し付けても、生徒にモチベーションが生まれるわけはないのです。

★それゆえ、多様な実体験を設定し→議論し→探究し→発表するという知のインターフェース・プログラムを創出しています。そして何といっても、この多様な実体験、たとえば田植え・稲刈り体験、Hondaの最先端技術や発想との遭遇、京都・奈良探索、アメリカ・サマースクールでのアーミッシュとの邂逅・・・などなど、好奇心が全開になる知のリアリティを設定しています。

★この知のインタフェースとリアリティを統合した新しい教育プログラムの象徴が「サイエンス」です。国語と理科の学際的プログラムなのです。すでに国際理解教育はあるのですが、知のインターフェースとリアリティと国際理解教育プログラムを統合して、新たな国際化教育を開発していくということです。「サイエンス」の次なるプランは、頌栄女子学院や渋谷教育渋谷のように多くの帰国生を受け入れる環境を整えることだそうです。

2007年6月 3日 (日)

日能研の学びは東大に通じる(3)~東大前期の地理から

07_3 ◆今度は≪日能研≫≪4つの力≫が、東大前期の地理の試験問題に効くのか、実際に分析してみましょう。今年の東大前期の地理の問題では、大きな問題が3つ出題されました。1つ目は自然環境について、2つ目は食料と環境について、3つ目は日本とアメリカの産業について。テーマを見るだけでも、従来の地理の問題のように、山や川の名称を覚えたり、産業構造の詳細について知識を詰め込むという感じはしませんね。

◆基本的な知識は必要ですが、すべて図やグラフ、表というテキストの読解リテラシーになっています。今回は大問1つ目のB問題を分析してみました。中学受験の勉強をしている子どもたちは40%は解けてしまう問題でもあります。そして≪日能研≫≪4つの力≫を身につけた子どもなら、今の段階で60%は解けてしまいますね。

07_2 ◆選択問題はありませんが、(1)と(3)は、自分の脳内データベースの中から基本知識を取り出してくるだけで、表現力までは必要のない「調査力」を使う問題です。

◆(2)はバイオマスと化石燃料を比較して整理する問題です。素材の永続性と炭素コストについて比較すればよいのでしょうが、地理ですからね、戦争の原因性について書いた受験生はどうだったのでしょうか。採点基準がちょっと気になります(笑)。

◆(4)はデンマークとノルウェーの地理的条件の比較と整理がポイントでしょう。中学受験生は世界地理はそれほどやっていないので、できないと思われるかもしれませんが。火力発電の条件と水力発電の条件から逆算すれば、地理的条件は推理できます。東大受験生にとっては、その地理的条件は基本知識なので、表のように整理力で解きますが、中学受験生だと推理力も必要になりますね。学習体験値によって、どの力を使うのか変わってくるわけで、興味深いですね。

◆(5)は地熱発電というのは予想がつくけれど、その理由である地理的条件については、中学受験生にとっては、難しいかもしれませんね。さすがは大学受験問題。いずれにしても、知っているか知っていないかだけではなく、<4つの力>によって、ジャンプできそうだという実感は持っていただけたのではないでしょうか。

【関連記事】日能研の学びは東大に通じる(1)

【関連記事】日能研の学びは東大に通じる(2)~東大前期の現代文の分析

【関連サイト】中学受験6月の学力測定テスト

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(2)世田谷学園

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(1)のつづき。世田谷学園の国際化教育の実践は骨太で、学校全体の教育に大きな良き影響を与えていると感じました。

★北原先生のお話をお聞きしていると、10代の海外体験は、その後のキャリア・デザインの方向性やモティベーションに良き影響を与えるということでしたが、それ以上に将来壁にぶつかった時、10代のころの海外での強烈な体験の思い出が、勇気付けのベースになるのではないかと語られているように思いました。未来へ向けてのベクトルと、未来からのベクトルの精神の循環の育成が、世田谷学園の国際化教育なのではないでしょうか。

★中3になると全員がニュージーランド(NZ)で海外体験。7日間のホームステイ。学びの拠点である提携校は13校あるそうです。観光旅行ではなく、幅広い学びが中心の海外体験ですが、それは学力のグローバリゼーションの体験でもあるそうです。とかくOECD/PISAの結果といえば、北欧、特にフィンランドの話ばかりが話題になりますが、2003年の読解リテラシーのランキングは日本が14位なのに対し、NZは6位です。

★実際、NZの学校の授業は、議論やプレゼンテーションがベースです。学びのフレームワークもカテゴライズ化されていて明解です。それは日本のような大学入試とは違い、バカロレアのようなイメージのNCEA (National Certificate of Educational Achievement) という大学入学資格制度があるからだと思います。2004年に教育改革が行われ、以前の制度下の適性検査の問題に比べ、易しくなったようですが、おそらく論理や発想をベースにした問題作りである点において基本は変わりはないでしょう。

★NZの教育は、学力のグローバリゼーションに十分対応してきたし対応していると思います。そしてこのような海外体験や英語教育をベースに、世田谷学園は、学校全体の教育にもグローバリゼーションの影響を受け入れたのだと思います。それが各教科の70分授業に結実したのではないでしょうか。70分授業のプロセスの中には、おそらく議論やプレゼンもセットされていると思います。

★NZ以外に、高2でカナダの英語研修旅行があるそうですが、学園から海外に出て行くだけではなく、留学生も受け入れているということです。学園のモットーである「違いを認め合って、思いやりの心を」(from Respect for Each to Respect for All)が実践されているのです。

2007年6月 2日 (土)

真の国際化教育を実践している学校を選ぶ(1)

★本日6月2日、「発見!クリエイティブ・スクール」という題でスペシャル講演会が開催されました。参加校は、会場校である中村(女子校)をはじめ、聖学院(男子校)世田谷学園(男子校)かえつ有明(共学校)頌栄女子学院(女子校)の5校。そして、NTS教育研究所岡部憲治氏が講演及びパネルディスカッションのナビゲータを務めました。

Photo_10 ★まず岡部氏から「世界水準の教育が求めるもの」というトリガースピーチがあり、4つの基本骨子が提供されました。

(1)世界の中心がアジアとヨーロッパにシフトする。それにより人の行き交いが地球規模で盛んになる。→当然英語が共通語で異文化の受け入れは当然となる。

(2)2025年までに、留学生人口が今の3.8倍の790万人になることからも推察できるように、英語人口が増加する。教育の現場でもすぐ隣で英語同士で話している生徒たちで溢れている状況になる。

(3)インターネットやICTの発展が、時間と距離を越えたグローバルコミュニケーションを日常化する。

(4)OECD/PISAの拡大により学力のグローバリゼーションが起こる。

たんなる国際理解教育ではなく、それぞれの学校が教育においてどのような国際化・つまりグローバリゼーションを果たしているのかというのがテーマだったわけです。

Photo_11 ★そして、こういう変化が急激におこるのだから、中学受験生が大学・大学院を卒業して社会で活躍しだす2025年前後や、老後を迎える2050年以降の社会や世界がどのように変化しているかをイメージして、学校選びをするのがよいのではないかと。また、10代にどれだけ世界を体験したかは、その後のキャリアデザインの貴重な糧になると。このような真の国際化教育を実施している学校であれば選択したくならないわけがないと思います。このあと、各学校の先生方によって、ご自分の学校の国際化教育について説明がなされました。(つづく)

2007年6月 1日 (金)

日能研の学びは東大に通じる(2)~東大前期の現代文の分析

≪日能研≫≪4つの力≫がどのくらい東大前期の国語の試験問題に効くのか、実際に分析してみましょう。文系の国語の問題では1番と4番の大問が現代文です。東大受験生にとって、易しいのは難度A、受験生の50%ぐらいは正解するであろう問題を難度B、受験生の30%ぐらいは正解するであろう問題をCとして、4つの力のうちどの力が重点的に使われているのか、独断と偏見で分析してみました。

N ◆赤色の印は1番目の問題です。5つの問い(漢字の書き取りを除いて)がありました。青色の印は4番目の問題です。4つの問いがありました。どちらも結局個と普遍の関係をどうとらえるかという欧米の伝統的な<普遍論争>がベースになっている現代文でした。解答もその関係について考えていかねばならない問題でした。やはりリベラルアーツとしての読書がものをいうのでしょう。教養を重視している東大の教授陣ならではの問題ですね。ただし、良い問題かどうかは別ですが・・・。

◆すべての解答形式が記述式なので、表現力を見る問題の数を確認する意味で●印をいれておきました。整理力と表現力が、東大は鍵だということですね。それにしても日能研の<4つの力>場にきちんと収まるのですから、日能研の学びは東大に通じるということなのです。≪いまだからこの学び≫。日能研の学びを体験してみるのは実におもしろいですよ。

日能研の学びは東大に通じる(1)

★今年の東大前期の現代文を見ました。かつて200字の論述があったのですが、それは後期試験があるからということで、前期ではなくしたのでしょうか。とにかく、中学受験の学びの力で十分解けるようになっているのに驚きました。

★「中学受験の学び」といっても、物語の読み方、論説文の読み方といったテクニック的なものではダメです。受験という個別的なノウハウから、もっと普遍的な思考力を想定したものでなければなりません。

★おそらくそういう学びの力をきちんと分析して、実践しているのは、 ≪日能研≫しかないでしょう。この普遍的な思考力は、日能研では≪4つの力≫と呼ばれています。

4 ★しかもこの≪調査力・整理力・推理力・表現力≫という力は、すべての教科のベースになっているわけですから、強烈です。それぞれの教科の特性と思考という普遍性を融和させているのが≪日能研≫の特徴です。

前回ハーバードを例に21世紀型の学習観を紹介しましたが、まさに≪日能研≫の学びはハーバードに通じます。東大に通じるのは当然ですね。

★ぜひ東大やハーバードへの道の入り口に立ってみませんか。 ≪いまだからこの学び≫をいっしょに考えましょう。

21世紀型学習~ハーバードが求めるコト

Newsweek070606 ★Newsweek日本版(2007・6・6)で「ハーバードの入り方」という特集が組まれています。アメリカの大学は、日本の大学のような入学試験はありません。SATやACTのような適性試験のスコアと学校の成績、ショートエッセー、推薦状、日本のAO入試のようなアプリケーション(願書)などを提出して、それによって選考が決まります。

★ですから、適性試験のスコアが仮に満点だとしてもそれだけでは合格できないということです。欧米は伝統的にリベラルアーツがしっかりしていますから、論理的な思考力(知識を適切に活用する思考力)に創造的、自主的、共感的・・・というような教養や見識の素養の評価が加わるわけですね。

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2007年5月31日 (木)

スペシャル講演会に行こう!~東大・早慶以上の大学の道を拓くための学校選び

★今私立中学受験の準備をしている子どもたちが大学入試を迎えるのは、2013年以降です。また大学・大学院を卒業して社会の中核となって活躍している時期は2030年ぐらいになっているでしょうか。

★もうその時は、私自身この世にいるかどうかわかりません。その時は、目の前の子どもたちを直接サポートすることはできなくなっているでしょう。彼らは彼らでやっていくから、おせっかいや老婆心はいらないよと言われるかもしれませんが、どうも人間というのは、今ここでという瞬間を大事にしつつも、その瞬間を世代間で継承していく存在のようです。

★したがって、2013年から2030年にかけての時代がどうなっているのかという予想をしながら、時代の要請に合った教育環境を探す、つまり学校選びがポイントになってくるでしょう。

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2007年5月23日 (水)

塾選びのヒント~受験脳を作らない塾(2)

塾選びのヒント~受験脳を作らない塾(1)のつづきです。塾というと「受験脳」に結びつくかもしれません。しかし、不思議なことに今や塾の方が「受験脳」を作らないシェルターになりつつありますね。このシェルター探しが塾選びの最大のポイントということになります。このことについては世間の常識ではありません。国内の視野で眺めると気づかないのですね。

★だから、学校の週2日休みも国際的な流れになっているにもかかわらず、教育再生会議は、公立学校の「完全週5日制」を見直し、土曜日の授業を一部復活させる案を打ち出しているのです。「学力の底上げを進めるための具体策として検討に値する」なんて論調が蔓延しているのです。

★学校の週5日制は、1992年にまず月に1回の土曜休みで始まりました。95年から月2回に増え、2002年からは完全週休2日。この流れは1989年ベルリンの壁が崩れ、環境破壊開発産業のベースになってきた優勝劣敗型教育を見直そうという教育のグローバリゼーションの流れに沿ったものだったのです。

★当時のイギリスのブレア首相もアメリカのクリントン大統領も「教育、教育、そして教育」と教育改革を1つの柱にしてきました。言うまでもなく、この教育改革は21世紀型の教育を指しています。OECDでは、PISA(国際学習到達度テスト)も実施されるようになりました。日本も同調しました。しかし、21世紀型の教育は何ぞや?という議論がなされず、またまた形だけが優先されたのです。 

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2007年5月20日 (日)

スペシャル講演会に行こう!~東大・早慶以上の大学の道を拓くために

★日本の中高の教育の進路先の頂点は、断然東京大学というのが一般的な理解でしょう。しかし、私立中高一貫校の中には、東大・早慶以上の大学に進学する「創造脳」や「共感脳」を育成する学校があります。そしてまた、そのぐらいの覚悟があるから、東大・早慶という大学にたくさん進学する生徒が出るのです。

★この手の情報は、一般の中学受験情報では、ほとんど話題になりません。なぜなら、中学受験情報を扱っている編集者が海外の教育情報を知らないからです。この点に関しては私立学校の海外研修を担当していたり、帰国生募集を担当している先生の方がはるかに情報を持っているでしょうが、なかなか話をするチャンスがありません。

★そこでNTS教育研究所の北一成氏が私学の先生方と協働して、スペシャル講演会を設定しました。 東大・早慶以上の大学に進学できる素養を育てるのがクリエイティブ・スクールです。 「発見!クリエイティブ・スクール」という題で6月2日、会場は今や大人気で偏差値も進学実績も急上昇の中村中(もちろん中村中もクリエイティブ・スクールです)で開催されます。ぜひ参加しましょう。2010年以降の日本の教育の大変化も見据えなければならないですからね。

★さて、参加校は、会場校である中村(女子校)をはじめ、聖学院(男子校)世田谷学園(男子校)かえつ有明(共学校)頌栄女子学院(女子校)の5校です。そして、NTS教育研究所岡部憲治氏も講演及びパネルディスカッションのナビゲータを務めます。

0508 ★岡部憲治氏については、知ってる方も多いでしょうが、ちょっと紹介しておきましょう。氏自身、東大以上の大学UCLAを卒業しています。社会学、経済学、英語学、e-learningなど(もちろん中学受験も)に詳しく、幾つかの私立学校のカリキュラムの斬新なコンセプトも作っています。だから、ちょっと一般の中学受験の情報系のスタッフとは切り口が違います。

Photo_8アルザスのストラスブールを拠点にEUプログラムを作ったり、ロサンゼルスで教育講演も幾度も行っています。 ≪未来を創る学校≫という本もいっしょに書きましたが、私は≪私学の系譜論≫で、岡部氏は≪50年後の(未来の)学校論≫をテーマに書きました。

★最近では、「帰国生入試」を切り口にクリエイティブ・スクールを探す発想を打ち出しています。これは週刊ダイヤモンド(別冊2007年3月27日号)「いま、試される父親力」の中で、インタビュー記事となってまとまっています。

★従来の中学受験情報やマスコミの≪言説=言葉の使い方≫では、私学の本質が見えにくくなってきた昨今です。古い言葉で語られると、私学がどんなに新しいことに挑んでいても、古いイメージで捕らえてしまうものです。それでは、グローバリゼーション(この言説も新しいとは言えませんが・・・)の教育を見過ごしてしまいます。「国際化教育」の話は帰国生のためだけのテーマではないのです。東大早慶は言うまでもなく、それ以上の進路を拓くための野心を持った受験生の保護者のためのテーマなのです。スペシャル講演会「発見!クリエイティブ・スクール」に出かけましょう!

【関連Hot News①】「国際化教育」が世田谷学園の大学進学実績をさらに伸ばす

【関連Hot News②】完全中高一貫化に向けて進化する中村中高の「国際化教育」

塾選びのヒント~受験脳を作らない塾(1)

★これはまだ世間では気づかれていないことかもしれません。多くのマスコミの受験の取り上げ方から考えても気づかれていないと思います。しかし私立中高一貫校はすでに気づいています。まだ明確に証明されたわけではありませんが、中学入試のための勉強が、「受験脳」に変質して、入学してきたときとても固い思考の質感である生徒が多いということに。

★もちろんすべての受験生がそうだというわけではありません。本当の中学受験勉強を通して、「創造脳」や「共感脳」を育成して私立中高一貫校に入学していく生徒もたくさんいます。

★だから「塾選び」は相当重要だということになります。

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2007年5月15日 (火)

立教女学院で創造的人材が育つ(3)

立教女学院で創造的人材が育つ(2)のつづきです。これまで、創造性を育む要素<好奇心>と<オープン・マインド>を生む立教女学院の教育空間の話をしました。今回は、<批判的精神>を育む立教女学院の教育空間についてご紹介しましょう。

★もっともこれについては、時間がなくて、十分にお聞きすることはできなかったのですが、「Netty Land」講演会「クリエイティブ・スクールを探せ!~私学の教育環境を考える~」で講演された特別ゲスト片桐郁夫氏(株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所会長)の話が大きなヒントになりました。

★批判的精神は授業の中で行われる教師と生徒の問答の中でこそ育まれるものですが、教育空間からも刺激を受けるものなのです。

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2007年5月14日 (月)

立教女学院で創造的人材が育つ(2)

立教女学院で創造的人材が育つ(1)のつづきです。前回は創造性を育む要素<好奇心>を生む立教女学院の教育空間の話をしました。今回は、オープン・マインドを育む立教女学院の教育空間についてご紹介しましょう。

★山岸教頭先生は、チャペルの天井の高さを強調されていました。人間の存在を超えた大きな存在に対する畏敬の念が生まれてくるということです。自分が小さな存在であることに気づき、もっと大きな存在を受け入れた時、素直な気持ちになりますね。それがオープン・マインドの1つのあり方です。

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2007年5月13日 (日)

立教女学院で創造的人材が育つ(1)

★5月12日(土)に聖学院で行われた「Netty Land」講演会「クリエイティブ・スクールを探せ!~私学の教育環境を考える~」には、ゲスト校として立教女学院からは山岸教頭先生が参加してくれました。

★6年前当時杉山先生が校長時代に訪れたことがあります。まだ幾つかの校舎は建築の最中だったと記憶していますが、山岸教頭先生のお話からはその当時の立教女学院の教育の質がそのまま伝わってきました。

★そして当時から何となく感じていたことが明確なイメージとなったのです。

それはチャペルが幾つもあり、チャペルごとにパイプオルガンが違うということが、生徒たちに好奇心を刺激する教育空間そのものが持つプログラムであるということ。突然広がる緑の広大な芝の庭園。このランドスケープが生徒たちが好奇心を生み出す空間そのもののプログラムだということ。緑豊かな自然を随所に配置している空間そのものが生徒たちの好奇心を生み出すプログラムであるということ。突然狭く天井の低い廊下をわたってチャペルに入ると天井の高いチャペルの空間がパッと広がるという空間の変化に富んでいることが、生徒たちの好奇心を刺激するということなどについて確信を持てたのです。

★山岸教頭先生ご自身、教育空間の環境について語りたいことは山ほどあるのですが、数字で表せるものではないので、一般の学校説明会では語り尽くせないとおっしゃっていた。いつもとは違う学校の先生の≪言説≫に、やはり私立中高一貫校の深さに感服せざるを得ませんでした。

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2007年5月 9日 (水)

新学年・新学期、共立女子の場合(3)

新学年・新学期、共立女子の場合(2)のつづきです。共立女子の教育の特長は、思考力・発想力・表現力というトータルな人間教育が行われることです。これについては、改めて言うまでもありません。

★思考力は論理ですね。発想力は、複雑な事柄を論理的にほぐしていく過程で突然うまれてきます。そしてそのアイディアを編集して表現する。これは一見知の構造化だけのように思えますが、表現には必ず他者が前提になっています。他者が納得するように、あるいは他者に伝わるようにするには、共感力がベースになければなりません。

★共立女子は、6年間膨大な量の論文、多くの美術作品の制作、毎年の合唱・合奏・ダンス・能、多くのスポーツ活動など表現活動が活発です。

★これだけの多様な活動ができる最大の理由は、生徒数が多いということです。生徒数が多くても専任教師の数も多いわけですから、面倒見の問題は全くありません。ただ、数が多いということは、何をやるにも時間の問題が浮上します。

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新学年・新学期、共立女子の場合(2)

新学年・新学期、共立女子の場合のつづきです。共立女子の生徒数は首都圏の私立女子中高一貫校では最大です。にもかかわらず、この量が多いからということで、困ることはないと内田先生はお答えになったわけです。前回それについて書きましたが、それに関連して興味深い話があります。

★共立女子の国語の構えがおもしろいのです。この教科のシラバスが学びという側面で優れているのは言うまでもありません。様々な雑誌などのマスメディアで、この点は紹介されているほど、有名です。

★しかし、全く違う側面からの話です。それは思春期の時期の生徒たちというのは、学校にいるときと学校から離れたときの顔が極端に違うものです。学校にいるときのすがすがしい顔と学校から離れたときのはじけた顔や暗い顔は、まさにジキルとハイジ。この問題を国語のシラバスが乗り越えているという話なのです。

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新学年・新学期、共立女子の場合

新学年・新学期、中高一貫校はサバイバル・スキルを身につける準備(2)のつづきですが、今日は共立女子に話を絞ってみましょう。というのも、前回述べましたように、ざっと多くの学校のサイトを眺めていたのですが、共立女子のサイトに立ち寄ったとき、「おやっ」と思ったからです。

★共立女子は、思考力・発想力・表現力の多様性(広がり)と重層性(深さ)を育てる抜群の教育力を創っています。いわゆる女子御三家なども、学校全体の取り組みという点で、共立女子に勝てないはずです。

★それなのに、ことサイトに関しては、情報が統制されていて、一般的な教育情報しか載っていないのです。リアルとサイバーの両義教育は、どこよりも先行していたのに、完全中高一貫体制になって、いったんリアルなものに集中する戦略なのだろうかと心配(私が心配する必要はないのですが)になりました。

★問い合わせてみると、実際には、そんなことはなく、むしろシラバスや体制を毎年見直して、もっとダイナミックに動いているという雰囲気が伝わってきました。まずは生徒と教師のかかわりが絶対優先で、サイトはもう少しその動きが固まってからということでしょう。

★さて、制約があるサイトですが、その制約もぶち壊して、何かあるぞと予想させるページがありました。『生徒総会・新入生歓迎会』『校外オリエンテーション』です。さりげなく写真が載っているだけですが、ピンとくる人にはなるほどと了解できるでしょう。

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2007年5月 6日 (日)

新学年・新学期、中高一貫校はサバイバル・スキルを身につける準備(2)

★ 「新学年・新学期、中高一貫校はサバイバル・スキルを身につける準備」のつづきです。4月から5月にかけては、オリエンテーションや文化祭、運動会、遠足が行われます。もちろん、夏や秋も行われるのですが、春に行われる目的は、やはり開放的精神の育成・強化と共同体的精神の育成・強化の準備です。知力と共感力を涵養するということですね。

★かえつ有明では、はやくも中学1年生難関大学進学クラス対象にサイエンス校外授業を実施しています。法政大学国際文化学部小池康郎教授の指導で、法政大学自然科学センター内の実験装置を利用し、実験をしたようです。詳しいことはサイトをごらん頂きたいのですが、「関係性、ルールを推論する力」「自分で予測したことを確かめる力」を活用し、好奇心を誘発する体験となったようです。

【参考サイト】→<かえつ有明の「サイエンス」実験講座>

★三輪田学園では、生徒・保護者向けに、「校長室便り」「進路室便り」が配信されます。4月第1号では、西校長先生はアダムスミスと児童文学作家笹生陽子の作品を「共感(コモンセンス)」という共通キーワードで結びつけて啓蒙しています。三輪田学園は人気も出てきているし、東大をはじめとする大学進学実績もアップさせています。サイト、広報、面談というメディア・ミックスが行き届いています。そしてこのメディアを生徒自身が活用していく過程こそが、生徒の成長そのものなのです。

【参考サイト】→<校長室便り>

★今回この原稿を書くにあたって、学校のサイトをざっと見直しましたが、意外と充実したオリエンテーションの内容を、きちんと発信しているところは少なかったですね。東京女学館や聖セシリアの「自己探求プログラム」はかなり充実しているのに・・・残念です。

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新学年・新学期、中高一貫校はサバイバル・スキルを身につける準備

★新学期・新学年になって一ヶ月が立ちました。この一ヶ月は、どの私立中高一貫校も独自のオリエンテーションをやっていますね。基本的には自分を見つめ、自分が他者との親密な関係を広げられるサバイバル・スキルを身につけたり、強化したりする時期として活用されています。

★多くの学校でその様子をサイトで公開しているのでご覧下さい。特に白梅学園清修はまだ新設して二年目で、1人ひとりの個性を伸ばすと同時に、学校のアイデンティティを一期生と二期生といかに協力し合っていくかその過程をプログラム化しています。生徒の成長の過程、学校の進化の過程がよくわかります。

【参考サイト①】→<白梅学園清修オリエンテーション1><2><3><4><5><6>

★宝仙理数インターは、今春新設したばかりですから、1人ひとりのタレントを伸ばしながら、国際貢献できる精神を形づくるための自己実現プログラムが毎日行われていますが、これも克明にサイトに綴られています。

【参考サイト②】→<宝仙理数インターPublic Infomation>

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2007年5月 5日 (土)

21世紀だから女子教育~小野学園女子からのメール(1)

Netty LandのHot News「小野学園女子の新戦略」を書きました。新設のQARoomに関して独断と偏見、勝手気ままに書いたので、小野学園女子の教頭長谷良一先生から丁寧な学校側の本来の意図についてメールを頂きました。

★メールの中身は言うまでもなく、さすがだなと思ったことがもう1つ別にあります。それは「RSSリーダーを定期的に見ています」という表現です。最近ではモバイルやE-メールで、親密なコミュニケーションがリアルタイムにできるようになっています。共通体験や共通の言葉がなくなったからコミュニケーションが不足しているといわれていた時代とは、実は違う状況になっているのですが、教育現場ではまだまだそれに気がついていないところが多いですね。

★ところが小野学園女子は、そのことに気づいているばかりか、もう少し進んでいるコミュニケーションの時代を見事に把握しています。というのもブログなどの新しいサイトは、リアルタイム以上なのです。モバイルやE-メールは、one to one(最近はマルチですが)で、とにかく直接的な親密圏をつくっています。一方ブログなどは、リアルタイムであると同時に間接的な親密圏を広げていくコミュニケーションのあり方です。

★自分の知らないところで共通体験や共通言語を先取りされているというコミュニケーションですね。自分は知らないけれど相手は知っているというblind selfの窓が広がっているのです。自分も相手も知っているというopen selfの窓を広げていく速度が間に合わなくなっているのです。

★このように、他者の情報にアンテナを張り巡らすだけではなく、自己の情報にもアンテナを張り巡らすことが必要な時代なのです。ミッシェル・フーコの意図から外れているかもしれませんが、「自己への配慮」の時代の到来です。これは20世紀近代社会のように他者を圧倒する男性原理の社会(男子の社会というわけではなく、女子もこの原理に従っていた社会という意味)が、21世紀ポスト近代社会にシフトしていることを表す流れです。

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2007年4月30日 (月)

文武両道の魅力

★「ジュケンの品格」マチコさんが<文武両道への道!?>を連載しています。テンポがよくて、ユーモアもあって、抱腹絶倒するシーンもあります。

★しかし、大事なことを見逃していないメッセージがちゃんと入っていて興味深いです。たとえば、

文武両道への道、まだスタートラインにすらたどりつけませんっ!!

★「文武両道」とは何かというより、息子さんが成長していくにしたがって、この4文字熟語にいろいろな想いや意味がぶらさがっていくのですが、息子さんの成長をハラハラしながら、でも絶対に見守るという母としての当然の覚悟が伝わってきます。

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高学年の時に読ませたい本(5)フィンランドの教科書

高学年の時に読ませたい本(4)のつづきです。 「フィンランド国語教科書小学5年生 日本語翻訳版―フィンランド・メソッド5つの基本が学べる」がお薦めです。

★フィンランド・メソッド5つの基本が学べるというのは、?です。5つのメソッドというのは

①発想力を引き出すカルタ

②論理力をつくる意見と理由、因果関係

③表現力を育てる発表と作文・物語

④批判的思考力を強化する「本当にそうかな?」と疑う

⑤コミュニケーション力を身につける議論

★これを眺めて「スッゴーイ!!」と思う人はいるんでしょうか。でもマスコミでは、そう騒いでいますよね。日経新聞2007年1月14日の記事の切抜きを見て、驚いたことにこんな見出しが載っています。

「学力世界トップ フィンランド 小さな教育大国 受験競争 無縁」

★それから記事の中にはこんなセンテンスも

基本的なカリキュラムは全国共通だが、問題の解き方を教えるのではなく、議論しながら自分の頭で問題を解く方法を考えることを重視する・・・。

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ミッションスクールの読解リテラシー

★昨日、日能研浦安校の保護者会に招かれ、来年の中高一貫校の動向と中高一貫校を卒業するときに生き延びている(伸びている)私学という観点でスピーチをしました。2教室をぶち抜いた会場でしたが満席で、スピーチ終了後、質問する保護者がたくさんいて、たいへん熱心な雰囲気だったのには感動しました。

★それにしても驚いたのは、頌栄と東洋英和、普連土、聖心、恵泉などのミッションスクールの違いについて聞かれたことと、6年生の現段階で、将来工学の道に進むから、工学系に強い学校について情報が欲しいという保護者も多かったということです。武蔵工大、芝浦工大という工業大学付属の話だけではなく、工学という世界がどう変わるのか、そこから推測して工学に強い付属ではない学校についても教えて欲しいと。

★もともと「もの作り」では日本は最高の技術を持っています。今後はそれにさらにグローバリゼーションに通用するクリエイティヴィティを有した人材が必要になってきます。クリエイティブ・クラスの台頭なのですが、そういう流れに対するアンテナが高い保護者の存在に感服しました。

★またこの話と一見関係ないようですが、ミッションスクールどうしの差異についての関心も実は同じことがいえるのですね。キリスト教学校の場合、どこも同じではないか、違いはそこにいる教師によって変わるのだろうぐらいしか感じないのが普通なのですが、説明会に行って、同じキリスト教でも微妙に何かが違うと感じるというのです。これはグローバリゼーションと創造性を培う自由に関する価値観あるいはものの見方の違いがあるのです。保護者は鋭い感覚を持っているということです。

★私学は変わらないところと変わる部分があります。キリスト教学校は、変わらない部分は共通ですが、変わる部分はそこが独自性になるのです。

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2007年4月28日 (土)

建築から学校を探す

★NTS教育研究所の北一成氏が、「ヴォーリズ建築が私学にくれたもの」という記事を書いています。北氏が主宰する「私学独自の環境が生む“教育の質”とは?」と題した講演会にエールを贈った私の前回の記事「新しい視点で学校を探そう」と共通した視点で書かれているので、興味深く読みました。

★今なぜ「ヴォーリズ」か。公立中高一貫校が生まれてから、中高一貫校や小中一貫校などの学校選択の視点が要求されている昨今だからです。日本で名の知れた20世紀世界の三大建築家といえば、ル・コルビジェ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエなどでしょうか。建築家というより彫刻家のイサム・ノグチも彼らの影響を受けていますが、イサム・ノグチの影響を受けた建築家谷口吉生はニューヨーク近代美術館(MoMA)のリニューアルの設計に選ばれています。谷口吉生は丹下健三事務所出身ですから、当然三大建築家の影響を純粋に受けているはずです。

★いったいこれがなぜ学校選択と関係があるのか?大ありなんですね。三大建築家は、住宅やミュージアム、学校、教会を設計するだけではなく、都市デザインも手がけているんですが、建築という領域を超えて、「教育思想」「現代思想」に大きな影響を与えているのです。

★三大建築家の構造デザインに対する発想は、精神の構造があって物質的な構造物ができるというものです。ですから、カリキュラムやプログラムのデザインは、得意中の得意だったわけです。

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2007年4月27日 (金)

新しい視点で学校を探そう

★今小学校2年生のお子さんが、中学受験をして中高一貫校を卒業するのは、2017年。10年経ったら、それぞれの私立中高一貫校の教育力の差異は、今とは違う状況になっているでしょう。

★1986年頃の鴎友学園女子や洗足学園と10年経ったころの鴎友学園女子、洗足学園は偏差値も大学進学実績もリベラルアーツの充実度もガラッと変わっています。そしてさらに10年経った今日の鴎友学園女子と洗足学園は、誰もが認める良質の学校です。

Photo_7 ★同じように2017年には、<教育の質が充実>という意味で、大きな飛躍をする学校が生まれるはずです。

★果たしてそのような私立中高一貫校はどこなのか、その可能性を見つけようとする新視点で、保護者会が、5月12日開催されます。連休明けに未来の新しい教育を創る学校を探しにでかけるのはいかがでしょうか。

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2007年4月26日 (木)

高学年の時に読ませたい本(4)

高学年の時に読ませたい本(3)のつづきです。共立女子の先生方の日頃の教育活動の成果である「Kyoritsu研究報告31号」を拝読。その中に、国語の先生方が分析・検証している「『第三班 読書ノート』18年度実践報告」があります。

★生徒たちは読書の後に、自分の気づきを300字~400字ほどで「読書ノート」に書き込むそうですが、生徒たちが選んだ本の傾向やその選択基準について丁寧にアンケートの結果分析をしています。このような研究は、1人ひとりの生徒たちの感じ方や考え方を教師が共有できるので、成長のサポートに大いに役立つでしょう。

★さて、読む本の選択基準について、おもしろい結果が載っています。「教科書・本・インターネットの紹介」というのはグンと少なく、やはり「友達にすすめられた作品」、「先生方の手作りの『読書のすゝめ』の紹介を見て」「教室書棚を見て」というのが、徐々に増えているようです。

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教育再生会議の新提言「親学」

★毎日新聞(2007年4月26日)は一面に、「<教育再生会議>親向けに『親学』提言 母乳、芸術鑑賞など」と記事が掲載された。「『親学』は、親も子育て学習をする必要がある、との認識から」教育再生会議の「一部の保守系有識者が提唱している考え方」のようです。

★山谷えり子首相補佐官や池田守男座長代理らが「脳科学では5歳くらいまでに幼児期の原型ができあがる。9歳から14歳くらいに人間としての基礎ができる」と指摘し、11項目の提言ポイントをまとめました。

◇「親学」提言のポイント
(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める 

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2007年4月22日 (日)

高学年の時に読ませたい本(3)

高学年の時に読ませたい本(2)のつづき。私立中高一貫校の教育について、自分の青春時代の体験をきっかけに論じる学者が増えました。また、あさのあつこさんの仲間たちも(体験なのかフィクションなのかわかりませんが)、中学受験を巡るリアルな出来事をトリガーに物語を展開しています。青春時代へのノスタルジックな思いと現在の中高生の感じ方考え方のあまりの差異に動揺している表現がおもしろいですね。

★宮台真司さんは、1959年生まれ。麻布から東大に進み、今は有名な社会学者。若手社会学者の憧れ的な存在。もちろん、祭り上げる人もいれば、良き論敵として憧れる人もいます。最近、社会学者の仲間達と「幸福論 <共生>の不可能と不可避について」(NHKブックス2007年3月)という本を発刊。その中で自分が四谷大塚に通ったのは6年になってからで、「地頭」がよければ、ガツガツやらなくても麻布や東大は入る時代だったと回想。この「地頭」とは、勉強プラスアルファーの部分、あるいは「人間力」、あるいは目に見えるものの背景にある目に見えないものへのアプローチができる能力とかいうことでしょうか。

★わりと保守的なというかコモンセンスなんで、宮台さんに憧れる若き思想家たちが戸惑い始めています。

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2007年4月21日 (土)

高学年の時に読ませたい本(2)

高学年の時に読ませたい本(1)のつづきです。そこで「高学年の時に読ませたい本、それは中学受験によくでる本や作家の作品というわけにはいかない・・・。5年生あるいは6年生になったら、読書をする時間が実はないからです。」と書きました。

★その理由は中学受験を前提にした場合、たっぷり読書の時間をとれないからというのもあるからですが、読解力を身につける作業と読書は基本的に同じにしたくないという気持ちがあるからです。読解力は基本的には文章の表層ですね。深層にはあえて到らないのですが、読書は深層に突き進むわけです。

★深層も何層にもなりますね。従来の教養主義は、深層といっても第一層ぐらいです。麻布の氷上校長が宣言している新教養主義は、もっと深い層のことを言っていると思います。友達どうし、恋人どうし、どうやって理解し合うのでしょうか。他人の気持ちなどどうして了解できるのでしょうか。読解力で了解できれば苦労はしないわけですね。そこは年季がいる・・・。が、気持ちを説明する読解問題は、テスト問題で出題される。

★かつて日本女子大附属の国語で、「わたしはそのときの気持ちはわからなかった」というところに線が引いてあって、主人公「わたし」の気持ちを説明しなさいという問題が出題された。これはおもしろくて、生徒たちと大いに議論になったのを覚えています。嘘つきのパラドックスの話をしたり、言語が矛盾を一見抱える瞬間があることを語り合えた生徒たち。彼らは駒東や麻布、筑駒にやはり進学していきましたね。

★筑駒で母親がテーマの詩が出題されたときがあったんですが、どうしてこの母親が女性だという保証があるのか、もしかしたら本当は男性かもしれないではないかなんて議論をふっかけられて、それは読解力ではなく、読書の楽しみだなあと。で、筑駒受験の時には、そういう視点を貫くのかと聞いたら、それはそれで別ですと。

★生徒たちはテストと授業を分けられるんだと思いました。つまり読解力と読書を。

★とにかく、一般に読解リテラシーというのは表層でなければ困ります。新聞を読んで、眼光紙背に徹すなんて覚悟で読んでいたら、毎日が苦悶の連続でしょう(笑)。

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2007年4月20日 (金)

高学年の時に読ませたい本(1)

★高学年の時に読ませたい本、それは中学受験によくでる本や作家の作品というわけにはいかない・・・。5年生あるいは6年生になったら、読書をする時間が実はないからです。

★とはいえ、本が好きな子どもたちは、時間の合間を縫って読んでいます。麻布の説明会に参加したとき、父親と2人できていた受験生が、私の前の席に座っていたのですが、説明会を真剣に聞いて、ときどき息子に、「いい学校だな、やっぱり」と声をかけているのは父親でした。

★しかし、麻布の先生の静かだけれど、ときどき破格にもおもしろいことを放つその瞬間、その受験生は顔をあげるのです。まさに読書の極意をつかんでいるなあと感じました。本はおもしろいから読むのですから。おもしろいの原点は、「ウム、ナンダ」「ナルホドネ」「アっ!」「へええええ」」という感覚。

★この感覚は、本を読んでいるときだけではないですよね。人の話を聞いているときにも、音楽を聴いているときにも、スポーツをしているときにも生まれます。茂木健一郎さんがアハ体験と言いますが、アハ体感とでも言っておきましょうか。このアハ体感をいろいろな場面で感じることができれば、それは読書体験と同じです。

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2007年4月13日 (金)

東大合格者発表の季節(了)

東大合格者発表の季節(10)のつづきです。昨日12日、東大の入学式がありました。小宮山宏総長の平成19年度入学式(学部)総長式辞は、残念ながら、大学院の入学式の式辞に、「常識を疑う確かな力」を養って欲しいというエールを付け加えたもので終わりました。

★この「常識を疑う確かな力」とは何を示唆しているのかというと、小宮山総長のネタはデカルトの「我思うゆえに我あり」と茂木健一郎さんのアハ体験でしたね。要するに「知の構造化」ということだねという回答でした。

★養うためには?という回答としては、①師を敬え!②仲間作りだ!③目先の金のために働くな!でした。要するに「自律分散協調系」ということだねということになるのでしょうか。

★あとは大学院の入学式で述べたとおり、「先頭に立つ勇気」をもって、世界のトップランナーになれと・・・。

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2007年4月12日 (木)

東大合格者発表の季節(10)

東大合格者発表の季節(9)のつづきです。もう合格者発表の季節は終わったのですが、今日が東大の入学式ですから、まだもう少し続くわけです。

★学部の入学式の前(4月5日)に、大学院の入学式がありました。そこで小宮山総長は、当然ながら、お祝いの式辞を述べたわけです。東大という大学に入る入らないは、実はあまり重要なことではないのですが、私立中高一貫校という私学の中等教育の文化を調べている立場としては、文化としての東大が論点なのです。

★実は東大の教育学部は、附属の中等教育学校を持っているのはご存知だと思います。

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2007年4月11日 (水)

低学年の時に本当に読ませたい本(了)

低学年の時に読ませたい本(2)のつづきです。しかし、今回は「本当に」という言葉を挿入しました。

★実は読書というのは、いろいろな目的で読むわけですから、その目的に応じて本を選択すればよいので、これがオススメというのはあるといえばあるし、ないといえばないというのが本当のところです。

★しかし、低学年のときどうしてもこれは読んでおいて欲しいという本があるのです。

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2007年4月10日 (火)

ずっとこさんの麻布の入学式の記事

★ずっとこさんの「麻布の入学式」の記事読みました。中学受験はキビシイ!:中学生の朝 のtakeママさんコメントを読んでの感想が書き込まれていました。

「文化祭実行委員の派手なパフォーマンスに爆笑、管弦楽部の伴奏で校歌で涙。有名校では勉強だけでなくスポーツのレベルも高いというケースはよくあるような気がするいのですが、文化系のレベルも高いんですねたぶん。」

★とさりげなく書いていますが、麻布のリベラルアーツの性格を的確にとらえていますね。さすが「子育てアパ」。

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2007年4月 5日 (木)

東大合格者発表の季節(9)

「東大合格者発表の季節(8)」のつづきです。このシリーズは、3月12日から書いていますが、4月4日現在で、23,466人の方にご覧いただいています。といっても述べですから、実際には10,000人ぐらいの方でしょうか。

★多いのか少ないのかわかりませんが、このブログの他の記事に比較すると多いほうなので、私立中高一貫校を目指している方々の興味と関心はやはりあると考えたほうがよさそうです。

★問題は、この興味と関心の種類です。おそらく多様でしょう。

①どこの学校が東大をたくさんいれているのか。

②東大をたくさんいれる学校の教育力はどのくらいか。

③公立と私立の勢いはどっちがどうなっているのか。

④自分の子が学んでいる学校から東大がどれくらい入っているのか。

⑤どの学校が将来たくさん東大を入れるようになるのか。

⑥母校の最近の様子はどうなっているのか。

⑦「東大」の日本近代化路線で果たした役割は変わるのか。

★もっとあるでしょうが、7つのうちで⑦番目に興味と関心のある人は少ないかもしれません。それで全く構わないのですが、⑦という視点があるということだけ押さえておくことは、子どもたちの学びの環境の変化、保護者の学校選択の内的参照指標の形成に関して結構重要なのです。

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低学年の時に読ませたい本(1)

「低学年の時に読ませたい本」。ちょっとストレートなお題ですが、親が子どもにどうかかわるかという親自身の学びのためには大事なクエスチョンかもしれません。

★この本を読みなさいというのは、おそらくかかわり方としては、今の世の中流行らないのかもしれません。しかし、自分の子どもがどういう本をおもしろいと思うのか思わないのかに興味を持つには、こんな本を読ませたいという「内的参照書籍リスト」を作っておくことは、子どもの成長を見守っていくにはポイントかもしれません。

★それから、高学年になって、学校選択をするときにも役に立ちます。国語の中学入試で、どういう文章を選択しているかによって、その学校の先生の授業の質が見えてくるからですね。

★たとえば、湘南白百合の先生などは、今の子どもたちがどういう本を読んでいるのかということについて、生徒たちと話し合ったり、そっと見守りながら、子どもたちの好奇心・関心・悩みなどを十分に了解した上で、出題する文章を選択するそうです。子どもたちが読んで感動できないただ難しいだけの文章を出題しても、文章が壁になって、どんなによい問いかけも考えられないで終わってしまうからでしょう。文章は子どもたちの目線にセットして、問いかけベースで、思考力・表現力を見ていかなければ、1人ひとりのタレントを見出せないということだと思います。

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2007年4月 2日 (月)

国際交流体験を論理と発想につなぐ~麻布に学ぶ(4)

国際交流体験を論理と発想につなぐ~麻布に学ぶ(3)のつづきです。二週間のフランス体験をした麻布生(高校1年)Fさんのリアルな感じ方について見ていますが、次のFさんの言葉の感覚も鋭いですよ。

「・・・いろいろな友達と話して思ったのは、年齢はあまり関係なく対等に付き合っていることだ。母に、外国では主張しなければついていけない、とよくいわれてきたが、『主張する』というのは。言葉に出すことだけの意味ではなく、」

★「『主張する』というのは。言葉に出すことだけの意味ではなく」と通り一遍の意味で通り過ぎず、捉え返す感覚がスーッと生まれているところがこれもまた麻布のミーム。メタ視点とか複眼視点とでも言えばよいのかもしれませんが、この言語感覚が国際交流というか旅には必要です。

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2007年4月 1日 (日)

国際交流体験を論理と発想につなぐ~麻布に学ぶ(3)

国際交流体験を論理と発想につなぐ~麻布に学ぶ(2)のつづきです。麻布学園国際交流委員会発行の「国際交流」(第11号2007年3月1日)から紹介していますが、今回は二週間のフランス体験をした麻布生(高校1年)Fさんのリアルな感じ方について見ていきたいと思います。

「二週間の間、僕はとても積極的に活動したし、それだけに大切なことを学んだ気がする。帰ってきてからは、まるで文化祭をやり終えて完全燃焼してしまったスタッフのように、二学期の半分をいい加減に過ごしてしまった感じがしている。」

★こういうフレーズから始まるのですが、見逃せないのは、「集中力」ということですね。ここにも旅の奥義があります。集中できる時空が旅の体験の大事な要素です。しかし、それは海外経験をしなくても、麻布の中にそれと同じ構造の時空があるということに、Fさんは気づいているんですね。留学体験も、実は麻布体験と重なるのです。国内外を奔走した江原素六の行動力が、麻布のミームとしてハビトゥスとしてあるのです。

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2007年3月31日 (土)

小川洋子さんの物語論は旅論(2)

★前回の「小川洋子さんの物語論は旅論(1)」で、小川さんにとって、物語を書くことは旅ではないだろうかということを述べておきました。その点に関して、新刊「物語の役割」(ちくまプリマー新書2007年2月)から引用して、考えてみましょう。小川さんが「博士の愛した数式」が生まれるきっかけについて、述べているところです。

「・・・意外だったのは、数学者たちがとても謙虚だということです。たとえば、『三角形の内角の和は180度である。それは人間がそういうふうに仕向けたからでもないし、人間の心が感じるからでもない。人間が生まれる前から、ずうっと世界はそういうふうに作られているんだ。ということは、人間よりももっと偉大な何ものか、サムシング・グレイトによって、三角形の内角の和はどんなに小さな三角形も巨大な三角形も、すべて180度になった。だから数学者は、偉大な何者かが世界のあちらこちらに隠したそういう秘密を、洞窟から宝石を掘り返すようにして見つけ出す、それが仕事だ』といふうに考えているんです。つまりそういう目に見えない何か偉大なものに対する謙虚な気持ち、跪く心を持って、世界の有り様を追求しているのです。・・・以上のような出会いにより、私の数学に対するイメージは根底からくつがえされました。・・・すぐに私は、これは小説の題材になると直感しました。数の世界が、才能豊かな数学者たちが頭を垂れるほどに美しいものであるなら、その美しさを言葉で表現してみたい。というところから作品が生まれてきたわけです。」

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2007年3月29日 (木)

小川洋子さんの物語論は旅論(1)

★小川洋子さんの新刊「物語の役割」(ちくまプリマー新書2007年2月)は、中学入試の国語の素材文の変化について考えるヒントになります。

★しかし、その前に、物語を読んだり、書いたりすることが、これもまた旅であることを示唆する箇所があったので、ご紹介しましょう。

「もし他所の星から来た生物が、本を読んでいる人間を見たらどう思うだろう、と私は想像することがあります。小さな箱型の紙の束を手に、ただじっと座っているだけで、あるいは寝転がっているだけで、時折、一枚紙がめくられる以外変化はなく、ただ静かに時間がすぎてゆく。・・・一体何の得があって人間たちはこんな地味な営みをしているのか?・・・その時人間の心がどれほど劇的に揺さぶられているか、それは目に見えません。効果を数字によって測ることも不可能です。だからこそかけがえがないのだ、自分が自分であるための大切な証明になるのだ、・・・」

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2007年3月28日 (水)

東大合格者発表の季節(8)

★前回の「東大合格者発表の季節(7)」のつづきです。「サンデー毎日2007年4月8日号」で、だいたい東大の前期・後期試験の結果が判明しました。桜蔭とかフェリスとかはまだ不十分だとは思いますが。

★ともあれ、「サンデー毎日」ベースで、首都圏の私立中高一貫校を見てみましょう。3人以上東大合格者を増やした学校を列挙してみましょう。

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東京女子学院の教育改革の旅

東京女子学院には、生徒たちが大きな夢を自ら実現するために、旅のしたくをする教育があります。そしてこの準備教育は、この「○いハートでアタマも○く。」ブログの編集部の問いにも大いに参考になります。

★編集部は子どもの英語教育についてテーマを投げかけましたが、東京女子学院の中学の英語の授業は、全部英語でやりとりをし、日本語を使いません。4年前に大改革を行ったのです。高校の英語の授業では、大学受験勉強に関すること以外は、やはり英語でやりとりをしているそうです。

★そして、当時中3だった生徒たちが今年卒業し、早くも成果を挙げています。2年後の改革1期生のときにはさらに飛躍するでしょう。

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2007年3月26日 (月)

モーツアルトとカントの旅

★昨年2006年は生誕250年ということで、モーツアルトは世界に注目されるほどでした。「のだめカンタービレ」で音大生物語が大ヒットしたこともあって、モーツアルト関連のCDもベストセラーだったらしいですね。

★モーツアルトより32歳年上の偉大な哲学者は、2004年に没後200年でしたから、モーツアルトよりも長生きしています。

★同時代人の2人の旅の仕方はとっても対照的です。モーツアルトはオーストリア、ザルツブルグで生まれ、カトリックの文化の中で、生涯、抵抗と葛藤をつづけながら、生きる糧を求めてウィーン、パリ、ロンドン、プラハ、イタリア各地へと旅、また旅だったようです。

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2007年3月25日 (日)

横浜国際女学院翠陵の受験という旅

横浜国際女学院翠陵の杉田浩司先生から卒業生の受験体験記を見せていただきました。ここのところ、ちょうど「旅」をテーマに書いていましたから、学院の生徒にとって受験がいかに「旅」そのものであるかという切り口で読むことになりました。

旅は道連れ世は情け。やはり旅はパブリックで、その価値を共有できる道だと改めて確信しました。この体験記自身、後輩を励ますメッセージだったからです。

★卒業生のメッセージには、人生の旅というものがどういうものかよく伝わってきます。Aさんのメッセージの幾箇所か引用しながら考えていきましょう。

私は、今から一年前、高校3年生になったばかりの頃には、全く自分の将来が見えていませんでした。これではまずいと思いながらも、一体どうしたらよいのかもわからず、受験生としての自覚など無いままに日々を過ごしていました。段々とあせりが日々大きくなる中で、私は自分の将来について目を逸らそうとさえしていました。

★旅の道はつねに“未知”。不安なんですね。この不安を受け入れるか、目を逸らそうとするかで、未知が開けるかどうかが決まるわけです。

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姜尚中さんの旅の発想

R25№134に「断念のダンディズム 姜尚中」というロングインタビュー記事が載っていました。東大情報学環教授で、テレビでも国際政治のコメンテーターとしてよく出ていますね。「ニッポン・サバイバル」(光文社新書)を発刊したばかりなので、そのことに関連する内容のインタビューのアレンジだったのでしょうが、「サバイバル」というキーワードは、旅の発想に結びつくなあと思って目を通しました。

★姜尚中さんの本について詳しくはないのですが、次のような言葉には共感できました。

「いろいろな納得の仕方があります。最後に拠って立つところは、どう生きるかというより何に価値を見いだすか。もうひとつ僕が最近思うのは、どんなに“私”の世界だけで満足しようとしても、ムリなんじゃないかということ。私以外の世界につながりたい願望がみんなあるんじゃないかしら。・・・」

★旅は道連れ世は情けですね。しかし、それには共通の価値を見いだせなければムリなんでしょう。

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2007年3月24日 (土)

家族旅行は、漂白の旅の準備かも

第7回:子どもと一緒に旅行する? ドコに行く? まとめを読んでみて、ふと思ったのです。家族旅行は、いかに楽しく幸せであっても、やはり瞬間でしかなく、その瞬間の向こうにやはり漂白への不安と期待がいり混じっているなあと。

★結局旅は人生そのもの以外ではなく、道そのもの以外ではないのですね。そこから逃れられないということです。旅行は結局、何かが見えなくなったり、鬱屈したり、窒息しそうになった人生という旅を活性化したいという思いがあるから行うのかもしれません。現実の旅から逃れたいから旅行をするのかもしれません。とりあえず気晴らしをするために、何か新しい発見をして人生の旅を豊かにしたいからかもしれません。

★旅行に行くのはいろいろな理由からでしょうが、結局旅に戻ってきます。

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東大合格者発表の季節(7)

★前回の東大合格者発表の季節(6)のつづきです。インターエデュの情報が塗り代わり、灘の後期試験の合格者7人が加わり、麻布の2位のチャンスは阻まれました。麻布も9人から10人に後期合格者が修正されています。

★麻布に関しては東大合格者ベスト10入りは維持するが、ナンバー1にはならないんだよねという学園当局の欲のなさそのものなのでこれでよいのですが。

★それにしても開成はさらに後期試験で17人合格者を追加し、トータルで189人。基本的には前期試験派で、後期試験は学力バランスが崩れている生徒が合格することに心配を抱く先生が多いのですが、2001年以降の中学入試の改革で、骨太思考力を持った生徒を入学させていることと、文部科学省の考える浅薄な総合学習ではなく、ソシュール的記号論に基づいた総合的な認知構造を形成するプログラムを実践している先生方の一派がいることで、後期試験に対しても強い開成のイメージを新たに作る可能性も見えてきました。

★麻布は言論と哲学とプロテスタント的自由主義に基づいた知性の作り方。聖光学院はカトリック的な自由主義と芸術的哲学に基づいて知性の作り方。それぞれリベラルアーツの構成は違いますね。

★栄光はカトリックの中でもちょっと異彩なというかダイナミックなでもめちゃくちゃ古典的帝国的知性という側面を持っているイエズス会的知性。この知性は欧米的知性に収まりきれない何かがあるのですが、私のような浅学菲才の輩には、とうてい理解することはできません。どなたか教えてくれると幸いです。

2007年3月23日 (金)

東大合格者発表の季節(6)

★前回の東大合格者発表の季節(5)のつづきです。21日、東大の後期試験の発表がありました。週刊誌などでは来週結果が集計掲載されるでしょうから、全く全貌はわかりません。

★しかしインターエデュで、若干ではありますが判明分が公表されています。これによると、麻布と聖光からは、9人ずつ後期試験で合格者がでたことになっています。

★これによって麻布は灘を抜いて2位の可能性がでてきたし、何といっても驚愕なのは、
栄光は3人ということですから、全部で東大合格者は43人。聖光は全部で48人になりますから、この判明分によると、聖光は栄光を抜くことになります。

★浅野の勢いといい、聖光の勢いといい、今後、神奈川の男子校の中学入試における学校選択は大揺れになりますね。

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2007年3月18日 (日)

東大合格者発表の季節(5)

★前回の「東大合格者発表の季節(4)」のつづきです。それにしても東大の合格者発表の季節というのは、やはり日本の教育関連のニュースでは、1つの文化であり、共同幻想がちゃんとできているのには驚きです。

★ 「文化・芸術」というランキングの中で、ここ数日間、この「東大合格者発表の季節」シリーズは上位にランクインしているからです。ブログというのは、共同幻想=ブランドが何かがわかる仕組みにもなっているので、本当に興味深いですね。東大という大学がその質をどんどん良い方向にシフトしていけば、世の中も変わる可能性があるわけです。そんな希望もみえてくるのですから。結局ネットの中で、どれだけの人に受けいれらるかで、共同幻想の中身が変わってくるわけです。

★さて、桜蔭とJGの東大発表があるサイトでは公表されていましたが、それによると両校とも13人減らしたことになります。私のページでは「サンデー毎日」を基準にしているので、東大後期の発表まで待たねばなりませんが、これが本当だとすれば、吉祥女子や鴎友学園女子の今回の伸びは高い評価を受けることになります。

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2007年3月15日 (木)

東大合格者発表の季節(4)

     前回の東大合格者発表の季節(3)つづきです。サンデー毎日(2007年3月25日号)の「前期試験判明分の東大合格者高校別一覧」によると、開成は昨年は121人だったのが、今年は172人合格です。これはまたすごい伸び率です。

     しかし、生田先生―今年の開成の中で先生のクラスから東大合格者が一番輩出されたそうです―によると、今年の卒業生は、学内外の模擬試験などで、例年に比べ特によい結果を出していたわけではないそうです。「ただ、骨太の思考力や書く力があったのは確かですね」ということのようです。

     開成というとS塾やT塾にどっぷりはまっているというイメージが強いですが、コミュニティに参加するぐらいの気持ちで入っている生徒もいて、東大の傾向と対策の受験勉強をしつづけているというのは世間の共同幻想でしょう。

     しかし、そうは言っても、どっぷりはまっている生徒が多くなるのは困るということでした。生田先生は「東大に入るには早いうちから傾向と対策に絞った勉強をやるのは、大事なものをはじめから切り捨てることになるので、進められないのですよね」と語られる。

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2007年3月14日 (水)

東大合格者発表の季節(3)

★前回の「東大合格者発表の季節(2)」のつづき。今度は東大合格者が2人だった首都圏私立中高一貫校をみてみましょう。

城西大付川越・春日部共栄

東邦大東邦・暁星国際

晃華学園・学習院男子

光塩・帝京大学

大妻多摩・湘南白百合

サンデー毎日(2007年3月25日号)の「東大合格者高校別一覧」から

★やはり、ふだんからクリエイティブ・スクール、特にエクセレント・スクールとして紹介している学校がきちんと入っています。湘南白百合については中学から入学する生徒は少ないですから、中高一貫教育という枠内ということを考慮すれば、2人は決して少なくないと思います。

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2007年教務資料を読む(5)~新しい子ども像の表現

★前回の「2007年教務資料を読む(4)~新しい子ども像の表現」のつづきです。今年の「教務資料」によると、あさのあつこ、豊島ミホ、石井睦美、草野たき、梨屋アリエという新しいグループを感じさせる作家の作品がたくさん国語の入試問題の素材文として使われたし、実際、聖光学院、湘南白百合、駒場東邦、学習院女子、東京女学館などでも使われたのだから、何かあるのでは?だから調べてみようということでした。

★、NTS教育研究所の岡部憲治さんのコラム「多様性がうむ 新たな傾向 -2007年 中学入試素材文に視る-」によれば、

ピュアフル文庫から発売された『ピュアフル・アンソロジー 卒業。』は著者:豊島ミホ、大島真寿美、梨屋アリエ、草野たき、藤堂絆、前川麻子、若竹七海となっている。豊島ミホさん、草野たきさん、梨屋アリエさんと3人の作品は中学入試の素材文として最近、よく出題されているのを考えればなんとも豪華な集いだ。

★となれば、ピュアフル文庫を発刊しているJIVE株式会社にヒアリングしに行って、児童文学の新たな潮流について尋ねてみよう!ということで、連絡をすると、ピュアフル文庫の編集長根本篤さんが快く応じてくれました。

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2007年3月13日 (火)

東大合格者発表の季節(2)

★前回の「東大合格者発表の季節」のつづきです。サンデー毎日(2007年3月25日号)の「東大合格者高校別一覧」を見ると、一般にはベスト30位ぐらいまでしか見ないかもしれませんが、3000人強しか東大に進めなのですから、1人合格者を出すことはたいへんなことです。

★ですからそこを注目してみたいですね。そしてそこにはこれから進学実績が伸びる、良質教育を実施している学校が並んでいる場合が多いですね。いくつかの学校を挙げてみましょう。

昭和学院秀英・大妻・三輪田

頌栄女子・足立学園・品川女子学院

目黒星美・佼成学園・聖徳学園

多摩大聖ヶ丘・立教池袋・山手学院

洗足学園・清泉女学院・神奈川大付・近畿大付豊岡

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2007年教務資料を読む(4)~新しい子ども像の表現

★前回の「2007年教務資料を読む(3)~新しい子ども像の表現」つづきです。過去の教務資料と比べてみて、やはり国語の中学入試で取り扱われている素材文の作家のランキングが変わっているのを確認しました。

★やはり気になるので、NTS教育研究所の岡部憲治さんとああでもないこうでもないと話し合っているうちに、あさのあつこ、豊島ミホ、石井睦美、草野たき、梨屋アリエといった1つのグループを感じさせる作家について、岡部さんも調べ、コラム「多様性がうむ 新たな傾向 -2007年 中学入試素材文に視る-」を書いています。

そのコラムによると、

「これは今までの既存のカテゴリーとは少しちがう。中学入試という切り口で考えると、出題する側の先生達の年齢、嗜好と出題対象となる生徒の年齢、求められる生徒像のエッセンスをふんだんに含んでいる可能性もある。

また、ピュアフル文庫を出しているジャイブといえば、現在、ポプラ社の傘下でありつつも文庫本だけでなく、マンガやゲーム関連の雑誌・小説などメディアミックスはお手のもの。今の時代を反映した複合的な表現手法を用いて様々な層に"一つのコンテンツ"を提供している。

総じて、今までの"国語"の出題文(素材文)とは背景の違うメディアミックスの可能性を多分にもっている作品、すなわち様々な表現手法で解釈されうる素材が求められているのかもしれない(これだけ様々なメディアがあふれている時代だから当然か)。」

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2007年3月12日 (月)

東大合格者発表の季節

★サンデー毎日(2007年3月25日号)によると、今年の前期東大合格者数ナンバー1は、やはり開成。ただし、昨年121人、今年172人という51人増の大巻き返しです。

★昨年は公立復権が叫ばれましたが、すべて判明していないというものの、今年は、私立中高一貫校の巻き返しということになるでしょう。中でも浅野はすごい。昨年10人だったのが、今年は37人。栄光が40人、聖光が39人。現役合格者は浅野は24人、栄光26人、聖光25人だから、この神奈川の3校は全くの互角といえます。

★2月に実施した日能研のプレ志望校調査によると、浅野の人気はすでにダントツですが、これをきっかけに、ますます注目されるでしょう。

★それにしても、こうなってくるとおもしろいですね。大学進学実績で互角になれば、何を基準にして学校を選択するのでしょう。

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2007年3月11日 (日)

国際交流体験を論理と発想につなぐ~麻布に学ぶ(2)

★ 「国際交流体験を論理と発想につなぐ~麻布に学ぶ(1)」のつづき。麻布学園国際交流委員会発行の「国際交流」(第11号2007年3月1日)から紹介していきましょう。

★麻布の国際交流の経験には様々なタイプがあるそうです。

①保護者の転勤などに伴う海外滞在の経験。

②学外の機関が主催した国際交流活動に参加する経験。

③部活など、興味のある活動を通した独自の国際交流の経験。

④授業を通した国際交流の経験。

⑤イギリスのウィンチェスター校への留学経験。

★これ以外にも、外部の機関を利用して、独自に留学する生徒もいるようです。

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2007年3月10日 (土)

2007年教務資料を読む(3)~新しい子ども像の表現

前回の「2007年教務資料を読む(2)」で今年の国語の中学入試で出題された素材文章の作者の出る順を見てみました。そのとき養老孟司さんと茂木健一郎さんについて話を絞ったので、リストを一部省略して載せました。

★しかし、あとからじっくり見ると、あることに気づきました。それは小説の作者ががらりと変わって、新しい作家がランクインしているということです。少年少女が登場人物になっていて、受験生にとっては同じ目線で物語の世界に入り込めるという点ではなんら変化がないのですが、子ども像を描く表現が今までと全く違うのです。これについては、今調査中です。「名門高校人脈」(光文社)の作者で、昨年「読売ウイークリー」で「最高の授業」を取材連載してきた鈴木隆祐さんNTS教育研究所の岡部憲治さん(両人は子どもの最新の文化に詳しいんですね)と静かに大騒ぎしています。

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2007年3月 8日 (木)

ミクロとマクロの両方をイメージさせる聖徳学園の理科

入試問題に見る聖徳学園の教育の質で一部紹介した理科の問題について、全ての小問を知りたいというご要望がありましたので、ここで紹介します。

■もし地球の自転方向が現在と逆(東京から日本海側へ回転)であったならば、日本でどのような変化が起こると予想されますか。次の(1)~(5)について答えなさい。

(1)日本の気候がどのように変化すると考えられますか。

(2)太陽、月、星の動きがどのように変化すると考えられますか。

(3)日本とアメリカの飛行所要時間がどのようになると考えられますか。

(4)日本で、風呂おけの栓をぬいて、水を流したときに、生じる水流のうずが時計回り、反時計回りのいずれになると考えられますか。

(5)黒潮(日本海流)の移動方向がどのようになると考えられますか。

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2007年3月 7日 (水)

<回答>子供の英語教育って必要?

「子供の英語教育って必要?」に回答してみますね。ここで言う子供というのは小学生ということだと思いますが、結論から先に言って、これからの子供たちは、生活の中で英語が必要になってくるので、必要なのです。

★2002年に、日本赤十字社東京都支部は「日独青少年指導者セミナー」を開催しました。日独の青年指導者が共に未来のリーダー育成を図るための交流ですね。縁あって、私もそこに参加しましたが、やりとりはみな英語です。私自身は英語は苦手ですから、いつも外国の人たちにサポートしてもらいながら対話をするのですね。すでに1989年にベルリンの壁が崩れていましたから、東西ドイツ両方の出身者が来ていました。文化や価値観の違いなど語り合うテーマは山ほどあり、大いに盛り上がっていたのを思い出しますが、ドイツ語でも日本語でもなく、英語でみな盛り上がっていたのはそのときはなんとなく不思議に思っていました。

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2007年3月 6日 (火)

首都圏中学入試白書の1つの活用法(2)

★前回の「首都圏中学入試白書の1つの活用法」の中で、「・・・横浜雙葉は、かなり易しかったというイメージになります。この変動は、偏差値レンジ5刻みの変動に近い動きですから、学校選択者の何らかの明確な動きがあったのかもしれません。たとえば、大学進学実績を第一と考えない教育の質重視の学校選択者は残り、もっと大学進学実績を意識している層がほかに動いたとかいうことなどなど・・・。実態はわかりませんが、少し調べてみる必要があるかもしれませんね。」と述べました。

★この点に関して、実情と違うのではないかと指摘されました。現場では相当きつかったという実感をもっているということです。

★この指摘は重要です。合格者の偏差値の幅だけで考えるのではなく、合格者の偏差値の分布も検討する必要があるからです。

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2007年3月 5日 (月)

2007年教務資料を読む(2)

★「2007年教務資料」の「出題頻度順ランキング」の章の国語では「作者ランキング」が掲載されています。

1重松清

2森絵都

3小川洋子

4あさのあつこ

4高槻成紀

4日高敏隆

7佐倉統・古田ゆかり

7杉みき子

7豊島ミホ

7茂木健一郎

7野村潤一郎

・・・

12養老孟司

★おっと、脳科学の分野に異変ありですね。脳といえば養老孟司さんだったのが、今年は茂木健一郎さんが養老孟司さんより採用されています。確かに雑誌やテレビで売れてますからね。

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2007年3月 4日 (日)

2007年教務資料を読む(1)

「日能研 合格オン・ザ・ロード2007」に参加すると「2007年教務資料 入試問題出題傾向・入試問題紹介」という情報が手に入ります。これは低学年でも受験生でも大いに役立つ情報です。

★たとえば、「全体傾向」の章では、分野と難度の相関グラフ、分野と運用力の相関グラフが掲載されています。大事なのは後者。前者は「出題頻度順ランキング」の総論ですから、そちらの方に譲って、今回は後者のグラフを読むことにしましょう。

★運用力は4つの力にカテゴリー分けされています。

調査力・・・調べたり数えたりする時に使う力

整理力・・・整理したり筋道を立てて考えたりする時に使う力

推理力・・・想像したり推測したりする時に使う力

表現力・・・文章を書いたり図に表したりする時に使う力

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首都圏中学入試白書の1つの活用法

★毎年「日能研 合格オン・ザ・ロード」に行くと、必ず「首都圏中学入試白書」が手に入ります。今年5年生の保護者の方は、ぜひ手に入れて保存しておいてください。来年大いに役立つはずです。つまり、来年「2008年首都圏中学入試白書」を手に入れ比較すると、自分の選択する学校のある傾向がはっきり見えるのです。

★もっとも、すべての学校データが載っているわけではありませんから、第一志望校の傾向ということになるでしょうが、この時期はそのぐらいで十分な情報整理ができるはずです。

★ここでは、「白書」に載っている「偏差値分布」を使って、学校選択の傾向などを見てみましょう。

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2008年中学入試へ始動

★3月2日中野ゼロホールで「日能研 合格オン・ザ・ロード」が開催。2007年の中学入試を振り返り、2008年に向けて準備を開始する活動が始まりました。この後も横浜や埼玉、千葉、もちろん東京でもこのイベントは続きます。

★また「Web情報コラムVol.1324」 によると、はやくも学校説明会や合同説明会が始動しています。

①【女子校アンサンブル】

日時:2007年4月29日(祝・日) 10:00~16:00場所:学習院大学(西5号館)

参加校:○跡見学園○学習院女子○恵泉女学園○香蘭女学校○実践女子学園○東京女学館○東洋英和女学院○三輪田学園○山脇学園

②【体育祭】

●逗子開成中学校 4月29日(祝・日)

●芝中学校 5月1日(火) [豊島園・最寄駅:豊島園]

③【オープンスクール】

○大妻中学校 4月28日(土)14:00~

④【学校紹介と施設見学会】

○横浜共立学園中学校

(1) 5月12日 (2) 6月16日 (3) 6月23日(4) 7月7日 (5) 7月14日いずれも土曜日で予約必要。※4月2日(月)~4月11日(水)(郵送必着)

★さて、「合格オン・ザ・ロード」で配布された資料「首都圏中学入試白書2007」によると、今春の首都圏中学受験生は、58,000人。

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2007年3月 1日 (木)

国際交流体験を論理と発想につなぐ~麻布に学ぶ(1)

★多くの私立中高一貫校で、国際交流や国際理解教育というプログラムが実施されていますが、麻布ほど知的好奇心ベースの国際交流プログラムを実施しているところはないかもしれません。

★本当に広く深く展開されているのです。なぜこのように発展していくのかというと、研究熱心な先生方が作る麻布としての国際交流と生徒自身の独自の探究心から生まれる国際交流の2つがDNAのように螺旋構造を作っているからです。

★しかも国際交流を義務感に駆られてやるようにしむけない寛容さがあることなのです。ここが深いですね。

★麻布の国際交流の根本は、コミュニケーションです。そして麻布の場合、それは互いに刺激しあって、新たなイメージや概念を創っていくという意味です。それには寛容さがポイントになります。国際交流を実際に行う生徒とそうでない生徒を寛容さがつなぐというのが本物の国際感覚です。

★麻布の国際交流には、中等教育の学びを超えて、日本人がいかに国際人になれるのかその可能性のヒントが見え隠れします。江戸から明治に移行するとき、世界的視野で新しい日本のかたちを創るために奔走した江原素六が創立した麻布学園。その使命もまたそこには横たわっています。しばらく麻布学園の国際交流に学んでみましょう。

2007年2月26日 (月)

世界標準の中学入試

OECD/PISA(国際学習到達度調査)の読解リテラシーの調査のための問題は、有元秀文さん(国立教育政策研究所 総括研究員)によると、「読んだことについて『自分の意見を表現する』ことが求められるが、日本の(公立で勉強する)読解問題は選択式が多く、記述式があっても『自分の意見』を問われることは少ない」ということのようです。

★しかし、中学入試では「自分の意見」を問われることはしばしばです。たとえば今年の東京女子学園の国語(1回目)の入試問題。

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2007年2月25日 (日)

体験がキャリア・デザインにつながる横浜国際女学院翠陵に学ぶ

「横浜国際女学院翠陵」の6年間の国際交流プログラムは、各学年準備されていて、たいへん多くの体験ができます。最終的にはアメリカ・ワシントンDCで開催されるワールドリーダーズサミット(WLS)で、40カ国以上の高校生たちと将来の協力関係や信頼関係を築く政策論議までする生徒が輩出されます。

★どの大学に進学するかというより、国際社会で貢献したいという意志を持って、広い視野で一生懸命学んでいる生徒が多いという感じを受けます。そこで、国際交流を大いに楽しみ、世界の問題について考える生徒たちの状況について、学校の先生に聞いてみました。

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2007年2月23日 (金)

バレエ スタジオを開設する聖セシリア

聖セシリアは、2009年に80周年を迎えます。その記念事業の一環として「聖セシリア バレエ スタジオ」を開校することになったようです。

★同学園の人気は毎年上昇しています。大学進学実績が上がっているのも人気の理由の1つですが、それよりもなによりも、人間関係を形成し自己を成長させるプログラムや芸術プログラムの充実が本当の理由でしょう。

★そしていよいよ、身体、知性、感性、美術、音楽、デザイン、物語、プロデュースなど技術と才能と共感性の総合教育の場を創りだそうとしています。塾に行かなくても、6年間で大学進学がうまくいくようにしますという学校はたくさんありますが、「井上バレエ団」のような一流の集団と協力し合って、本格的に心身の柔軟性と創造性を育てる体験ができる学校はそう多くはありません。

★子どもたちにどういう体験をさせるかを考えると同時に、その体験を持続可能にするシステムがどこにあるのかを調べる準備をしておく時代がやってきたのかもしれません。

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2007年2月22日 (木)

塾選択の指標

★ 「12歳のためのクリエイティブ・スクール探しの12の指標」は、学校選択の情報を収集するときの大きなヒントになります。大学進学実績、偏差値という量的指標と教育のクオリティという質的指標の簡単なミックス・インデックスで、保護者や受験生が学校選択を自己決定する際のヒントになるでしょう。指標というのは自分なりの基準でよいのですが、基準になるためには、多角的な切り口で確かな基準にしておく必要があります。もちろん、どこまでも仮説ですから、人生とはそううまくはいかないし、悲喜こもごもなのですが。

★いずれにしても、仮説を証明し、より成功の確率を上げるには、定量的な情報、定性的な(学校のヒアリング情報・口コミ情報など)情報が必要ですね。質的な研究はマーケティング部門でもおそらくそんなに古くはなく、パソコンの普及、インターネットの普及にともなっていると思います。学校選択情報の質的な情報が本格的に必要となるのはやはり1989年ベルリンの壁崩壊後ですね。

★さて、本題の「塾選択の指標」に話を進めましょう。

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2007年2月19日 (月)

入試問題にその学校の品性があらわれる~聖園女学院の場合

★今年の「聖園女学院」の中学応募者数の多さには、目を見張るものがありました。多くの学校選択者が同女学院の教育の質を認めたから集まったわけですが、その質の特徴とは何なのでしょうか。

★様々な角度から聖園女学院の魅力については、書いてきました。まだまだ書き足りないのですが、さしあたり聖園女学院の教育の考え方」 「聖園女学院の美術」を参照していただければ幸いです。

★今回は、国語の入試問題に同女学院の品性がいかにあふれているかという点についてお話しましょう。

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2007年2月17日 (土)

<回答>中学受験ってどうなの!?(10・了)

★いよいよファイナルです。学校選択のためのプランニングのポイント⑧・⑨・⑩に進みましょう。

⑧身体と精神のセルフ・マネジメント

⑨通学経路の自己点検

⑩試験前の必要な道具の自己点検。

★細かい技術的なこととのように思えるかもしれませんが、すべては他者や物と関係する自己への配慮です。この自己への配慮がなされることによって、いざというときに自分の力をアウトプットできる準備とパワーの蓄積が可能なのです。

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<回答>中学受験ってどうなの!?(9)

★学校選択のためのプランニングのポイント⑦に進みましょう。

⑦後悔しない併願作戦を立てる。

★今年の中学入試を振り返ってみて、これは極めて重要です。受験のチャンスが複数回ある学校の場合、すべて受験すれば合格するような錯覚におちいるケースが多かったように思います。

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<回答>中学受験ってどうなの!?(8)

★学校選択のためのプランニングのポイント⑥に進みましょう。

⑥志望者たちと自分の学力を比較し、さらに学習戦略を練り、実行、振り返り、戦略の再構築という学習サイクルを強化していく。

★6年生になったら、志望校の入試問題の分析だけではなく、同じ学校を志望している自分以外の生徒たちの学力状況を把握する必要があります。前回述べた、思考のプロセスのタイプ(知識型・分析型・構造型・創造型)のどの部分に力点がおかれて出題されるのかを分析し、その力点を置かれている部分について、自分と他の受験生の学力のGAPを認識する必要があります。

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宝仙学園理数インターが入試問題を変える!

★2月7日、「宝仙学園中学理数インター」が画期的な「算数特別入試」を実施しました。同校の柴田先生は「受験生の皆さんの中学受験最後の思い出として最高峰で、かつ面白い問題に取り組んでもらいたいと考えています。」と語っていましたが、問題を拝見してその野心に驚きました。

★どうやら算数オリンピックの考え方に基づいて創られているようで、創造的才能発掘型のテストでした。算数オリンピックの考え方とは、「子供たちは誰もが、すばらしい可 能性に満ちあふれています。それを引き出すためにもっとも大切なことは結果では なく挑戦する勇気です。算数オリンピックは子供たちにゲームやスポーツに挑戦する 気持ちでのびのびと『算数』を楽しんでもらいます。それによって21世紀を担う新たな才能の発現の場となることを目的に毎年開催いたします。 」というもの。

★中学受験は思考力をものすごく大事にしていますが、今回の同理数インターのチャレンジは、思考力×発想力(直観力)のシナジーを生み出す問題作成でした。1つ紹介すると、

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<回答>中学受験ってどうなの!?(7)

★学校選択のためのプランニングのポイント④⑤に進みましょう。

④合格するために、どういう学習をしていけばよいのかプランを立てる。

⑤自分なりの学習プランを立て、再び振り返る。

★学校選択は、学校の教育の質だけではなく、学校の顔である入試問題の分析も必要です。入試問題の分析は、どの分野がでるのかという分析は本格的には6年からでよく、どういう思考のプロセスを要求してくるのかという分析が最優先です。

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2007年2月16日 (金)

<回答>小学生時代、どんな経験をさせたい?

「小学生時代、どんな経験をさせたい?」という問いの回答は、「晴耕雨読」ですね。もちろん広い意味なんですが。

★晴れた日は、いろいろな経験をするのがよいですね。自然や社会と戯れる、外からの刺激を内面のパワーにする経験。まだ雪がつもっている山の清流を、全身すっぽり入ってしまう長靴を身につけて、ひたすら上流までヤマメ釣りを今は亡き父親とした経験は強烈でしたよ。

★熊が出てきたら、この笛を吹けば大丈夫だと言われて、それを信じて川の中を歩きまくりました。今考えると無謀ではなかったかと思いますが。とにかく、夢中だったし、こわかったし、でもわくわくしていた記憶が鮮明に残っています。

★森の中に包まれて、目の前のことしか分からない自然の奥深さの怖さと好奇心。ふだんは野球少年で、友達と喜怒哀楽の日々。それが森の中を歩いているときは、本当に孤独なんですね。でも奮い立たせないとヤバいんです。笛は熊よりも、父親とはぐれたときのためにあったのかもしれません。父親はでもそれは言わなかったですね。過保護が嫌いな親だったけれど、めちゃくちゃ過保護でした。その時はわからなかったですけどね。

★私にとって、孤独は人間社会の中にあるのではなく、自然の中にあったし、今もそうです。小学校6年生のときよく小さい弟を自転車に乗せて、釧路の海に沈む夕日を見に行きました。目の前に広がるのは広大な海だけです。そこに大きな太陽があっというまに沈んでいく。これ以上の壮大なシーンはなかったように思います。冬は海は一面流氷で埋め尽くされます。それでも日はまた沈むのです。その瞬間の空の色の変貌は、恐ろしいぐらい熱いんですね。

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2007年2月12日 (月)

帰国生入試で学校選択を考える

★今年の中学受験のキーワードはおそらく「学校選択」です。大学進学実績や偏差値は、もちろん、選択の一つの指標としてこれからでも健在ですが、選択指標は多角的になっていることも確かです。

12歳のための「クリエイティブ・スクール探しの12の指標」などは参考になるでしょう。しかし、もう1つ大事な選択の視点があります。それは帰国生入試です。

★ほとんどの受験生が帰国生ではないので、この点を見逃しがちですが、帰国生をどのように受け入れるかで、その学校がどれくらいTalent(才能)、 Technology(技術) 、Tolerance(寛容)という3Tの度合いを有しているかがわかります。考え方や価値観、生活文化が違う生徒が、心地良く6年間を過ごせる学校であれば、それは国内受験生にとっても同様だからです。この学校雰囲の気良し悪しは、帰国生がたくさんいなければ気づかないものです。(参照→帰国生が望む学校

★帰国生を柔軟に受け入れ、一般クラスの生徒との親密な交流を通じて学校雰囲気を高め、創造的で快活な学校作りに成功した男子校といえば攻玉社です。(参照→時代の動乱期にビジョンを示す攻玉社

★多くの帰国生を一般クラスの中に溶け込ませ、帰国生クラスを作らないで、成功している懐の深い女子校は共立女子です。

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2007年2月11日 (日)

男子御三家の入試問題の魅力(8)

★前回の続きです。今年の開成の社会の最終問題。実に興味深いので、一部紹介します。

次の(1)~(4)の説明にあてはまる国名を、次のア~エからそれぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。

(1)この国で生活する日本人の多くは、会社の仕事のために滞在する人です。

・・・

(3)この国で生活する日本人のおよそ半数は、外交官など政府関係の仕事のために滞在している人です。

・・・

ア アメリカ イ 中国 ウ ブラジル エ ブルガリア

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男子御三家の入試問題の魅力(7)

前回の続きです。開成の今年の入試問題の中に、小学生が調べてレポートを書いたという設定のものがあります。その中の1つを見てみましょう。

カネボウのホームページを見てみると、現在、お菓子やアイス、健康食品を扱っているカネボウという会社は、もともとは明治時代につくられた鐘淵紡績(かねがぶちぼうせき)という紡績業を営んだ会社であるとわかり、おどろきました。鐘淵は、現在は鐘ヶ淵と表記される墨田区の地名です。墨田区周辺は立地条件がよかったことから、明治時代になると近代的な産業の工場が建てられていきました。紡績業は、綿花から綿糸をつくる近代的な産業の一つです。・・・

★まだまだ続くのですが、ここまできちんと読めば、この文章に関する5問のうち3問は解けてしまいます(多少引用されている図の読み取りが必要な問題もありますが)。残りの2問は、この小学生の文章のあとに続くグラフを読み取り、多少近代産業の歴史的流れの知識が必要です。

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<回答>中学受験ってどうなの!?(6)

★学校選択のためのプランニングのポイント③に進みましょう。

③自分の学力を振り返り、志望校の入試問題とマッチングさせる。

★あっさり書いていますが、これができれようになれば、苦労はしません。自分の学力とは何か?志望校の入試問題から何を読み取るのか?それが問題です。

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2007年2月10日 (土)

<回答>中学受験ってどうなの!?(5)

前回のつづきです。学校選択のためのプランニングのポイント②について考えてみましょう。

②友達や親、塾の先生方と話し合う。

★①の「子どもが、学校説明会・行事に参加するというフィールドワーク、インタビューをしたり、情報誌やサイトを見て、情報を収集する」活動を通して、学校が少し見えてきます。ただし、まだまだ偏った見方をしている可能性があります。だから、友達や塾の先生方、もちろん親と子どもたちは話し合うチャンスが必要です。

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2007年2月 6日 (火)

<回答>中学受験ってどうなの!?(3)

★「<回答>中学受験ってどうなの!?(1)」で、「受験生・保護者にとって、中学受験とは、≪12歳の子どもにとっての本格的な初めての人生の選択の自己決定の経験≫です。」と述べました。

★今年の中学受験では、このことは決定的だったのではないかと思います。まだ中学受験は続いていますから(今年は受験生が多く、相当厳しかったと思います)、全貌は見えていませんが、電話やメールで、先生方から、いつもの年よりも、すべての入試日の願書を出す受験生(受験回数が複数回の学校が圧倒的に多いので、こういうことが起こります。たとえばある学校が3回入試を行うとすると、3回ともその学校に出願するという意味です)が増えた。そして・・・。

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<回答>中学受験ってどうなの!?(2)

前回のつづきです。今度は、日本の教育にとって中学受験は?という側面から思いつくまま。公立中高一貫校の適性検査も、中学受験という枠内にいれて考えてみます。

★公立中高一貫校は、私立中高一貫校のハードとほとんど変わらないものを整えようとしています。もともと私立学校で成功しているのだから、公立でも取り入れようという基本的な考え方があるので、当然です。

★そして、設立時の先生方はたしかに熱心で、情熱的ですから、私立学校の創立者の精神があるかのごとく映ります。しかし、それはあくまで教師個人のハートであるという点は冷静に見ておく必要があります。

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2007年2月 5日 (月)

<回答>中学受験ってどうなの!?(1)

★中学受験は、2つの側面から考えられます。(1)は受験生・保護者にとって、中学受験とは?(2)もう1つは日本の教育にとって、中学受験とは?

★受験生・保護者にとって、中学受験とは、≪12歳の子どもにとっての本格的な初めての人生の選択の自己決定の経験≫です。もちろん、保護者の支援なくしてこれはあり得ませんが、

①子どもが、学校説明会・行事に参加するというフィールドワーク、インタビューをしたり、情報誌やサイトを見て、情報を収集する。

②友達や親、塾の先生方と話し合う。

③自分の学力を振り返り、志望校の入試問題とマッチングさせる。

④合格するために、どういう学習をしていけばよいのかプランを立てる。

⑤自分なりの学習プランを立て、再び振り返る。

⑥志望者たちと自分の学力を比較し、さらに学習戦略を練り、実行、振り返り、戦略の再構築という学習サイクルを強化していく。

⑦後悔しない併願作戦を立てる。

⑧身体と精神のセルフ・マネジメント

⑨通学経路の自己点検

⑩試験前の必要な道具の自己点検。

★まだまだありますが、大まかに分ければ、上記のような学校選択のためのプランニングを、子どもたちが実際に体験します。もちろん、①、②は保護者がかなりの部分サポートしますが、③~⑩は、ほとんど子どもたち自身がやっていますね。

※参考→子ども達自身による学習戦略

2007年1月30日 (火)

トリガーとしての「読書」

★電車で通学する小中学生の中には、車内を図書室にしている生徒がいる。文庫や新書を開いている姿を見るのは、どこかホッとする。

★放課後、心と身体のバランスをとるには、やはり「読書」も捨てがたい。とはいえ、「読書」というとすぐに読解力を鍛えるためにという話になりやすい。

★まぁしかし、生徒たちが、ちょっとした時間に読む場合、<ためにする読書>はしばしどこかに置いておいて、<思いを馳せる読書>を楽しんでいるのではないか。だからその姿を見るとホッとするのだろう。

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2007年1月27日 (土)

モバイル社会フィンランドを私学は超えられる

★日本では私立中高一貫校の入試が始まっていますが、あのフィンランドでは、

「フィンランドの大手携帯電話メーカー、ノキアが発表した第4・四半期決算は、新興国(エマージング)市場のおう盛な需要に支えられ、増収増益となった」

★と報道されています(シインクイット2007年1月26日)。また

「米調査会社IDCは25日、2006年に世界で出荷された携帯電話端末の台数が、前年比22・5%増の10億1900万台と過去最高を記録し、初めて10億台を突破したと発表した。アジアなど新興市場での販売が増えた。・・・出荷台数のトップはフィンランドのノキアで市場シェアが34・1%、2位は米モトローラで21・3%。3位が韓国のサムスン電子で11・6%、4位がソニー・エリクソンの7・3%だった。」(東京新聞2007年1月26日)

★とあります。要するにフィンランドのモバイル社会は世界のトレンド。このモバイル社会の意味することは、いち早くフィンランドが成熟した「知識社会」になっているということを示唆しているのです。が・・・。

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2007年1月25日 (木)

教育再生会議でますます個人が世界基準を体得することが重要

教育再生会議の第一次報告が出ました。報告書が是であれ非であれ、問題はあらゆるものはジレンマや矛盾をかかえ、両刃の剣であることに気づき、その両面を見極める判断力を個人個人が持つことが重要になりました。

★しかし、その判断力を抑圧するような対話をしかけてくる一部再生会議のリーダーやメンバーがいます。やはり個人個人がしっかりしなければ。

★学力テストが全国で行われます。学習指導要領の見直しがされます。「体罰」の基準の見直しが行われます。いじめを繰り返す問題児童には出席停止措置という判断がなされます。「教育水準機関」(仮称)による監査システムが検討されます。「第三者機関による外部評価制度の導入」が盛り込まれます。

★これらはみなよいことに違いないのですが、両刃の剣ですね。すべてに共通しているのは「基準」作りです。「基準」とはルールです。サブ法律です。法は国民の意思が反映している必要があります。ですから、個人個人が基準を持たねばなりません。できれば世界標準の視野が必要です。

★教育のみならず裁判員制度の導入が検討されていますね。もし個人個人が広い視野の基準を創造し、国家の設定する基準の正当性、信頼性、妥当性がなければ、そのことを要求しなければ、なりません。現在の「意見をお聞かせください」という慇懃無礼で官尊民卑的発想では不安ですね。

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2007年1月24日 (水)

自己決定の学校選択の時代

★全国で中学受験が始まっています。東京の出願手続きは、1月20日に始まったばかりです。倍率速報を見ながら最終的にどこに出願するか戦略を練っている保護者もギリギリまでいると思います。

★多くのマスメディアもどのようなシナリオで取材したり記事にするか最後の詰めの段階に入っていることでしょう。

★一方で教育再生会議の報告書の中身について、しばらく世間は騒然となるでしょう。高校入試も大学入試も本格的に始まります。この時期日本列島は教育の季節ですね。

★しかし、これから教育はいろいろなところから注目を浴びるようになります。教育とは今までマズローの五段階欲求説で言えば、一番上の「自己実現欲求」の層の話が多かったので、浮世離れしていましたが、今では生理的欲求、安全欲求、所属欲求、尊重愛の欲求の各層の欲求とのジレンマ問題や葛藤をどのように解決するかという話題が前面にでてきています。教育再生会議はまさにそのような渦中の話なのですね。

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2007年1月19日 (金)

子どもは放課後大忙し!

★放課後、子どもたちは大忙しです。甥っ子たちは、少年サッカークラブや体操クラブ、ボーイスカウトの活動と学校から帰ってきたらランドセルを放り投げて飛び立っていきます。

★友人の息子は囲碁クラブだし、娘はフルート。DSをやりながらクラブに出かけますね。

★インターナショナルスクールに通っている知人の韓国の子どもの中には絵画教室に通っている子もいます。絵本を創作したり、恐竜や動物を粘土でつくったり、これが意外にも真剣そのものなんですね。

★近所の子どもたちと遊ぶというより、スポーツや芸術のコミュニティーで放課後を暮らす子どもたちがどうも目立ちます。

★もちろん塾というのも、特に高学年は多いでしょうが、ぎりぎりまでそのようなコミュニティで過ごす子どもたちが多いような気がします。なにせ、トレーニングのあとは試合やコンテストや発表会があるわけで、やはり表現するのは子どもたちは大好きです。

★塾は塾で、いろいろな機関がアンケート調査してもわかるように、子どもたちは好きだと回答するのが多い。理由は学校より楽しいというのが多いのですが、これは塾もコミュニティーで、運営が学校のようにピラミッド型組織運営ではないだけのことです。

★キャリアデザインのエデュテイメントをベースにしているキッザニアというところがおもしろいのも子どもたちが主役だからですね。しかしここも別角度から見れば、職業塾です。ただ、やはりコミュニティーという表現の仕方をとっています。

★日能研のディスカバリークラブの「ユーリカ!きっず」もおもしろい学びのコミュニティーです。ハーバード大学教授ハワード・ガードナーが提唱した『人間は誰しも複数(現在は8つ)の知能を持ち、人それぞれがそのいずれかに優れていたり苦手だったりするものである。』というMI理論をベースにしています。フィンランドを初めとする北欧の教育にも通じる感性と知性の両方のベースを育成するコミュニティーです。

2007年1月12日 (金)

お年玉を東大生の生活文化から見る

★お年玉の相場?これは子ども文化の特別生活支援の資金と考えてみましょう。毎月のお小遣いとは別に、年に一回いつもとは違った文化体験をさせてあげたいというのが親の本音だからです。

★自然体験、海外体験といろいろありますが、中学受験をおぼろげながら考えているご両親は、(本物のでなければなりませんが)エリート体験をさせたいと心のどこかで思っているはずです。果たしてそんな体験などあるのでしょうか。

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2007年1月 6日 (土)

算数とお年玉

AKOさんは、自分のお子様にお年玉の金額を「学年×1000円」という規則性で決定していると言ってました。実におもしろいですね。

シカクいアタマをマルくする「第8回の算数」も規則性を自分で見つける問題でした。両者のブログを読んで、思ったのですが、規則性を発見するだけではなく、規則性を自ら創てしまうというのも楽しいのではないでしょうか。

★第8回の算数の問題では「次の表は、4で割り切れない整数をあるきまりにしたがってならべたものです。」とありましたが、4ではなく5で割り切れないとしたら、どんな表を作る必要があるのでしょうか。これはおもしろそうですよ。創ったら友達や家族に出題してみる。あるいはお互いに出し合うというのもよいですね。

★お年玉の規則性も、たとえば「歳÷3×1000円」とします。そうすると、あまりが出た場合どういう規則にするか。条件としては、たとえば10歳、11歳、12歳で逆転または同じ額になることはないというルールを付け加えておく必要がありますかね(笑)。

★だから、あまった数を年齢に換算して足すということはできません。小数部分を切り上げてしまうこともできません。・・・・・・。もちろん割り切れた場合、何か特別なルールを作ることができます。

★そうだ、あまった数だけは「そうじの手伝い」の回数にして、その分、別にお小遣いをちょうだいというボーナスポイントをゲットする規則を創造する子さんもでてくるかもしれませんね。アッパレと気前よくあげてしまうか、そうはいかないと切り返すかは、ご家庭のルール次第です。

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2006年12月29日 (金)

地理は地政学で

四角マル男さん≪都道府県クイズ≫を出しているのを読んで、ちょうどこの間、白梅学園清修の社会科の畔上先生に「県庁所在地」の学びについてお話を聞いたことを思い出しました。

★12月16日の学校説明会では、模擬授業も行ったそうです。入試問題は学校の顔と言われていますから、模擬授業の学びの方針は、そのまま入学試験の傾向に結びつくという流れだったようです。もちろん、本番の入試問題や予想問題を素材に使ったわけではありません。

★さて、模擬授業では、難しい問題を出題するよりも、基礎基本とは何かを生徒と保護者に伝えたかったということでした。たとえば地理分野で、県庁所在地を憶えることは重要なのですが、それはなぜでしょうというわけです。

★単純に記憶すればそれでよいのではと思うのですが、県庁所在地になる条件は、経済や政治、交通、歴史的には軍事機関などの要になるような場所がほとんどです。断崖絶壁のように、交通の便が悪く、農業にも工業にも役立ちにくいところは選ばれないでしょう。

★だから県庁所在地は、名前と場所を暗記すればよいのでなく、様々な条件、つまり地政学的に整理をしていく必要があるわけです。県庁所在地の名称は、その条件データや情報のインデックスの1つです。だからまた記憶していなければというわけですね。

★日本地図で長崎県の形と江戸時代の長崎の出島の絵を見せて、所在地を解答させるような、問題としては易しいのですが、江戸時代の鎖国時代、なぜ長崎だったのかをふだんから考える学びをしていれば、県庁所在地の名称を憶えるまでもないわけですね。問題ができるかどうかよりも、この学びのプロセスを通過しているかどうか、いわば子供たちが自分の力で丁寧な勉強をしていけるようになることが畔上先生のねらいだったのですね。

★受験勉強の際に、この丁寧な学びのプロセスを歩いていると、中学に入ってから、長崎の出島の役割が、キリスト教国でないアジアの東の端の国・日本で近代化に成功した理由を解明してくれることに気づくわけです。そして江戸時代が日本海側の藩が経済的に非常に栄えていた理由も自分の力で調べることができるでしょう。

★今では数えるほどしか大名庭園はありませんが、明治初期に欧米人が江戸を訪れて、大小さまざまな大名庭園を見て感嘆した理由もわかるでしょう。参勤交代で遠く故郷から江戸屋敷にやってきたときに、そこは自分たちの藩の元風景としての理想郷がなければ辛かったでしょう。一瞬の心の安らぎは、理想郷として作庭された大名庭園にあったのではないでしょうか。

★しかし、この参勤交代や江戸屋敷の維持には膨大な費用がかかります。その富を集積できたのは、アジアに近かった九州から日本海側にかけての藩です。しかし、黒船が浦賀に現れてからは、一変します。アジアではなく欧米と交流を持つことが地理的に便利なところが富を集積しやすくなるわけです。

★長崎から今度は太平洋側にかけてのエリアが経済的に豊かになります。今イスラム圏や中国を中心とするアジア圏が、明治時代、欧米とは異なりキリスト教国ではない日本がなぜ近代化できたのか、それを促進したリーダー渋沢栄一翁の経済道徳合一説「論語と算盤」に注目していると言われています。

★しかし、実際にはキリスト教かそうでないかは、もちろん関係はありますが、中心的要素ではないのではないかという考え方があります。最終的には、勤勉という宗教的な原理が必要なのかもしれないですが、江戸時代まで世界の生産文化の中心はアジアだったからだという説があるんですね。

★壮大でしょう。欧米も日本も実は大海原に出て、当時の中国の生産文化を買ってこなければならなかった、つまり輸入して消費しなければならなかったんですね。それには銀と銅が必要だったんですね。

★日本は当時はものすごく銀山・銅山を開発していたから、買うことができたんですよ。スペインやポルトガルは南米諸国から金を収奪してきた。だから買えたんだけれど、いったん銀に換えなければならない。長崎の出島で日本と貿易を独占できたオランダは、有利な立場に立てた。スペイン・ポルトガルは世界制覇の座をオランダに譲らねばならなくなるのですから。

★しかし、自由を初めに獲得したイギリスは創意工夫の国として産業革命という技術のイノベーションを興すことができた。お金を収奪して文化や物産を買うのではなく、新しい文化や物産を生産して売る立場に転換したイギリスは、今度は大英帝国という世界戦略に乗り出します。

★日本も明治維新で、良し悪しは別にして、富国強兵・殖産興業を打ち出します。イギリス産業革命である技術のイノベーションは、奥義ではなく科学の始まりだったために、多くの人たちが学ぶことができた。だから吸収は速かった。日本の江戸の文化を持っているところは、新しい物産や文化を生産する方向に進めなかった。つまり日本海側。太平洋側は、新しい文化を生産することによって、日本を構築しようとした。オランダもイギリスも日本も小国。自然の資源は無限にはない。中国は相対的にある。この格差を逆転するにはイノベーションしかなかったのではないかというような説ですね。

★武蔵や麻布の社会の入試問題は、このような切り口で作成するだろうし、実際そのような問題を出してきました。県庁所在地を地政学上の条件にセットするだけで、こんな壮大な話になるんですね。

★しかし、21世紀はこの産業革命路線は環境破壊の元凶でもあるわけで、再び大きく歴史の流れは変わろうとしているわけです。技術のイノベーションから文化のイノベーションへ。だから再び大名庭園なのですね。川勝平太先生(国際日本文化研究センター教授)の「文明の海洋史観」が今回の話の元ネタです。お正月に読んでみてはどうでしょう。それから京都大学の杉原薫先生の「アジア太平洋経済圏の興隆」も目からウロコです。オイル・トライアングルの秘密をゲットできます。

★四角マル男さんや畔上先生の問いかけは壮大な世界の動きに誘ってくれました。たかが中学入試問題されど中学入試問題ですね。

ダビンチコードと算数問題

Photo_3★第6回の「シカクいアタマをマルクする。」の算数問題は、おみくじ問題。

★ダビンチコードの本を読んだ人、あるいは映画を見た人は、五芒の星、つまり☆の形をすぐに思い浮かべたのではないでしょうか。図に赤い補助線を引いてみてください。でしょう。

★この星の頂点は、180°÷5で36°という特徴を持っています。受験生ならすぐにわかるかもしれません。よく出題されますからね。すると線分AとBが平行だから、180°-36°で144°という解答が暗算ででてきますね。ダビンチコードと中学受験の算数問題が結びついた瞬間です。2007年はすてきな年でありますように。

年末年始で感覚を磨く

2 ★年末はいよいよ大掃除。以前紹介した舛田光洋さんによると、そうじ力の極意は「捨てる・磨く・整理整頓」。これはあらゆることに共通。正月は京都を旅したり、庭園を散策したり、一家団らんコタツでみかんを食べていたり・・・。

★そんなとき冬の自然と必ず接すると思います。五感を研ぎ澄まし、心を柔らかくして、自然を身体に取り込むことになるでしょう。自分の知識ではなく、自然から知識はやってきます。そんな体験すると気持ちがよいでしょうね。

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私学の先生の気概

シンキングガールズのPeco先生は、12月27日も職員室。山積する仕事をこなしながら、年を越そうとしているようです。私立学校の先生方は本当に忙しいんですねえ。

★しかしながらがんばってしまえるのは、生徒がいるからです。既に冬休みに入っているし、仕事納めの日とあって、学校には生徒はいないようです。「生徒のいない学校はつまらない。」というPeco先生の気持ちは、生徒がいるからがんばれるという気持ちの現れですね。

★さて私学の教員2年目を迎えた私立G学院のH先生が、開成の生田先生が駒澤大学で講義している教科教育法の「授業研究集」にこんな寄稿をされていました。

「学校という場は、分掌の仕事や研修、生徒募集の活動を行いながら、毎月何らかの行事の準備に追われ、そして授業の準備をし、突発的に生徒や保護者の対応に追われる。受験生を担当すればこれに進路指導が加わり、担任であればクラス運営や総合的な学習や道徳の授業も行うことになる。このように、教員の仕事は、実に多様で、過酷である。

実際、この体制に不満な人は職場を変えて行き、一方で来年の採用を断られる人もいる。もし、教科指導のみに力を注ぎたいのなら、非常勤講師か塾講師の方が、断然教材研究の時間があり、やりたいことができると思う。また女性にとっては、家庭と仕事の両立はなかなか難しい環境かもしれない(学校にもよるだろうが)。ではなぜ私は今日まで続けてこられたのか。

それは、生徒がいること、良き先輩たちがいること、そして自分に負けたくないという気持ちがあることである。・・・雨の日も、猛暑の日も、必死になって自転車をこぎ学校にやって来る生徒をみると、『いい授業をしてやりたい!』『力をつけてやりたい!』と思うものである。例え、生徒の質問に答えていて昼食を食べ損ね19時ごろの昼食になっても、徹夜になっても、私が頑張れば頑張った分だけ、生徒はイイ反応をしてくれる。」

★Peco先生の「生徒のいない学校はつまらない」という思いにも、同じ気概が込められているに違いない。

2006年12月27日 (水)

中学受験生の年末年始

◆6年生の中学受験生のほとんどは、冬期講習に通っていると思います。ですから、基本的には冬期講習に合わせた生活を送ることがまず大事です。このシーズンは毎年、風邪にかかりやすい時期でもあります。

◆身体を健康に保つことがポイントですね。適度な運動(ストレッチ程度でよいです)、のどを乾燥させないこと、規則正しいお通じ、そのためには適切な食事などなど・・・。これらについては塾の先生方から指導があるはずですから、よく聞いておいてください。

◆とにかく身体のコンディションをよくしておくのも、受験には大事なことです。来年、再来年の未来の受験生は、今からそのことを心がけておくとよいですね。

◆身体のコンディションがよいということは体力もついていることを意味しますが、このような身体の最適化集中力持続力の基礎なんですね。受験も実はスポーツや音楽、美術と共通点がありますが、それが集中力持続力です。

◆それから心理的にこの2つの力をサポートするのが、黙想、瞑目、メディテーションと言われるような、目を閉じて無心になる瞬間をときどき実行することです。頭が疲れてきたら、目を静かに閉じ、自然な姿勢になるという単純な動作です。30秒ぐらいでよいです。あまり長かったり、頻繁にやると眠くなってしまいます^^);から、勉強に向かうときに、テストに向かうときにという感じですね。

◆2つの力の最大の大敵が「不安」感です。不安を表に出さないようにしていても、不安を克服することはできません。「不安」はいつも人生についてまわるものなので、なくなることはありませんが、その都度克服することはできます。

◆中学受験生にとって「不安」は、合格するかどうかですが、これは併願戦略で克服できます。リスクの分散をするのはサバイバルのための鉄則です。

◆しかし、それでも100%安心ということはないでしょうから、最終的には、やはり「学力」です。併願戦略は自分の力を考慮してプランされているので、そう心配はないのですが、微妙な不安が残るのは当たり前です。スポーツでも音楽でも同じです。だからトレーニングを重ねるわけですね。受験勉強も同じです。

◆ただ、イチロウも真央ちゃんも闇雲にトレーニングはしません。自分の弱みを強みに変える、強みを維持するトレーニングメニューをプランして、実行しているはずです。

◆ですから、冬期講習に臨む時には、自分の強みと弱みを意識して、ここは得意だから維持するためにやるぞとかここは弱みだから講習の授業の中で解決しようと集中するとか、そんなことを思いながらチャレンジすることが有効ですね。そして帰宅後は、補強しなければならない分野のトレーニングです。そうやっているうちに不安はいつの間にか消えているでしょう。6年生にそんな意識が持てるの?とおとなは思うかもしれませんが、十分にできますよ。

◆もう1つ、正月の休みが少しあると思いますが、そのとき6年生の中学受験生は遊ばずに勉強すること。ただし、新しく難しい問題を解くというのは、もうすでにある一定レベルまで達した受験生のやることです。そうでない場合は、一気呵成に国語・理科・社会の知識の整理・整頓をしておくことです。各教科A3かB4の紙一枚ずつ用意して、自分がなかなか憶えにくかった漢字や社・理の知識を書き出すことです。ここまでトレーニングしてきたのですから、憶えにくい知識は少なくなっているはずです。一枚の紙に収まるほどになっているはずです。憶えていない知識量が少し多い人は、小さな文字で書き出せばよいです。とにかく各教科一枚にまとめること。ドラゴン桜で出てくる「メモリー・ツリー」や「マインド・マップ」のような図に出来ればなお良いですが。

◆あとはそれをコピーして持ち歩きます。憶えたらマーカーで1つひとつ塗っていきます。全部塗り終えたら、気持ちがすっきりします。実は一枚書き出した時点で、かなりスッキリですが。とにかく一枚目が終了したら、再びコピーしておいたもう一枚の紙を同じようにマーカーで塗りつぶしていきます。休み時間など利用して。

◆それでもまだ憶えられない知識があったら、次にB5の紙を一枚用意して、今度は各教科ではなく、すべての教科で憶えにくい知識を一枚のB5の紙に書き出します。それが最後の詰めになります。

◆算数は、今まで自分が解けなかった問題を10問選んで、一気に解きます。10問選ぶときは、分野はばらばらにしてください。速さが苦手とか比が苦手とか思っているかもしれませんが、実は分野を超えて同じようなところが壁になっているのに気づくでしょう。この壁を見つけた瞬間に、算数の力はアップしているはずです。

◆ここに書いた受験生の年末年始の暮らし方は、あくまで1つの例です。どうすればよいか不安に思って勉強が手につかないという人のために、書きました。自分のやり方が確立されている人は、そのまま驀進してください。自分を信じることが不安を克服する最強の方法です。

2006年12月25日 (月)

正月は大名庭園で日本の文化を

Photo_2★ずっとこさんは、正月は京都でということのようですね。羨ましい。わたしが好きな寺の1つに「東福寺」があります。この寺の方丈の庭園は重森三玲が作庭。

★東福寺の境内には竜吟庵もあり、そこの方丈の庭も重森三玲が作った。写真は竜吟庵の庭です。この庵は一年のうち決まった日しか開かれていなかったと思います。

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12歳の選択に思いを馳せる

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2006年12月24日 (日)

「そうじ力」で世界が変わる?!

Photo_1★AKOさんも、四角マル男さんも、年末は大掃除!と書かれていました。掃除と言えば、最近舛田光洋さんが「そうじ力」という本を何冊も書かれています。

★部屋をきれいにする、効率よく仕事ができるようにするというのは、もちろん大事なことですが、それ以上に「捨てる→磨く→整理整頓」というシンプルな「そうじ力」は、人間のあらゆる場面でも共通する力ですね。

★2003年度のOECD/PISA(生徒の学習到達度調査)では、問題解決能力を調査していますが、この能力はCROSS-CURRICULAR COMPETENCIESと言われています。つまり、「そうじ力」ですね。大掃除をしながらグローバルなあらゆるものを横断する能力を身につけるというのは、すてきですね。

★ところで、舛田さんの本のおもしろいところは、三日坊主のメカニズムを解明しているところ。これは学習にもあてはまります。一読してはいかがでしょう。世界が変わるかもしれません。

2006年12月22日 (金)

「ちいさい」の意味

   ぼく

 ぼくの かぞく

 ぼくの ともだち

 ぼくの がっこう

 ぼくが すんでいる まち

 ぼくが すんでいる くに

 ぼくが いきている ちきゅう

 ぼくが

 だんだん ちいさくなる

「ちいさなともだち」秋原秀夫 (ジュニアポエムシリーズ45銀の鈴社)から

★「銀の鈴社」というかわいらしい出版社がある。取り扱っている書籍は、教育関係と児童文学関係が中心。少年詩のシリーズはもう180冊を超えるかもしれない。

★12年ほど前、池上嘉彦先生に、「実は論理的に考えたり、表現したりする教材はたくさん開発されている。想像力を広げる教材は実はあまりつくられていないから、チャレンジしてごらんなさい」とアドバイスを頂いて以来、素材を探して一千里。銀の鈴社と出会った。そしてそれが≪トリガークエスチョン(TQ)≫作りにつながっているのだが・・・。

★もともと小学校3、4年生の教材やテストの素材を児童文学の作品からつくっていたから、少年詩を専門に編集している同社が、目立たないが重要な存在だと直感した。秋原さんのような詩人のこころを支えている出版社である。谷川俊太郎さんやまど・みちおさんのような大詩人も同社から少年詩を出版している。

★子どもが世界から無限の可能性を見つけ出す感性を大事にしているわけだ。

この感性は

主観的とか

恣意的とか

情緒的とか

論理的にはそんなふうに言われ

排除されてがちだが

「ちいさくなる」ことによって

いままで気づかなかったことに

フムとか

アッとか

ナ~ルとか

ハッとか

なるこころ

なのかもしれない

★「銀鈴ポエム通信№25」によると、詩人秋原秀夫さんは今年6月23日にご逝去されたという。童話作家竹下文子さんのお父さんでもあった。竹下さんは、幼い頃にお父さんに作ってもらった1ダースほどの手作りの絵本をまだ持っているそうである。

2006年12月21日 (木)

この世でいちばん楽しいことをしようよ

第1回 : 年末年始、子どもと一緒にどう過ごす?

さあ子どもたち、馬鹿げたことをしようよ

だって、この世でいちばん楽しいのは、

なんでもないことで笑うことだもの。

まったくタダで、お金もいらない。

ミヒャエル・エンデ「だれでもない庭 エンデが遺した物語集」から

◆年末年始は、いつもの家族より人数が多くなる。ふだん会うチャンスの少ない親戚縁者と大いに飲み、食べ、語る。今は亡き父、娘にとっては「おじいちゃん」の思い出話にも花が咲く。幼い甥っ子たちが、大人が話しているのに飽きて、いろいろ仕掛けてくるのが、またおもしろい。なんでもないしぐさに、子どももおとなも大いに笑う。

◆年末年始は、とにもかくにも笑うのである。その合間をぬって、読書をしたり、博物館や美術館を訪れたりもする。恐ろしいことにディズニーシーなんかも予定されている。ここでは、娘や甥っ子たちの「笑み」が楽しみだ。ニコッ、ニカーッというあの笑顔。もっとも「まったくタダで、お金もいらない」ということはないのだが。

すきじゃないわ

きらいよ

でーとなんて

するもんですか

谷川俊太郎「詩ってなんだろう」から

◆本を開いていると、おじさん何読んでいるの?と必ずのぞきにやってくる子どもたち。するとひらがなばかりに驚いて、おとながこんな簡単なもの読んでいるのと目を丸くする。まあいいから声をだして読んでごらんと声をかけると、わーっと逃げていく子どももいるし、わかったわかった聞いて聞いてと騒ぐ子どももいる。

◆すきじゃないと言って本当はすきなんだというこの仕掛け・・・と語りだしたら、向こうで娘と母親がくすくす笑っている。

◆それはともかく、読むとはこういうことだ。つまり「おもしろさ」を発見するということ。身の回りのあらゆるものは「なぞなぞ」謎なのだ。そんな視点を持って、初詣も、美術館も、博物館も訪れると子どもたちの「笑み」の意味を発見できるだろう。

いつも近くにいるけど、

着くことはない。

来たかと思えば、

名が変わるものは何だ?

ミヒャエル・エンデ「だれでもない庭 エンデが遺した物語集」から

◆エンデの想定してる回答はなんだろう。ともあれ、年末年始は、好奇心を取り戻すチャンス。笑う角には福来る、なのである。

2006年12月20日 (水)

わくわくトリガークエスチョン

Photo ●わたしは、小学生や中高生、大学生と話をするプログラムをつくっている。たとえば、図のような一枚の絵を見て、みんなで、わいわい話し合う。あひるやうさぎにすぐ見える子どももいれば、どうしても見えなくて、なぜなぜと聞きまくる生徒もいるし、あひるのくちばし、いやうさぎの耳(?)の部分が、ある動物の足に見えると、つまり顔じゃなくて反対側というか、なんというか・・・、ともかく一通りではない。

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